そんなの関係ねぇ!って方はぜひぜひ読んでください。作者が喜びます。
また、この小説型議事録はあくまで沢山ある結末の一つに過ぎません。結末はプレイの数だけありますから。
元シナリオ↓
https://talto.cc/projects/5vFdY5q52ZLNfKAG39m0
運命と因果、そして奇跡と 1日目
「運命」
それは人に平等な幸福と破滅を与える災厄であり、体のいい方便でもある。『運が悪かった』と言えば、その罪を天の仕業と言うことに出来る上に、その中に人の感情など介入することが無いのだから。
だがそこに、異を唱える物が現れた。
エモクロアTRPG-運命と因果と、そして奇跡と
※
ここは
この高校に教師として通勤している
「おはようございます!」
「おはよう」
「先生おはよー!」
「おはよう」
教室に向かっていく生徒に挨拶を返していく
「おはようございます、
「おはよう」
彼の名前は
薄幸そうな雰囲気に加え、今年の4月から入学したにも関わらず少しよれた制服や鞄を身につけている少年、しかしそれなりに友人と仲良くしているようだ。
ふと、
しかしこれだけはわかる。確実に良くない話であり、よく聞いた噂話だと。
「……
思わず心配になりついこの言葉をかけるが
「あはは、大丈夫ですよ先生。これはいつものことです」
失礼します、と言って
このまま散歩しようと思ったが、その考えはたった今鳴った校内放送によって打ち消された。
『
「あらいけない。急いで戻らないと」
※
ところ変わって
彼の名は
彼はほぼ毎日朝早く来てはこうして机で寝ているのだ。理由は今回は夜に面白いアニメを一気見したせいでこうなった。1クール12話、コマーシャルを抜いて1話約23分。そう仮定すると、23×12=276、時間にして4.6時間。見始めたのが23:30、そして起床時間が6:49、そして課題も半分残っている。完全に寝坊したのだ。
幸い課題の提出は6限目なので授業の合間に寝て残りの課題をやれば間に合う、といった状況だった。
これ以外にも理由はあるが、アニメ6:その他4の比率で寝不足なのだ。
なので本来であれば担任が来るまでこうして寝ているのだが、ほぼ毎日
「おはよう
その原因がこの少女、
身長148cmのちびっこなお転婆娘で、年がら年中マスクをつけているマスクの民である。なぜマスクをつけているのか聞いたところ、つけてちゃ悪いかとまるで地雷を踏み抜かれたかのような声だったので追及を諦めた。
一般的な(ここ重要)イメージとして、普段からマスクをつけている人間は静かでおとなしい印象があるが、この娘はその固定概念をぶっ壊したような性格をしている。
「ったく……毎回やって飽きねえのか。今割と眠いんだが」
「夜更かしは良くないよ〜。アニメでも見てたの?早く寝ないと健康に悪いよ」
「遅刻してねえから問題無し。つーか寝不足になる原因はそれだけじゃないぞ?なあ
「う、うーん……僕あんまりアニメとか見ないからわかんや、い。おはよう2人共」
「おはよ」「おはよー
ちょうど
「そうだ
「アニメだけじゃねえよ」
「じゃあなに?」
「……あえて言うならお散歩だ」
「深夜徘徊してたってこと?悪い子だぁ!」
「
「え、えーと……今日は早く寝たらいいんじゃないかな」
「味方などいなかった……」
そんなこんなで、いつものようにめいを中心に3人は楽しくおしゃべりに興じると怒鳴り声が聞こえてきた。
「昨日拾った宝くじが無くなってやがる!当たってたんだぞ!」
その言葉に
その反応はまるで隠し事をしている子供のようだった。
何があったかを聞くと、
「実はさっき登校中に拾ったんだ。でも交番に行くと学校に遅刻しちゃうし、かと言って放置できないと思って……ってあれ?」
少し怯えながら言う
「……お前が落とした宝くじってこれか?」
「あぁ!?」
生徒は
(礼も無しかよ。失礼なやつだな)
「……ありがとう、
「気にすんな。今回は俺が行った方がいいと思ったからな。それに、バレたら後が面倒だろ。んでさっきの話だけど……」
「おまえが盗んだんだな!?この古着屋め!」
古着屋というのは彼を馬鹿にするあだ名の一つである。元々貧乏である彼は新しい制服を着ないで先輩からもらったお古を使っていたのだ。その他にも
しかし、それでも友人となったのが
このような2人と仲良くしていることで根本的な解決には至らないものの最近は虐めは減ってきつつある。
閑話休題。
おそらく今の会話が聞こえていたのだろう。
「ぶっ」
「!?」
体幹を使い倒れないように踏ん張った。手で受け止めるつもりが思いっきり頬で受け止める形になってしまったので
「わ、わる「謝んのは俺じゃねえだろ」え?」
「確かに
「いった……医療セット持ってきておいてよかった」
本当は
※
チャイムが鳴り終えた廊下というのは実に独特な雰囲気を醸し出す。
本来であれば生徒達は教室に入り先生を待つが、遅刻確定で急ぐ意味を失った生徒や、授業をサボって校内を歩き回る生徒はまるで自分しかいない空間にいけないことをしている背徳感も相まって特別な空間のように感じる。
そんな廊下を歩いているのは2人の大人と少女。
うち1人は
