明治の魔法剣士は知らない戦地に転生しました。   作:偽帝

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煽れ

「だから、このライトメリッツまで連れて来たんだ・・・!」

 

 

目をキラキラさせながらエレンが言うと、シオンの後ろにいたリムがそっと口を開いた。

 

 

「エレオノーラ様。これからはあのような危険な行動はお止め下さい」

 

 

するとエレンはひょこっと顔を動かして、リムの方を見る。

 

 

「まあ良いじゃないか、リム。あの時は誰かが行かなきゃ駄目だったんだから!でもまさか、魔法を使ってくるとは思わなかったがな」

 

 

「危険を冒して見知らぬ敵に接近するのは、エレオノーラ様の役目ではございません」

 

 

リムの言葉にエレンはため息をついて、ひじでシオンを突っついた。

 

 

「!?」

 

 

シオンは少し驚いてエレンを見ると、むすっと口を尖らしていた。

 

 

「護衛が行っていたら、確実に負けていたよな?お前もそう思うだろ?」

 

 

「それは・・・」

 

 

当然だ、と言おうといえば言えたがこれ以上リムとの関係を悪くしたらどうなるかわからない。

 

 

シオンが言葉を濁していると、指摘するようにエレンが言った。

 

 

「お前が投げた透明の刃、あれは余程の事が無い限り外れないだろ?馬に綺麗に命中した時思った。ま、その分集中力も必要だろうがな♪」

 

 

「・・・・」

 

 

(そこまで、判ってるのか)

 

 

彼女の観察眼に驚きながらも、自身げに笑みを見せるエレンにシオンも軽く口元を緩ませる。

 

 

「あの時は違う戦い方を考えられなかった俺の負け、ですよ」

 

 

「そんな簡単に負けを認めるのか?」

 

 

「風を操る剣は始めてみました。初見であれの対策は時間が掛かります」

 

 

「なら、今は何か策があるのか?」

 

 

わざとらしく小さな声で言いながら、エレンはシオンの顔を覗く。

 

 

「さあ・・・?」

 

 

シオンは首をかしげて視線を逸らす。

 

 

だが、口元だけは少しだけ緩めていた。

 

 

それをみたエレンもフッと笑って、顔を離す。

 

 

「まあ、いつかまた闘ってくれ。楽しみにしているぞ」

 

 

エレンの言葉にシオンは頷く。

 

 

「それと・・・」

 

 

エレンはもう一度リムの方を見る。

 

 

それにつられてシオンも振り返ってリムの方に体を向ける。

 

 

するとリムはムスッとして、視線だけを移す。

 

 

「あの時お前が倒した片方の馬に乗っていたのは、リムだ」

 

 

「どうりで・・・・」

 

 

何となく、雰囲気が似てるような気がしていた。

 

 

エレンが言った後、リムは片手を胸の近くに当てて軽く頭を下げる。

 

 

「リムアリーシャです。もう挨拶することはないと思っていたのですが・・・、ヤマナ・シオン様」

 

 

(目に殺気が・・・)

 

 

冷たいリムの表情と言葉にシオンは苦笑いするしかなかった。

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