ハイスクールA-A   作:右眼

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主にイッセー回


禁手化

 

『相棒、生憎だがこの姿で居られるのは長くて5分。大技を撃てばそれだけ時間は短くなると思った方がいい。何しろ初めての禁手化(バランスブレイク)だ。まだ慣れてない以上勝負はさっさと決めるに越したことはない』

 

ドライグはそう告げる

しかしそんな事は兵頭一誠には関係なかった

ただ目の前の敵をぶっ飛ばす、それができるだけの力を手に入れその力に振り回されないように今まで修行してきたのだ

なら自分がやる事はひとつだけ

 

「5分もありゃ充分だ。まずはあいつをぶっ飛ばす」

 

ふん!っと脚に力を込めヴァーリに向かって飛びかかる

 

「な!?」

 

ヴァーリは咄嗟に顔面を腕でガードする

だがそのガードも間に合わず巨大な力の塊が吹き飛ばす

 

「な…んだ…今の一撃は…」

 

吹き飛ばされ学校の壁に衝突し瓦礫に埋もれていたヴァーリがその瓦礫を破壊し再び現れて驚愕する

 

「ただ思いっきりお前に向かって跳んで殴っただけだ」

 

そう、兵頭一誠の放った一撃、それはただの拳打だ

しかしその威力、スピードは先程までの何倍にも膨れ上がっていた

 

「確かに赤龍帝の力なら瞬時に倍加を行うことはできる…だが今のは違う」

 

ヴァーリは口元の血をぬぐいながらグラウンドに佇む標的をにらみつける

 

禁手化(バランスブレイカー)爆赤龍の聖鎧(バースト・ドラゴティックメイル)といったところか』

 

ドライグはそう呟いた

 

「帝じゃないけどいいのか?」

 

『ふん、俺よりも強大な力を目の当たりにしてきて今更帝なんて名乗れるか。今はそんな称号なんて興味はない』

 

ドライグは兵頭一誠の問い掛けを笑い飛ばす

 

『さぁ次だ。奴も本気になってくるだろう』

 

「あぁ。だけどそれすら力で捩じ伏せる。それしか俺には出来ないからな」

 

兵頭一誠は目を瞑りふーっと息を吐くと脱力する

 

「アルビオン…」

 

『わかっている。奴が動いた瞬間にあれを放つのだろう?』

 

アルビオンのいうあれとは範囲内のありとあらゆるもの全てを半減させるハーフディメンションという大技である

 

「わかっているならいい。だがそれすら奴には通用しないかもしれない。それでも視えるスピードにさえなれば対処はできる」

 

ヴァーリはアルビオンとの作戦会議を早々に終わらせると兵頭一誠を迎え撃つためにこちらも構える

 

「こんな楽しい勝負をそんな簡単に終わらせてはやらん」

 

ヴァーリが完全に体制を整え瞬間を狙ったのかわからない

けれどそのジャストなタイミングで兵頭一誠は飛び出した

 

 

「いまだ!!」

 

 

 

その合図と共にヴァーリはその技を発動する

 

『Half Dimension!!!』

 

 

 

その刹那、ヴァーリからある範囲内のありとあらゆるもの全てが半減する

先程全く反応のできなかったスピードの兵頭一誠を視えるスピードに変えるため、それだけの為に魔力の消費を惜しまず全開で半減させる

 

「なっ!?」

 

自身のスピード、パワーなどが急激に落ちた事で困惑する兵頭一誠

 

『怯むなっ!所詮半減させられただけだ。倍加をしてやれば元に戻る!』

 

やはり封印されていたとしても二天龍と畏れられた伝説のドラゴン

その経験からすぐに状況を立て直す術を見出しそれを伝える

 

「おう!」

 

 

「Boost!Boost!Boost!Boost!」

 

禁手(バランスブレイク)状態故に10秒という制限の枷を解き放った今の兵頭一誠は一度に限りはあるが一気に倍加を行う事が可能となっている

それによって落ちたスピード、パワーなどを再び取り戻す

 

「ぶっ飛べぇぇぇぇぇぇっ!!」

 

そしてただ思いっきりその右の拳を振り抜いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凄まじい爆発の後そこに残っていたのは粉々に砕け散った瓦礫の山

それは先程の一撃の『凄まじさ』を物語っていた

 

 

「はぁ…はぁ…」

 

倍加に加えなけなしの魔力を全て注ぎ込んだ渾身の一撃を放った兵頭一誠は5分というタイムリミットを待たずしてその力全てを使いきり禁手化(バランスブレイカー)の状態から元に戻る

 

 

「お前…すげぇよ。敵だけど感心するわ」

 

兵頭一誠はそうヴァーリに話し掛ける

 

そのヴァーリは兵頭一誠から離れた場所でこちらも鎧が解除された状態で片膝をついていた

だがその身体に傷は存在しなかった

 

「あの時一瞬でも貴様の姿が視えなければ今俺はこの世に形を残していなかっただろう。今回は俺の負けだ。魔王の暗殺にも失敗している以上これ以上やる意味はない」

 

「ヴァーリ…」

 

「兵頭一誠。君は俺のライバルに相応しい。次は俺が勝つ。そして伝承無き神、貴様も俺が倒す」

 

ヴァーリは高みの見物を決めているアダム・アークライトを見てそう言い放つ

 

「ほう。神であるこの私を倒すと?やめておけ。ブレイドにすら…いや、そこの小娘達にすら勝てない貴様では私など到底倒すことなどできん」

 

アークライトの指した小娘とはアークライト眷属といっても過言ではない悪魔達、そしてブレイドの一派である

 

「……確かに今は敵わないだろう。だが覚えておけ。貴様が地を這い蹲らせるのはこの俺、ヴァーリ・ルシファーだ」

 

ヴァーリはそう告げるとその姿を消した

 

「負け犬の遠吠えなど覚える意味などない」

 

アークライトはそう返すと真っ直ぐにある場所に向かって歩いて行った

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