そしてもう1人は茶髪ミディアムで日本では珍しい緑色の目を持った少女。表情にはには出ていないが彼女の頭の中では緊張と不安が頭をぐるぐる回っている。
「それじゃあ一旦ここでまってて。私が入ってきてって言ったら入ってね」
「わかりました」
「起立。礼。着席」
日直の挨拶で誰もが通る朝の挨拶。
「みんなおはよう」
「「「「「「「おはようございます」」」」」」」
「今日の連絡の前に、今日からこのクラスに転校生が来ます」
「転校生?」「高校だと珍しいな」「どんな子が来るんだろう」「ちくわ大明神」「可愛い子だといいなぁ」「なんだ今の」等々の声が聞こえてくる。
「転校生かぁ。どんな子なんだろう。あ、唐揚げとか好きかな?」
「それは知らん。けどまあ、高校から転校なんて珍しい」
生徒それぞれ三者三様の反応をする。
「それじゃあ、入ってきて」
入ってきたのは思わず教室の騒音が一斉に沈むほどの美少女だった。
まず目に入ったのは女子の平均身長より少し高い身長に、日本では珍しい緑の瞳。欧米特有の西洋人形のような容姿に日本人のような雰囲気を纏っている。
つまり、顔面偏差値が高い美少女である。
白い文字で書かれたのは、シロ・ヴェルタ。
「それじゃあ、みんなに自己紹介して」
「イギリスから引っ越してきました、シロ・ヴェルタです。よろしくお願いします」
そう言って彼女——シロは頭を下げた。
彼女は親の事情で
緑色という日本ではなかなか見ない瞳で、しかも人形のように顔の整った美少女を目の前に教室にいる生徒は一部を除いて興味津々だ。
ちなみにその一部は
ちなみに、
(仕事柄イかれた奴らを多く見てるからかな、彼女について騒いでいる奴らの気持ちがわからん)
この青年、こんな興味ないフリをしている隠キャ童貞なセリフを言っているが実際その通りなのだ。
彼は
なので海外から美少女の転校生が来たところで大して興味はないが——
(まあ、この考えは口に出すのはよそう。確実に雰囲気をぶち壊すしあらぬ勘違いを招きかねん)
当たり前のことではあるが、
「それじゃあ空いてる席は……
「わかりました」
シロは指定された席まで歩き、席に座った。
「よろしくね」
「よろしく」
そして
「みんな仲良くしてあげてね。それじゃあ今日の連絡から——」
※
1限目は
「今日はシロちゃんについて質問コーナー……と言いたいところだけど授業が結構遅れているから放課後のHRやります」
生徒たちからブーイングが上がるが
「じゃあみんな教科書の……そうだシロさん。あなた教科書持ってる?」
「あ、持ってないです」
「そうしたら……」
「先生、俺が見せるんで大丈夫です」
「あらそう?じゃあお願いね」
そんなわけで、教科書を見せやすくするため
「まって
「どうした?」
「私が見せるよ!女の子同士の方が話しやすいでしょ?」
「あー確かにそうだな。ごめんねヴェルタさん、気が利かなかった」
「ううん、大丈夫」
「先生、そういうわけで
「どうそれもそうね。じゃあ2人は席交換して」
「はーい」
(お気に入りの席だったけどまあいいか)
さようなら窓際の席、と
※
時は流れて放課後。めい、
「——じゃあ集合場所は
「元気!」
「確かにそうだな。よしじゃあそんな感じで。
「う、うん。大丈夫だと思う」
「よし。じゃあ帰るか」
話し合いが済んだので
「ねえ」
「なんだ?」
「明日の遊園地なんだけどさ、シロちゃんも誘っていいかな?」
「ヴェルタさんを?俺は構わんが……」
「僕も大丈夫だよ。けど……」
「シロちゃんどこに住んでるの?」
「シロちゃん髪サラサラだね!どんなケアしてるの?」
「ちくわぶ大明神」
「ヴェルタさん、もしこの後よかったら……」
「ねえ何今の」
めっちゃ囲まれてた。転校生というものもあるだろうがその人形のように整った容姿もあいまってめちゃめちゃ囲まれて……ねえ待ってなんかいるんだけど。
(……はぁ、仕方ない)
「先に3階の階段すぐの空き教室に行ってくれるか?ちょっと考えがある」
「え?うん、わかったけど、何かいい案があるの?」
「うまくいくかどうかはわからないがな。頼んだ」
「
「任務!?どんな任務でしょうか!」
めいは任務と聞いて目をキラキラと輝かせながら
「今回の任務は、あの人だかりにいるヴェルタさんを素早く回収して3階階段すぐの空き教室に行ってくれ。俺はその後を追う。行けるな?」
「行けるよ!私は動けるチビだからね!」
「ははっ、そら頼もしいな。じゃあ頼むぞ」
「おまかせ、あれっ!」
瞬間、めいが
消えた、というのは比喩表現ではあるがめいは人混みを器用に避け、素早くシロの元へ近づくとシロの手を掴んで引き寄せ、かるく抱き上げるとこれまた素早く教室を出た。
※
「あ、あれ?シロちゃんは?」
「さっきまでいたよね……?」
「荷物は……ない」
「ちくわぶ大明神」
「じゃあもう帰ったのかな?」
「まあいいや、こいつの奢りでカラオケ行こうぜ」
「ねえなにいまの」
「おう、いいぜ!何せ宝くじ当たったんだからな!」
「あれもしかしてスルー?」
「よっしゃー!お前ら聞いたか!今からカラオケ行くやつこいつが全員分奢ってくれるってよ!」
「マジで!?」
「よっ太っ腹ー!」
「お魚大明神!」
