学マスの情報がTLに溢れてたので書いた落書きです。キャラ崩壊に始まり何でも許せる人向け。
「……どうしたもんかな」
手元の紙を見つめながら、そう独り言ちる。その紙に踊っているカラフルな文字は、アイドルのプロデューサー募集の案内だ。
「溜息なんてついて、どうかしましたか?」
コト、と硬質な音とともにコーヒーの入ったマグカップを置きながら、ノアがそう尋ねてきた。丁度飲みたいと思っていたところだ、ナイスタイミング。
ありがとう、と礼を述べながら、受け取ったコーヒーに口をつけてノアの問いかけに返事をする。
「いやね、知り合いからこんなものが送られてきて」
「えーと……アイドル、ですか。その、受ける場合は先生としての仕事は……」
「まあ流石に続けられないだろうね、兼業で回る量じゃないし」
否が応でも目に入る山のような書類を前に、苦笑が漏れる。もっとも、アイドルのプロデューサーなんて柄でもないし、引き受ける気は毛頭ないのだが。さてはて、どうやって断ったものか。
「先生」
そんなことを考えていると、ノアがいつになく真剣な声で呼びかけてきた。どこか決意したような表情で、じっと私を見る。
「私は先生がどうされるのか、その決断に口を出す権利はありませんし、先生の意思を尊重するつもりでいます。ですが、多くの生徒は……いえ、私は。これまで通り、先生に、『先生』を続けて欲しいと強く想っています。最終的に決めるのは先生ですが、このことは頭の片隅にだけでも、留めておいてもらえると……」
「いや、なんか勘違いしてるみたいだけどやらないよ?」
「えっ?」
「えっ」
「…………」
「…………」
ノアは数度目を瞬かせた後、キュッと口を引き結ぶ。そのままだんだんと赤くなっていき、やがて眼をそらして俯いてしまった。先ほどまでの緊迫した空気はどこへやら、気まずい沈黙が場を支配した。
「えっと、その、ノア……」
「……さい」
「え?」
「忘れてください!」
相当恥ずかしかったのか、ばっと顔を上げたノアの目尻には涙が浮かんでいた。普段の印象とは全く違う、幼い子供のような雰囲気があまりに微笑ましい。
「わ、笑わないでください!恥ずかしいんですよ!?」
「ごめんごめん。ただなんというか、かわいかったから……」
「~~~~~っ!よ、用事を思い出したので今日はこれで失礼しますっ!」
それだけ言い残して、引き留める間もなくノアは帰ってしまった。申し訳ないとは思うが、珍しく取り乱したノアのインパクトの前には仕方ないのではないだろうか。そんな言い訳を考えながら、チラシをシュレッダーにかける。
私はこのチラシに、感謝するべきだろうか、恨みを抱くべきだろうか。そんな疑問を抱きながら。
先生は忘れてもノアは忘れられないからね……(ニチャァ)