幻想郷とウルトラ兄弟   作:閉密洋

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中々思いつかずに待たせてしまいました。

申し訳ありません。満足していただけたら幸いです。


旧地獄編 5話 光を継ぐ者

旧地獄の地霊殿、さとりとこいしが眠っている。さとりは持っている能力の性質上あまり夢を見ないが、今日はやけに鮮明に懐かしい夢を見た。

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

かなり昔、さとりとこいしが旧地獄に移り住んで2人がまだ旧地獄の管理をしていなかった頃。2人は場所を指定してかくれんぼをしていた。

 

「10数えたら探しに行くね!」

「わかった!」

「ひーーい!ふーーう!みーーい!」

 

こいしがさとりに背を向けて数え始めると、さとりは慌てて隠れに行った。

 

 

どこに探そうかさとりが歩いていると、岩陰に入れそうな隙間があった。

 

「ここなら!」

 

音を立てずにそっと入り込むと、バレないように入口に背を向けた。いつもならそれで隠れるのは終わっていた。だが洞窟しか映らないはずのさとりの目に、隙間の先に大きな空間があることを示す謎の光が差していた。

 

「この先に何かあるの?」

 

怖いという気持ちがよりも好奇心が僅かに勝ち、さとりは少しずつ進んでいった。

すると、急に開けた場所に着いた。何か罠はないか、隠れている誰かがいないか警戒しながらさとりが入ると3体の石像が立っていることに気づいた。

 

「石像!!?」

 

立っていると言っても腹より上しか見えていない埋まっている状態だったが、それでもさとりの20倍以上の高さをもつ謎の巨人の石像だった。さとりが無意識のうちに能力を使うと、この巨人がかつて戦ったとみられる光景が見えてきた。

 

 

この巨人の名前はティガ。超古代に地球に表れた宇宙人であり、光の巨人として怪獣や宇宙からの侵略者、闇の眷属など様々な脅威から超古代文明を救うために飛来した。だが、ティガは心の闇に囚われたことで他の3人の光の巨人と共に闇に堕ちた。続くように堕ちた巨人たちと光の巨人たちの巨人同士での戦いが激化した。そんな中でティガはある人間と関わったことで心に光を取り戻し、闇の巨人の封印に成功する。しかし戦争の代償として超古代文明は滅亡し、未来の人類に希望を託すことにした。再び同じ悲劇が繰り返されないことを願い、自身の力を人の遺伝子の奥に刷り込んで永い眠りについた。だが、ティガが力を刷り込んだのは人だけではなかった。無意識のうちに人に近い存在にもその力を刷り込んでいた。

 

 

「……その子孫が私なのね?」

 

さとりの目の前の石像はピクリともしなかったが、さとりの頭の記憶は頷いているように見えた。

 

「わかったわ。そんなことはないでしょうけど、もしここが危なくなったらあなたの力を使わせてもらうわ」

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

さとりは起きても、その夢の内容を覚えていた。

 

「どうしてこんなことを忘れていたのかしら………」

 

ここにきてようやく、あの記憶の巨人がウルトラマンであり、こいしが戦ったのが怪獣だということを思い出した。

 

「どちらにせよ、これからも怪獣たちと戦うこととは変わりないわ」

 

さとりは怪獣という名の巨大生物たちへの決意を固めた。

 

 

翌朝、旧都では地震のような揺れを感じた妖怪が多くいた。

 

「何!?」

「地震!?」

「今まで地震なんてなかったのに!?」

 

すると旧都の岩壁が崩れ、超古代怪獣が現れた。

 

 

超古代怪獣 ゴルザ(強化)

 

 

グルルルルゥゥー!!

 

 

額から熱光線を放ったことで妖怪たちが逃げていく中、逆にゴルザに向かっていく人影があった。この旧地獄を治めるさとりの実妹、こいしだ。

こいしはゴルザの頭上付近でベータカプセルを掲げた。

 

 

シュワ!!

 

 

ゴルザと旧都の間にウルトラマンが現れた。

 

 

グルルルルゥゥー!!

 

 

現れてすぐチョップをしたが、動くまでに地獄のマグマをエネルギーとして得たゴルザにとって軽いものでしかなかった。

ウルトラマンはそれを見ただけで今までの怪獣とは違うことを察し、パンチとキックを続けて放ち続けた。徐々にゴルザが押し勝ち、振った尻尾でウルトラマンを吹き飛ばした。

 

 

グルルルルゥゥー!!

 

 

それでもウルトラマンは旧都とは逆の方へゴルザを引きつけて腕を十字に組んだ。さとりはそれを見て勝利を確信した。その腕から光線を放ったことがあるからだ。だが、放とうとしたウルトラマンに上から瓦礫が降って妨害した。

 

 

ゴロゴロゴロ…………

 

 

シュワ!?