「ごちになりまーす!」
「ちょっ、てめえふざけんなそんなでけえ額当たったわけじゃねえんだぞ!?」
「ねえ今なんかいたよね!?ねえなんか今いたよね!?」
※
「お待たせー!」
「え、え、え?な、何が起こったの?」
「あれ、
「後でくるって。ごめんねシロちゃん、突然連れ出して」
「え?あ、めいちゃんだったんだ……。大丈夫だよ。ちょっとびっくりしたけど」
シロは少し困惑したが相手がめいと理解したことで少し落ち着きを取り戻した。
「おい
するとそこに3人分の荷物を持った
「え?教科書と筆記用具とお菓子とお菓子と……お菓子?」
「どんだけ持ってきてんだよ!つかそんなにいらねーだろ!」
「まあまあ、そんなに叫んだら喉痛くなるでしょ?はい。のど飴いる?」
「そういう問題じゃ……いやいるけどさぁ」
「それで?説明したか?」
「あっそうだった!あのねシロちゃん。私と
「うん!行く!」
「まさかの即答」
めっちゃ食いついた。いや、めっちゃ、というほどではないかもしれないが目が輝いて前のめりになっている。
つまり、超乗り気である。
「あー、いいの?ヴェルタさんは今日来たばっかりだから、もし気を遣ってるなら断っても……って思ったけど大丈夫そうだね」
「うん。多分お母さんに聞いても大丈夫っていうと思うから。それに、仲良くしてくれる人たちは大事にしなさいってお母さんが言ってた」
お母さんすごいな。そう思いながら
「それならだな。ところでヴェルタさんは「そうだ!ねえシロちゃん、ラインやってる?やってたら交換しよ!」おいこら発言を被せるな」
「うん。ラインやってるよ」
「それじゃあ、はい!ほら
「う、うん」
「はいよ」
めいに促されてシロは3人と連絡先を交換し、
「今日の夜持ち物で必要になるであろうものをこのグループに送るから、それを基準にして準備して」
「わかった」
「よし、じゃあ帰るか」
そうして、4人は帰路についた。
※
< 遊園地に行き隊
集合場所:
集合時間:9:00
持ち物:交通費(大体700円)
チケット代(6200円)
モバイルバッテリー
飲料水
タオル
その他各自必要だと思うもの
予備のお金については各自判断
すること
んで遊園地に行き隊ってなんだよ
めいฅ^•ω•^ฅネコチャン
おっけー!(`д´)ゝ
いい名前でしょ?
諸星《もろほし》
わかった
シロ・ヴェルタ
了解です
いや他に候補がないから
なんとも言えんからいいけどさ
めいฅ^•ω•^ฅネコチャン
明日楽しみだね!(*´∇`*)
だな。俺も超久しぶりに行く
諸星《もろほし》
でも遊園地でよかったの?
ああ。何せ普段控えめな
遊園地のポスターを見てボソッと
「行ってみたいな」って言ってたのが聞こえたから
俺が遊園地行こうって提案したし。
諸星《もろほし》
聞こえてたの!?
うん
恥ずかしい……
めいฅ^•ω•^ฅネコチャン
はい先生!
おやつはいくらまでですか?
先生って言うな
さっき800円以内って言った
が、
多く持ってきそうだから追加で買って
いいのは400円で多くて1200円までにしよしよう。
@めいฅ^•ω•^ฅネコチャン
あとかさばるものは1つまでな
めいฅ^•ω•^ฅネコチャン
ガーン∑(゚д゚lll)
忘れてないからな
おめーが
ピクニック行った時になんも
制限つけなかったせいでポテチ
やらグミやらが大量に出てきて
しかも強制的に持たせられた時
バチくそ大変だったんだぞ
四次元ポケットかおめーの鞄は
めいฅ^•ω•^ฅネコチャン
それほどでも⁄(⁄ ⁄-⁄ω⁄-⁄ ⁄)⁄テレテレ
褒めてねーよ
あ
めいฅ^•ω•^ฅネコチャン
なに?(。-д・)ドシタ?
シロ・ヴェルタ
どうしたの?
めいฅ^•ω•^ฅネコチャン
お腹壊した?(๑ ˊ͈ ᐞ ˋ͈ )ƅ̋
引率の大人いなくね?
俺ら一応未成年だし
めいฅ^•ω•^ฅネコチャン
あっ( ゚д゚)ハッ!
俺は一人暮らしで親は遠くに
いるから無理
めいฅ^•ω•^ฅネコチャン
ちょっとまってね(((((っ・ω・)っ
ダメだった……(╥_╥)
ヴェルタさんの親御さんは
いややめた方がいいな
シロ・ヴェルタ
うん
どのみちお母さん明日仕事だから無理
だよな。というか転校初日に
遊園地に、しかも明日行く
のに誘えたってだけででかい。
とはいえ引率者は欲しいところ
まてよ……
ちょっと電話してくる
※
『はい
「お疲れ様です
『あら
「突然ですけど明日って空いてます?」
『ちょっと待ってね……空いてるけどなんで?」
「遊園地行きません?メンバーは俺、
『遊園地?』
「はい。実は今回行くメンバー未成年だけなんですよ。高校生とはいえまだ1年生、引率できる人いたほうがいいよねって話になったんです」
『なるほど』
「それに、友達として
『ふーん……いいわよ。明日はちょうど休みだし、仕事も今日で終わらせられたしね』
「ありがとうございます。じゃあグループに招待するのでよろしくお願いします」
『わかったわ』
「はい、それでは失礼します」
※
< 遊園地に行き隊
というわけで
してもらえることになった
めいฅ^•ω•^ฅネコチャン
よろしくね
シロ・ヴェルタ
先生明日大丈夫なのですか?
