明治の魔法剣士は知らない戦地に転生しました。   作:偽帝

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追い風よ 強く

「・・・・・」

 

 

シオンは目を開けると目の前に見知らぬ女性がいた。

 

 

(捕虜にされて、速攻殺されるのか・・・?)

 

 

眠い目でクリーム色に近い髪を見る。

 

 

「起きましたか・・・」

 

 

女性はそう言うと、シオンの口に先だけ入れていた剣を抜いた。

 

 

「・・・今は?」

 

 

固目を擦りながらシオンは聞いた。

 

 

「もう少しで昼です」

 

 

女性は冷たく言うと、剣を下ろしてもう一度シオンを見た。

 

 

「こんな起こされ方は初めてだわ」

 

 

「それは私も同じです・・・はぁ」

 

 

ため息を吐いた女性は腰に手を当てると、視線を変えた。

 

 

(この娘、あの人と同じで露出多い・・・、胸大きいし)

 

 

シオンは一回り女性を見ると、ベッドから体を起こした。

 

 

視線に気づいていた女性はもう一度剣を上に上げた。

 

 

「今度は喉元まで入れてあげましょうか」

 

 

「それだけは止めてください」

 

 

シオンは両手を振って弁解する。

 

 

部屋の中を見渡すが、ベッド以外何も無かった。

 

 

壁には、持っていた刀が置いてあった。

 

 

「狭い部屋は窮屈ですか」

 

 

「いや・・・良く世話になってた。捕虜は初めてだけど」

 

 

「貴方程の力量の人でも、優遇されていなかったということですか?」

 

 

シオンは足を床に移動した。

 

 

「そういうことじゃなくて、時間が無かったからというか、追い込まれていたというか・・・」

 

 

「貴方の話には興味がありますが、エレオノーラ様から呼ばれているので時間がありません。せめてもう少し早く起きてくれれば・・・・・」

 

 

「ここ一ヶ月くらいまともに寝てなかったからさ、ごめん」

 

 

シオンは頭をかきながら体を伸ばした。

 

 

「・・・・・」

 

 

女性は無言のまま、扉を開けシオンの方を振り返った。

 

 

「さ、行きましょう。ついてきてください」

 

 

シオンは床にある靴を履いて、女性の後に付いた。

 

 

「あ、名前はーーー」

 

 

「ヤマナシオン、でしょう」

 

 

当たり前のように言うと、彼女は片手で抑えていた扉を離した。

 

 

「私はリムアリーシャです。ま、今後貴方に呼ぶ機会があるのかはわかりませんが」

 

 

相変わらずの冷たい口調でリムアリーシャは言った。

 

 

同時にバタン、とドアが閉まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「珍しいですか」

 

 

歩きながら、前にいるリムアリーシャが言った。

 

 

「珍しいというか見たこと、無いからさ」

 

 

シオンの言葉で、リムアリーシャは歩くのを止めて後ろを振り返った。

 

 

「見たこと無い、あの戦場にいたのに?」

 

 

「ああ。話で聞いたことはあるんだけどさ」

 

 

「・・・庶民ですか」

 

 

「まあ・・・。というか、これは根本的に俺の国とは建物の作り方が違うかな」

 

 

「へえ、ますます興味深いですね」

 

 

 

その時、初めてリムアリーシャの声に感情が入っていたようにシオンには聞こえた。

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