妖夢は妙に眠れずに、白玉楼から出て人里を一望できるところまで歩いていた。ふと上げた視線の先にある湖の上で、何かが光っていた。
「何だあれ!?」
急いでそこまで行こうとしたとき、その光が爆発したように何かが飛んできた。その何かは巨大な人影だった。情報量が多すぎて焦ったとき、人影が黄色い光になって妖夢を包んだ。
「うわっ!!」
思わず腕で顔を隠すと、飛んできた人影が妖夢と同じサイズで妖夢の目の前に立っていた。
「初めまして、私はウルトラマンジャックだ」
「ウルトラマン………?」
「私は怪獣との戦いで力をほとんど使い果たした」
「怪獣?」
「その怪獣は湖に封印したが、いつ宇宙人が封印を解きにこの地に来るかわからない」
「だったら、その宇宙人を倒したらいいだけだ!」
「倒そうとする姿勢は否定しない。だが、今の君では宇宙人に対抗することができない。ましてや怪獣は50mを超えるものもいる。私の残る力を君にあげようと思っている」
「アンタの力を?」
「これは私の使命なのだが、君が使うにふさわしいか見極めさせてもらう」
巨人は左のブレスレットをランスに変形させて構えた。
「なるほどね、上等!」
妖夢は背中に背負っている刀のうち「楼観剣」を抜いて構えた。
◇ ◇ ◇
どれだけ時間が経ったか、妖夢が膝をついた。パッと見では傷は付いていないように見えるが、所々肌が青くなっている箇所がある。
「くっ………!」
「そんなものなのか?」
このウルトラマンジャックの武具裁きは妖夢の剣術よりも遥かに上回っている。大きな理由としては潜り抜けた歴戦の数が目の前の剣士よりも圧倒的に多いからだろう。
「………参りました」
「!!?」
妖夢は腰に差していた1本の刀を含む2本を自分の目の前に置き、両手を地面につけた。
「私とあなたの差は歴然です。ただ、私はいつまでもあなたと戦うわけにはいきません。私を必要とする主人がいるのです」
「………そうか」
巨人はランスをブレスレットに戻した。
「え………?」
「君は心の強さも備えているようだ。私の力を与えるに相応しい」
巨人が両手を前に出すと、光が妖夢に入って行った。
「どう……なったんですか?」
「君に私は入ることになるが、基本的に君の願いで変身はしない。あくまでも君自身で頑張り、それでも助けられないときに変身する。これだけは覚えておいてくれ」
「わかりました」
気が付くと、妖夢は幽々子様の膝枕で寝ていた。
「………幽々子様?」
「妖夢!冥界の入口で倒れてたのよ!」
「心配をかけてしまって申し訳ありません!」
「中々起きなかったから心配していたの。無事でよかったわ」
妖夢はあの巨人からもらった力を何も感じなかった。
「あくまでも君自身で頑張り、それでも助けられないときに変身する………か」
「ん?妖夢どうかした?」
「あ、いや、何もないです」
妖夢には幻想郷に迫りくる脅威と戦おうと決意する反面、恐怖の感情もあった。
最初に思いついた遭遇がこのジャックです
残るはあの巨人とプロローグにもあったあの2人………
ウルトラマン複数のストーリーって難しいですね!