大丈夫よ、今日の分の仕事は
全部終わらせたから
急な連絡だったのに
ありがとうございます
いいのよ
先生として、大人として引率
するからよろしくね
それじゃあ明日もそこそこ
早いし寝るか
持ち物はグループのノート
に書いてあるんで確認して
ください
わかったわ
おやすみ
めいฅ^•ω•^ฅネコチャン
おやすみ!( ˘ω˘ )スヤァ
シロ・ヴェルタ
おやすみなさい
※
翌日。
現在集合時間の30分前。
(
「おはよう
声が掛かった方向を見ると、白のTシャツに灰色のカーディガンを纏った
「先生でしたか、おはようございます」
「おはよう
「ええ、今日は早く目が覚めてしまって」
早起きしたのは本当だが、その間
そして
「……え」
「……」
「お母さんありがとう。……うん、じゃあね」
「おはようございます
「おはようシロさん」
「お、おはよう。送ってくれたのは親御さん?」
「うん。朝お母さんが送っていくよって言ってくれたの」
「な、なるほど……」
プルルルル
(……ん?)
ふと携帯が鳴ったことに気づいた。頭がギャップによってバグりかけていたところに携帯がなったのでギリギリバグらずに済んだ。
「もしもしどこにいる?」
『おはよー
「……
『ついさ……8時に起きた』
「おい待てついさっきって言わなかったか?今8時50分だぞ!?」
『大丈夫!今コンビニに「コンビニにいるからじゃねえよ!お前以外全員来てるから早く来いや!」わ、わかってるよ!今日寝坊しちゃったから朝ごはんも兼ねてコンビニに寄ったの!何が欲しいものある?』
「……からあげクン買ってきてくれ、それ食いたい気分になった」
『からあげ君ね、わかった!』
そう言ってめいは電話を切った。
「誰からの電話だったの?」
「
「
電話からしばらくして、ようやくめいが到着した。手にはパンパンになった袋、そしてパンパンになったリュックを背負っており、遠足を楽しみにしている小学生が制限なしでお菓子を詰め込んできたみたいな
ちなみに時刻は9時10分。
「おせーぞ
「遅くないよ!えーと……
「ア ウ ト だ よ このドアホ!」
公園を見回して
「で、でも
「ありがと、後で金払うわ。つーかそもそももっと早く起きあっがぁ!?」
からあげクンを口に入れた瞬間、
「かっ辛ぇ……!おい
「え?シークレットのハバネロ味だよ?だってなんの味か聞いてなかったからどれ買えばいいか分からなくって、そしたらシークレットっていうのがあったらからそれ買ってきた!」
「自信満々に言ってんじゃねえぞチビ助ぇ……!」
「めいちゃん、それなに?」
「からあげのこと?食べてみる?」
「うん。イギリスではそれ見たことないから」
シロは生まれてからずっとイギリスにいたので、こういったイギリスでは見ないような物には興味津々なのだ。めいは〈しょうゆ味〉と書かれた箱からからあげを取り出した。
(こ、こいつちゃっかり普通のも買ってやがった……!)
顔には出さないが、恨みを込めた目だけめいに向ける。
「はいシロちゃん、口あけて」
「あー……。おいしい」
「でしょー?ほらもっと食べて!」
(なんか学生らしいわね)
そんなこんなで
「そうだ。
「
「来てないわね」
「そうですか……」
「……でないか」
「少し心配ね。今までもこういうことはあったの?」
「いえ全く。少なくとも知り合って半年、待ち合わせであいつが遅刻したことなんて1度もなかったし、仮に何かあったとしても連絡するマメなやつです。だから——」
プルルルルル
「もしもし?」
『もしもし!もしもし!聞こえますか!』
「その声は……
『に、
電話の主は
「何があったんですか?」
『
「ええと……まず、昨日
『
「病院だと?なんで……いいやそれはいい、その周辺は探したんですか?」
『5時間ほど周りを探しました、でも見つからないんです!無断で居なくなるような子じゃ無いはずです!』
(確かにあいつはそんな失礼な真似はしない。だからこそ、一つの可能性が浮かんでくる)
「警察には?」
『話しました!けれど他の事件があるとかよく分からないことを言って動いてくれません!最低でも3日かかるって…!』
「3日も……おいおい警察がそんなでいいのかよ……」
『だから貴方たちに電話しました!家に
「!それで俺に電話を……」
『お願いします!どうか、どうか
「それはもちろんです。けど何も手掛かりがない以上、一旦情報を整理させ——」
突然ブツリと電話が切れてしまった。
「き、切れちゃった……」
「おそらく公衆電話からかけてきたんだろう。あの家は……いや、それどころじゃないな」
「3人とも、申し訳ないんですけど「いいよ!」いやまだ何も言ってないんだが……」
「だって
「
「お前そんなこと言うなら最初から遅刻すんなよ」
「うぐっ。それは……はい」
スン、とあげた口角を下げ真顔で言う
「2人も申し訳ないんですけどそれでいいですか?」
「ええ、問題ないわよ」
「私も」
「よし、じゃあいくつか別れましょうか。俺は
「わかったわ」
「
「了解!」「わかった」
「あとはそうだな……集合は夕方18時にここ
こうして、4人は
※
それは、
「っ!まずい……!」
その速度は獲物を追うチーターのように早かったが、トラックの方が少女にぶつかるのがはやそうだ。
間に合わないと思った次の瞬間、奇跡が起きた。
突然突風が起き、少女が飛ばされたのだ。
おかげで少女は轢かれずに済み、少女の元へ母親が駆け出す。少女は恐怖と安心が混ざって泣き、母親は泣きながら神に感謝している。
(一体何が起こった……?つーかなんか見えたような気がする)
その場から離れた
「そうだ。応援を呼んどくか。人手はあったほうがいいし情報も集めやすい、人海戦術ってやつだ」
『おかけになった電話は、電波の届かない所にあるか、電源が入っていないため、かかりません』
「…………はい?」
電話がかからない。そんなことで驚く必要ある?と思ったそこの貴方。
壊れたんじゃないの?とおもかもしれないが、
そして
以上のことから、
こうなってしまった以上、外部からの応援はないと考えていいだろう。
「……チッ。しょうがない、とにかく
気を取り直して
ーーーーーーーーーーーーーーーー
しばらく進んでいると、ボロボロなアパートが見えてきた。このアパートが
インターホンを鳴らすが、反応がない。
(……おいおいまさか!)