 

 

落ちる瓦礫が納まったと思ったとき、鳴き声と共に新たな怪獣が現れた。

 

 

クルルルルァァー!!

 

 

超古代怪獣 メルバ

 

 

陸と空から挟むような攻撃を受け続け、カラータイマーが赤く点滅し始めた。メルバの目から放つ破壊光線とゴルザの超高熱熱線がウルトラマンを倒れさせ、そんなウルトラマンをメルバとゴルザがあざ笑うかのように鳴いていた。

 

 

グルルルルゥゥー!!

 

 

クルルルルァァー!!

 

 

それを見ていたさとりは夢で見た巨人を思い出し、助けを求めた。

 

「お願いします!!こいしを!!ウルトラマンを助けてください!!」

 

すると、さとりの想いに呼応するようにさとりの胸のあたりが光りだした。さとりが右手を胸におくと、胸の光がさとりの右手に集まっていった。

 

「これは………!!」

 

さとりの右手には、光によってY字形の道具が形成されていた。

 

「光よ!!私に力を!!」

 

さとりがその道具を頭上に掲げると、あたり一帯を眩い光が包んだ。

 

 

グルルルルゥゥー!?

 

 

クルルルルァァー!?

 

 

あまりに強い光を受け、ゴルザとメルバが吹っ飛ばされた。それを見たウルトラマンがゆっくりと起き上がったとき、眩い光が落ち着いて人型を形成した。そこにはウルトラマンに似ているが別の色が混ざっているウルトラマンがいた。そのウルトラマンが右手をカラータイマーに触れてからウルトラマンのカラータイマーへ向けると、ウルトラマンのカラータイマーが青い状態に戻った。

 

 

テェア!!

 

 

シュワ!!

 

 

2人のウルトラマンは起き上がってきたゴルザとメルバと向かい合い、それぞれの怪獣の方へ向かって行った。

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

「あの巨人、どこかで……」

「言われてみれば雰囲気が……」

 

妖怪たちは突然現れた別の巨人に困惑しつつも、その巨人が妖怪の纏う雰囲気に似ていることから味方であると判断していた。そのウルトラマンが腕をクロスに組むと、身体の紫の部分が多くなった。そのままメルバを飛んで追いかけ、メルバの翼をティガフレーザーで凍らせて墜落させた。

 

 

クルルルルァァー!?

 

 

ウルトラマンは効かなかったことを踏まえ、パンチやキックといった攻撃ではなく投げ飛ばすような肉弾戦を選んだ。

 

 

シュワ!!

 

 

グルルルルゥゥー!!

 

 

動きが鈍くなるとパンチやキックも混ぜ、徐々に追い詰めていった。そしてもう1人の巨人の攻撃を受けて吹っ飛んだメルバがゴルザにぶつかった。

 

 

クルルルルァァー!?

 

 

グルルルルゥゥー!!

 

 

ゆっくりと起き上がろうとした2体に対し、巨人が腕を伸ばして胸の前で交差させた。そのまま腕を横に広げると紫色のエネルギーが収束され、腕をL字に組んで光線を放った。同時にウルトラマンも十字に組んでスペシウム光線を放った。

 

 

テェア!!

 

 

シュワ!!

 

 

攻撃を受けた2体は爆散した。この日、妖怪たちは新たにウルトラマンと同じ巨人を見た。彼らはウルトラマンと区別するために、外の世界の一部人間が聖なる数字だという言葉を使って「ティガ」と呼ぶようになった。

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

変身を解くとさとりの右手にスパークレンスが、こいしの右手にベータカプセルが納まっていた。

 

「さっきの巨人、お姉ちゃんだったんだね」

「ええ、力が欲しいと思ったらなれたのよ」

「簡単すぎない!?」

「これでこいしが戦えなくても私が戦える。怪獣と戦う義務と責任はこいしだけに背負わせないわ」

 

安心したように呟くさとりにこいしが言った。

 

「お姉ちゃん、別に義務とかじゃないよ。私がやりたい、旧都のみんなを守りたいことをするだけだよ」

「………そうね、こいしの守りたい気持ちにウルトラマンが力をくれたのよね。義務とか言ってごめんね。でも、私も戦えるのは事実よ。2人で頑張りましょう!」

「うん!」

 

2人は避難した人たちの方へ行きながら、これから2人で戦うことを約束した。




ウルトラマンティガ 1話「光を継ぐ者」をモデルとして書かせていただきました。

わかる方はわかるかもしれませんが、あの名シーンをオマージュした箇所もあります。

やはり初代ウルトラマンにはティガだろうとティガを出しました。これを機に少し題名と展開を変えるかもしれないです。

次回は魔改編です!お楽しみに!
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