魔界の街、普段であれば平和な空間が広がっているのだが、トリケラトプスのような襟をもつ怪獣が暴れていた。
再生怪獣
サラマンドラ
ブワアアァァァ!!
それを止めるためにコンガラ、エリス、サリエルの3人が戦っていた。
「こいつの身体硬い!!」
「弾幕が跳ね返される!?」
3人の弾幕は強靭なウロコの前に跳ね返され、コンガラの刀でさえ辛うじて傷がつく程度だった。
「あいつの身体がおかしい!弾幕が跳ね返されるなんて聞いたことがない!」
サラマンドラの炎を避けながら戦う中、コンガラがあることに気づいた。
「あいつの首、違う成分が含まれている」
「え?見えるの?」
「多分弾幕をはじかないんだと思う」
「だとしてもどうするの?首を見せるやつなんていないよ!」
コンガラは少し考えてから言った。
「捨て身しかない」
「何言ってるの!?」
「こんな遠距離じゃ首に当てれない。当てるにはかなり近づかないと難しい。しかも弾幕が弱すぎると倒せない」
そう言うとサラマンドラに低空飛行で向かっていった。
ブワアアァァァ!!
サラマンドラの攻撃を避けつつ足元まで来ると、一気に上昇して弾幕を首に命中させた。サラマンドラはそのまま後ろ向きに倒れて爆散した。
「やった!!」
「さすがコンガラさん!!」
しかし接近したことでサラマンドラの炎と爪をモロに受け、コンガラはかなりの重傷を負った。
「早く!!急いで!!」
「近くの診療所はどこだ!!」
コンガラは担架で運ばれて治療を受けた。治療をした医者によると、かなり重症で少し遅ければ命も危なかったとのことだった。
◇ ◇ ◇
「あなたが重症と聞いて驚いたわ。そもそも怪我をしないもの」
「私も驚いてるよ。ある程度の怪我は覚悟していたが、まさかここまでとは……」
「いくらあなたが強いとはいえ、もっと命を大事にしなさい。今回は生き残れたけど、次はないかもしれないわ」
「肝に銘じておくよ」
コンガラが目を瞑って身体を休ませようとしたとき、唐突に嫌な予感を感じた。
「っ!!?」
思わず寝返りを打つと、さっきのコンガラの位置に何かが落ちた音がした。
「何者だ!!」
「………」
コンガラを襲撃した人影が微かな光に照らされた。どこからどう見ても魔界の住人であったが、コンガラの頭は違うと警鐘を鳴らしていた。
人影は布団に突き刺さった斧を引き抜き、高く振りかぶった。コンガラはこの一振りから逃げられないと覚悟を決めた。人影が斧を振り下ろそうとしたとき、どこからともなく現れた弾幕が斧をはじいた。同時に人影を壁に打ち付けた。
「案の定来たわね」
「神綺………」
「この魔界でも強いコンガラが弱っている今、処理しに来るのではないかと思ったのよ」
神綺が人影に手をかざすと、ドクロのような顔をもつ謎の正体をあらわにした。神綺が魔界にいる限り、神綺は正体を見破ることができるのだ。
「こいつが魔界を………!!」
「落ち着きなさい。私がこいつを倒した今、あちら側に情報はないはずよ。身体を休めなさい」
「確かに………」
その直後、コンガラが倒したはずのサラマンドラが現れた。
「そんな!?倒したはず!!」
「こいつたちが再生させたようね。コンガラはここにいなさい」
神綺は待機させていた夢子とサラマンドラのいる方へ飛んでいった。
「夢子!!行くわよ!!」
「はい!!」
◇ ◇ ◇
ブワアアァァァ!!
夢子が不意打ちで攻撃を与え、街中から郊外に移動させた。
「夢子、コンガラから弱点は聞いたわね?」
「はい、首だとお聞きしました」
「私が囮になるわ。そのうちに近づいて首を攻撃しなさい」
「かしこまりました」
「名付けて「フォーメーション・ユメコ」よ!!」
「………はい?」
神綺のネーミングセンスに一瞬呆けたが、サラマンドラに向かい合った。
「行くわよ」
「はい」
神綺がサラマンドラの周りを飛び回り、夢子に攻撃する隙を与えた。
「はッ!!」
神綺に気を取られたサラマンドラの首に夢子の弾幕が直撃し、サラマンドラは爆散した。
ブワアアァァァ!!
「よし、これで一件落着………」
神綺がそこまで言いかけた時、肉片が瞬時に集まってサラマンドラが復活した。
「「え!!?」」
ブワアアァァァ!!
再生してすぐに火炎を放射し、神綺と夢子の弾幕を消し去った。
「やばいっ………!!」
「神綺様!!」
夢子は火炎を避けて低空飛行しており、見守っている人たちが神綺を見ている隙に変身した。
「デュワ!!」
「セブン………!!」
セブンとなった夢子が寸前で優しく包んだことで神綺は無事だった。
セブンは神綺を安全な場所に素早く降ろし、サラマンドラと向かい合った。
ブワアアァァァ!!
サラマンドラが鳴いたのが狼煙となり、戦闘が開始された。
セブンは圧倒的な力でサラマンドラを追い込んでいた。だが、ここでサラマンドラがもう1体増えた。
ブワアアァァァ!!
「もう1体!?」
神綺が近くから見守る中、セブンは間合いを見極めて2体を注視していた。
戦っているのが若手のウルトラマンであれば苦戦していただろう。だが、サラマンドラ2体が相手にしているのは地球で最も長く戦った百戦錬磨のウルトラ戦士であるウルトラセブン。サラマンドラの攻撃を躱しつつ徐々に追い詰めていった。
「デュワ!!」
それでも、かつて80と戦ったときと再生速度が格段に上がっているサラマンドラの対処に苦戦していた。
◇ ◇ ◇
「あの怪獣の中にアイツらがいるわね」
ここで神綺は、サラマンドラの表皮に再生に備えたゴルゴン星人たちがいることに気づいた。
「アイツらを倒せばセブンの助けになるかしら?」
思い立ったら行動が早い神綺は、それぞれのサラマンドラにいるゴルゴン星人を弾幕で同時に倒した。
そして神綺の読み通り、サラマンドラの再生速度が少し遅くなった。
ブワアアァァァ!!
「これならいけるわね」
「デュワ!!」
その瞬間、セブンはL字に腕を構えて2本の細い光線、ツーワイドショットを放った。
ドガアアァァァン!!
このツーワイドショットによって再生器官が焼き切られ、サラマンドラは再生できずに爆散した。
「もう大丈夫なんですか?」
「ああ、もう大丈夫だ」
「あなたが倒れるなんて、よほどの相手だったんですね」
「硬かったしな」
「あまり無茶しないでくださいね。あなたでさえも倒せないのですから」
「神綺にも言われたよ。これからは無茶しないようにする」
完治して復帰したコンガラの横を夢子が歩いていた。
「では、私はこのまま買い物に向かうので失礼します」
「方向が同じとはいえ、ついてきてくれてありがとな」
夢子は買い物をしながら考えていた。
「コンガラさんが倒したことで魔界の人たちでも倒せるという証明ができた。ただ、それを上回るほどの怪獣たちがいる。もし私が……セブンが倒れても大丈夫なのか………?」
希望と同時に不安を考えた夢子は、神殿への道を歩いていた。
ということで、ウルトラマン80第13話
「フォーメーション・ヤマト」を基に書かせていただきました。
次回もお楽しみに!!