中に入ると小さな部屋の奥で一人の女性——
「
「脈は大丈夫だけど顔色は悪い、目にクマがある……寝不足?とにかく話を聞かないと。でもその前になんか食べる物。えっとたしか……」
中を開けると、そこにはからあげクンシークレット味と書かれていた。
「———」
その間わずか1秒、そっと袋を閉じ何もなかったかのように他のものを探す
ちなみにバックの中には
(閑話休題(そんなことはさておき)。
ふと
ーーーーーーーーーーーーー
「今日家にお母さんはいないからお菓子は買わなくていいよ」
「いやそんなわけにはいかないだろ。親しき中にも礼儀ありってやつだ。あ、こいつらも買ってくか」
「ちょ、
「いやなんとなく。あと今日の夕食の気分はカレーだったから」
「そ、そう……」
「そいや母さんいないって言ってたけど共働きってことか?」
「あ……」
「?」
「……いや、父さんはいないんだ。5年前に、轢き逃げで」
「っ、……すまない、心にもないこと言った」
「大丈夫だよ、僕も言ってなかったし」
(いやそんなこと言われてもな……)
「ところで買い物は終わった?これで全部?」
「あ、ああ。とりあえずこれで大丈夫だ。……ところで
「えっと……今日は夜勤もあるから帰ってこないや」「よしわかった追加で材料買ってくる。あと今日は俺の家に来い」
「ちょっえっ
「友達の好意として受け取ってくれ。それとさっきのお詫びも兼ねてるからさ。な?」
「う、うん……」
ーーーーーーーーーーーー
結局
閑話休題。
「シンプルに疲労が溜まっていたところに
が、少量のお米と賞味期限がギリギリの調味料や傷んでいる野菜しか見当たらなかった。
「」
とりあえず
ーーーーーーーーーーーー
しばらくして、
そんなわけで、
「どうして家の鍵が空いてたんですか?入った時には寝ていたのでなんとなく理由は察せますが……」
「……仕事の掛け持ち、5時間の捜索……情けないことに動けなくなってしまいまして……」
「なるほど……」
やはりそうかと
「昨日
「……昨日
(とりあえず時系列から整理するか)
まず学校の帰り道。
そして家に帰って病院に行った。
こう考えるのが自然だろうか。
(……まてよ?)
ふと何かを思いついたように
すると案の定、途中から
(……いや、今は深く考えてる場合じゃないな)
「
「……」
「
「……わかりました。
そう言って
「……ですがその前に」
「?」
「
「えっ?」
俗に言う首トンである。ファンタジーだなあこれ。
「マジすみません
「さーて、
※
めいとシロ
めいとシロは星運町にあるホームセンターに向かった。なぜホームセンターに向かったかというと……
「お菓子をたくさん買うならやっぱりここだねよね!」
物資調達のためである。お菓子買うの?と思うかもしれないがめいが何かあってからでは遅いよね?それに腹が減ったら戦ができぬって言うし!と言う理論のもとホームセンターに向かったのである。
情報収集?そのうち集められるでしょ、のスタンスだ。
そんなわけで、2人は雑談しながらホームセンターに入った。
「そういえばシロちゃんって向こうではどんな生活してたの?」
「うーん……なんて言ったらいいのかな、すごく危ないところにいたかな。普通に銃弾が飛び交っていたし」
「え」
シロの両親はそれなりに上の階級の人間であり、その子供であるシロも誘拐や暗殺などそれなりに狙われることが多かった環境にいた。故に一種の英才教育といったところか、幼い頃から護身術や銃の扱い方を学んでおり、銃の扱いもそれなりにの技術を持っている。
(普段から銃を持ち歩いているのが日常だったからちょっと落ち着かないんだよね)
手元に身を守れるものががなくて落ち着かない状態であったため、少し上の空状態であったため、めいについて行くことにしたのだ。
「し、シロちゃんってすごいところに住んでいたんだね。じゃあ銃も打てるの?」
「うん、撃てるよ」
「すごーい!」
「あはは……」
シロはまさかそれについて褒められるとは思わず困ったように笑った。生きるために身につけたこととはいえまっすぐに褒めらてどうすればいいかちょっと分からなくなった。
「ところでシロちゃん、何か買いたいものってある?」
「えっ?うーん……銃が欲しいかな」
「銃?サバゲーとかで使うエアガンとかは多分売ってないと思うよ?」
「違う違う、そんなおもちゃじゃない鉄の弾を撃つ銃だよ」
「え?」
再度めいは固まった。その頭で考えて一つの結論に辿り着いた。
すなわち、シロは本物の銃を使う気だと。
「だ、ダメだよシロちゃん!日本には銃刀法っていう法律があるから銃を使っちゃいけないんだよ!」
「冗談だよめいちゃん。…………9割はね」
「ねえシロちゃん今なんて言ったの?ねえなんて言ったの??」
「ねえめいちゃん。そろそろお会計に行かない?カゴがお菓子でいっぱいだよ?」
「ハッ!ほ、ほんとだ……」
シロは話題を逸らすために9割ほど埋まっている買い物カゴを持ってレジへ向かった。そして無事ごまかされた。お父さんめいちゃんの将来が心配だよ。
「……あ。ねえシロちゃん」
「なに?めいちゃん」
「やっぱり何か武器はあったほうがいいよね。ほら、ちょうどあそこにある催涙スプレーとか、パチンコとか……あ!あの棒とか!」
「確かに……」
追加で買った。
ーーーーーーーーーーーー
買い物を終えた2人は装備諸々を揃えてホクホク顔で
「「涼しい〜……」」
2人は雑談しながら街を歩き、現在地は図書館。9月なので残暑が酷く、暑くて休憩しようとしたところで図書館が見えたのだ。あとの展開はお察しである。
まったりしているとめいは適当に本を持ってこようと席を立った。しばらくして、めいは大量の漫画、そしてなぜか新聞を切り抜いて作られた資料のようなものを持ってきた。
「ねえシロちゃん。せっかくだからこの漫画一緒に読もうよ。これ知ってる?これ実はアニメ化されて結構有名なんだよ?」
「知ってるよ!私このシーンが——」
そんなこんなで時間は過ぎていった。そしてシロはふと気づく。
「ところでその新聞達は……?」
「なんとなく手にとってみた!」
ーーーーーーーーーーーー
その後、図書館で情報を探したはいいものの、1人は地頭が弱くて理解できず、もう1人はそもそも日本語の文章に不慣れなこともあってあまり有益な情報は得られなかった。なので新聞の写真を撮って
ちなみにリアルでそれをやると法律やらなんやらに引っ掛かる可能性がある気もしますがそんなこと言ってたらキリがないのでこの世界では気にしない方向で。
※
(怪しいところは……特にないわね)
みたところ普通の病院だった。しかし
そして本能で感じたものとは違う何かを感じた。一見普通の病院にあるエントランスだがどこか違和感を感じた。よく周りを観察してみると妖しげな雰囲気の人達が多くおり、やけに傷が多い。
とりあえず光のことを聞き込もうと
「……診察券と保険証をお願いします」
「こんにちは。今回は診察に来たわけではないのだけれど1つ聞きたいことがあって」
「……」
村上ははぁ、とため息をつく。
「……どんな要件でしょうか」
「昨日夕方ぐらいにこの写真の男の子が診察券に来なかった?諸星光って名前で私の生徒なんだけど」
「…………はぁ〜。貴方もですか、だからその子は帰りましたよ」
「でもこの病院を最後に行方が分からなくなってるの。本当にどこにいったか知らない?」
「知らないですね。」
「本当に?」
「しつこいなぁ……私は知りませんよ。ほら他の患者の邪魔だからどいたどいた」
確かに後ろを見ると何人か患者がならんでいたので仕方なく横にずれる。
村上はそれを確認して受付の業務をこなしていく。が、列が途切れたところで思いもよらぬ方向から声が聞こえた。
「あのーその時の情景を詳しく聞きたいのだけど」
「!?」
なんと
「な、なんなの貴方!?」
「私はただ知りたいのよ。私のクラスの生徒が行方不明なのは非常に良くないの。個人的に心配な生徒の1人だから余計にね。今わかっているのは夕方下校し、家に帰ってからこの街唯一の病院である
「知らないって言ってるでしょ!私は忙しいからさっさとどいてよ!」
声をあげるが
「質問に答えてくれたらその願いを叶えてあげる」
「わかったわよ!答えればいいんでしょ!?」
「ありがとう」
女性はおとなしく質問を聞くことになった。
「質問その1。
「ええと……」
女性は入退記録の冊子を持ってきて名簿を確認する。そこには
「これにある通り
「ふうん……質問その2。診察したのは誰?」
「ええと確か……あった、板橋拓人先生ね。あ、ちょうどそこにいるわ。板橋先生ー!」
板橋先生と呼ばれた医師は少し嫌な顔をしながらこちらに向かってきた。
「どうしました村上さん」
「この人が聞きたいことがあるって」
「ここに
「ああ、私診察しましたよ。殴られたであろう跡があったのに、転んだってずっと言っていて……謙虚な子でしたけど心配になりました」
「ふうん。それじゃあ質問、何時頃
「簡単な診察だったので30分ぐらいで終わったので、ここを出たのは18時半頃のはずです」
(18時半……これまでの状況をみるに少なくともそこら辺の時間で行方不明になった可能性がたかいわね)
問題はどのようにして行方不明になったのか。それがわかれば
「監視カメラの映像を見ることはできる?」
「え」
板橋は固まった。その姿を見た
「えと、そ、それは……」
板橋は冷や汗をかいた。監視カメラの映像は
「ねえ板橋さん。早く見せてあげなよ、このおねーさんすごく困ってるっぽいしさ」
「どうしても必要なの。それに、その映像に映っている
その言葉を聞いた板橋はハッとした。実は板橋は近日、ここ
それは
また、病院にたむろしている傷が多く妖しげな雰囲気の人達——彼らはこの町に事務所があると噂されているヤクザであり、板橋自身は確証を持てなかったが彼らは自分たちがヤクザであることを隠す気がなさそうに見えるのだ。
そして、
「……少々お待ちください」
そう言って板橋は監視カメラの映像データを持ち出した。幸い、今は
「も、もういいでしょ!?これ以上のことはわからないわよ!」
村上は耐えかねたのか悲鳴に近い声で
「……。質問に答えてくれてありがとう。すごく助かったわ」
そう言って
「ちょっ、嘘だろ……!?」
それを見た板橋は目を見開いて驚くが、それでも
「ねえ、ちょっといいかしら」
「あぁ?なんだおめぇ」
怪しい雰囲気を持つ男たちは
そんな様子にビビる様子はない。
むしろテメエ何見下してんだ?ああん?と言わんばかりに堂々と、そして平然と話しかけている。
「昨日ここに男の子来なかったかしら?」
「あぁ?知らねえよ、なんでわざわざ答えなきゃいけねえんだ?」
「もう一度言うわ。ここに、高校生ぐらいの、怪我をした、男の子が、夕方来なかったって聞いてるの」
「このアマ!舐めてんのか!!あぁ!?」
「ねえ質問に答えてくれる?時間は有限よ?」
「俺は忙しいんだよ!見りゃわかるだろうが!舐めてんじゃねぞこのクソアマ!」
「……はぁ」
「もういいわ。貴方達みたいないかにも頭が悪そうな見た目をした人間の皮を被った猿に聞いた私がバカだったわ。ごめんなさいね」
そう吐き捨ててそこから去った。
そんな様子を、エントランスにいた者達とはまた違う怪しい雰囲気を持つ1人の男がその光景を見つめていた。
ーーーーーーーーーーーー
(あーあ。結局有力な情報は無しかぁ)
はぁ、とため息をついたところで病院で得た情報を整理する。
(とりあえずわかったのは
聞き込み、といっても聞いたのは受付の村上と医師の板橋の2人だけなので聞き込みと言えるかどうかは怪しいが、病院内の監視カメラの映像も確認してそれが事実であると証明された。
(
板橋に監視カメラの映像を見せるようにお願いした際、なぜか戸惑う仕草をした。最終的に映像は見せてくれたが、戸惑ったということは何かしら隠しているということ。その裏の理由はまだわからなかった。
(行方不明になったのは18時半過ぎなのは間違いなさそうね。問題はこの区域に監視カメラの映像があれば……)
「なあそこのお嬢さん、ちょっといいか?」
「はい?」
情報整理中に声をかけられたことで整理していた情報が頭から抜けてしまった。それを表情に出さずに声がした方を向くと濃い髭の黒いTシャツを着た男がいた。
「……何か用?私今忙しいんだけど」
「お前さん、もしかして昨日夜息子が行方不明と騒いでた女性の知り合いか?」
「え?誰よそれ」
「……違うのか?じゃあ
「私のクラスに所属している生徒よ。私、彼の担任なの」
「……あんた、本当に教師か?」
「ええ」
「……だとしたら随分と失礼な教師だな」
男は呆れたのかはたまたよくわからない表情で
「っと、自己紹介は……ここではまずいな」
すると彼は紙を取り出し何か書いて
「この場所に来てくれ。俺の家だ」
「……は?」
「気が向いたら連絡してくれ。来るのはいつでもいい、待っている」
「……そうね。仲間と検討しておくわ」
※
時は進み、現在は夕方。今回は全員集合時間内に
「さて、全員いますね。まず俺から報告を。俺はみんなと別れた後、
「そんなことがあったのね。今の
「とりあえず応急処置はしたんで今は大丈夫です。家が結構散らかっていたので取り置きで食べれるもの作ったり掃除したりと色々やりました。で、彼女曰く彼が帰って来た時頬に殴られた傷があったそうです。おそらく帰り道に誰かしらに危害が加えられたと考えられます」
「殴られた!?」
めいが驚いて立ち上がる。
「もしかして昨日の?」
「多分な。それとヴェルタさんにも後でまた説明するけど、そいつがやったと考えていいと思う。そして家に帰った後、病院に行き、行方不明になった。そして
「
「どうぞ
「どうしてその時間に
「その結論に至った理由は、このグループメッセージにあります」
「「「グループメッセージ?」」」
「そう。そのトークのログを見て気になる点があったんです」
「このように、
ちなみに2の内訳は1人は発信主で1人が
「そして
(彼は頭が回ると思っていたけど……予想以上ね、確証の少ない情報で私と同じ結論に至った)
「すごいよ
「そりゃどーも。んで、お前らはなんか情報は掴めたか?」
すると2人は目を合わせて笑い合う。そして
めいはふっふっふっと笑いながらリュックのそばにあった袋をテーブルに置いた。
「私たちの成果はこれだよ!」
「だよ!」
袋の中には大量のお菓子に、催涙スプレー、パチンコが入っていた。
そしてめいの手には棒が。
「……情報はあまり得られなかったみたいだな」
「腹が減っては戦はできぬっていうでしょ?だから色々買ってきたの!このパチンコと催涙スプレーはシロちゃんの、棒は私の武器だよ!」
「……他には?」
「その後暑かったから図書館に寄って話してた!」
「……へぇ?」
それを聞いて思わず声が低くなる
「あ、あとこれ見て!
「これは、新聞?えーと……5年前の記事じゃねえか。ひき逃げの記事で、監視カメラもなく加害者の車は未だ見つからず、被害者は
「
「……
「っ。そう」
(確かに目元が似ていているわね)
「……。丸近、ヴェルタさん、よくやった。他に何かあるか?」
「えっと……街を歩きながら色々聞いてみたけどみんなわからないって」
「うん、みんな知らないって」
「そうか。
最後に
「私は
「
「天才じゃん」
最近真っ向から褒められることが少なかったせいか心に照れが生まれる
「……。他に何かありますか?」
「あと病院にいるヤクザっぽい人たちに喧嘩売ったわ」
「先生何やってるんですか!?」
あまりにも衝撃的なカミングアウトに
「あと知らない男性から電話番号と家の地図も貰ったわ」
「何してるんですか先生!?!?」
「だって聞きたいことがあったから聞いたのに向こうからオラついてきたのよ?だったらその喧嘩は買わないとでしょ?」
「あんた何やってんのバカなの!?いやもうバカだよ!うましかだよ!!」
思わず先生に対してタメ口になってしまうほど
「ああもう、どうして俺の周りにはこんな血の気のたぎったバカ連中しかいないんだよ……それで、大丈夫なんでしょうね?ヤクザの報復は怖いっていいますし」
「大丈夫よ
「さいですか……」
「なんか最後にどっと疲れた気がする……。とりあえずその渡されたものを見せてもらえますか?」
「……」
「どうするの?
「……流石に明日にしよう、今行ったら帰るのが遅くなる。明日はどうします?また同じ時間に集まりますか?」
「それでいいと思うよ」
「うん!」
「私も大丈夫」
「よし、じゃあ解散。また明日」
こうして各々帰路についた。
「次遅れたらそのお菓子ボッシュートな」
「そ、そんな!殺生な!」
「だったら遅れんなよ。ああそれと
「大丈夫よ、心配してくれてありがとう
「先生さよーならー!」
※
そして事件は起きた。
帰り道、
「……何かようかしら?」
「「……」」
「だんまり?無視なんて酷いわね」
その言葉を皮切りに男2人は
相手はドスを振りかぶるが
「いきなりねぇ」
しかし
「ぶっ……!」
しかし着地したその隙を狙って男B(仮称)がドスを振りかぶるがバク宙で避けられてしまう。
「おらぁ!」
「ぐっ!?女の子を痛めつけるなんてひどいわね……!」
それによって男Aを視界から外してしまい、迫ってくるドスに気づくことができず腕に傷を負ってしまう。
「はあっ!」
「がはっ……!」
(ダメね、このままだとジリ貧だわ)
決定打になるものを習得しておくべきだったわ、と
※
「むむっ、何やら
※
「くっ……!」
「いったぁ……」
隙だらけの
「とりゃー!」
「ぐはっ!?」
しかし男Aの後ろから蹴りが炸裂。蹴りを入れたのは帰宅したはずのめいだった。
「丸近さん?」
「先生大丈夫!?ちょっとボロボロじゃん!」
「……どうしてここに?」
「なんとなく嫌な予感がしたから!」
そこに男Bのドスがめいに向かってくる。しかしそれはめいの蹴りで弾かれ男Bは逆にカウンターを喰らってしまった。
「ほら先生立って!こいつらを追っ払おう!」
めいは
「……ええ、やりましょうか丸近さん」
4人は対峙する。最初に動いたのはめいだ。
「はあああああああああ!」
めいは男Aに向かって拳を振るうが、避けられてしまう。もう一度殴ろうとすると男Aに足を引っ掛けられ転んでしまう。
「ふっ!」
「おらっ!」
「ぶがっ!?」
それどころか顔面を殴られた。ぐらつく頭を押さえながら距離を取る。
(頭に直接来てる……最悪丸近さんを囮に……いやそれだと後に響くわね)
めいは慣れない痛みで動けず、
万事休すかと思ったその時、男A後ろから強い衝撃が入った。
男Aの意識が一気に暗闇に落ち倒れた。
「……は?」
男Bが気を取られている隙に黒いナニカは手に持っている武器——小太刀の持ち手の
男Bは声を出すこともなく倒れた。
よく見ると、その黒いナニカは丈が長く夜の暗闇のような黒で染められたローブを着た黒ずくめの人間だった。首にマフラーのような黒い布と顔を覆い隠す黒い仮面にフードを深く被っていて性別がわからない。ローブの中は一瞬しか見えなかったがビーカーや黒い刃物のようなものがあった。
「……」
男はめいと
「あ、あなたは……?」
「……」
めいの質問に答えることなく黒ずくめの人間はじっと2人を見ている。すると前触れもなく突然めいを俵のように右腕で持ち、
「「……へ?」」
黒ずくめの人間はそのまま住宅地の屋根を速いスピードで駆けた。
ーーーーーーーーーーーー
気がつくと
「えっと……助けてありがとう?」
「……」
黒ずくめの人間は喋らず縦に頷いて答えた。
「……」
「……?」
「あなた、どこかで会ったことある?」
「っ」
黒ずくめの人間は懐から5000円を出して
「あの目、どこかで見たことあるような……」
「えっと……ありがとー!黒ずくめの人ー!」
この後2人は診察を受けて家に帰った。
※
黒ずくめの人間はアパートの窓から自分の部屋に入り窓を閉め、周囲に何もいないことを確認して布、仮面、フードの順に装備を外した。
「……間に合ってよかった」
黒ずくめの人間——
そして
めいが追加でいたのは想定外だったが、見知った気配が近くにいたので簡単に
ちなみに全身黒ずくめで顔も全て隠したのはただの高校生が自分の武器である小太刀やたんとうを持つのはおかしいしそもそも銃刀法に違反するため全身を、特に顔を隠す必要があったためだ。
※
夢の中に誰か居る
貴方の夢では無い、誰かの後ろ姿
普段は大人しい
その怒りの声が聞こえた気がした