知恵の国に咲く花   作:タスク・アスク

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……お待たせした。なんとか1週間以内に書けた。
それはそうと【推しの子】最終回最高でした。



(2)

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映像が終わるとラフマンは崩れ落ちた。

 

「こ、これが、こんなことが真実だなんて……」

「認めたくないだろうが今投影されたことは全て史実だ。知恵を求めすぎたキングデシェレト(スカーレットキング)は禁忌の知識に手を出し、それによって文明は衰退、後に魔鱗病と呼ばれる病が流行。テイワットそのものが崩壊しかけた。だが、先代草神(マハールッカデヴァータ)の手助けによってそれは防がれ、キングデシェレト(スカーレットキング)は自己犠牲を選んだ」

「そんな、バカな話が…!?」

「これは驚きだな、まさか先代草神とキングデシェレト(スカーレットキング)は敵対関係ではなかったのか」

「そんなことがあってたまるかッ!これは、これは…」

「ラフマン殿、これは草神の民の言葉だったら信じられなかっただろう。だがこの言葉はキングデシェレト(スカーレットキング)の装置を使って投影されたキングデシェレト(スカーレットキング)祭司の「遺言」だ。」

「そんなバカなことがあってたまるかッ!先代草神マハールッカデヴァータが降臨したせいでキングデシェレト(スカーレットキング)が死に、オレ達の文明を衰退した。そうでなければおかしい!」

「いくらなんでも視野が狭すぎる」

「ハ…ハハハ……こんな話、直に聞いていなければ信じられなかった!オレは何年も何年も自分の恩人に剣を向けていたということになるんだぞ!?」

「ラフマン、もうそれ以上言わなくていい。自分を責めるな」

「……ディシア、オレとオレの旅団は……何のために戦ってきたんだ?」

 

ラフマンは自暴自棄になったのか、地面の装置を見つめながらブツブツと何かを呟き続けはじめた。

 

「ふむ……彼には刺激が強すぎたらしい。私に関する説明はもう少し時間が経ってからにしよう。その間にこの場所は好きに調べてくれて構わないよ」

「サプナ殿、感謝する」

「おう、ありがとな!」

 

ラフマンが落ち着くまでだいぶ時間がかかった…旅人達が神殿内を調べて回れるほどに。

 

「……ディシア、明日教令院の狂……いや、グラマパラは全員しっかりと送り帰そう。その時までに旅団のみんながお前たちを盟友だと信じるよう説得する」

「敵が教令院だとわかったようだな」

「あぁ。神は人を見つけていなかった。「業」を作ったのは人間自身だったのさ。明日、指定した場所に来てくれ、そこがオレ達の拠点だ」

 

ラフマンはディシアに自身の拠点の場所を言い残し、神殿から出ていった。

 

「もう全部わかったみたいだな」

「ラフマンは愚かなやつじゃない。砂漠の中で自ら権力を立ち上げれるほどだからな。だからちゃんと実力もある。ただキングデシェレト(スカーレットキング)への信仰心が強すぎてな……まぁ、これであたしたちにも新たな助っ人ができたってわけだ」

「少なくとも結果的にはそう言えるな」

「さぁて、彼もいなくなったことだし説明を…っと思ったんだけど一旦アアル村へと帰ろうか」

「ん?なんでだ?オイラ達はお前(草神の眷属)に聞きたいことがあってここまで来たんだぞ?」

「私も説明したいのは山々なんだけどね、ここ(神殿)に来てかなり時間が経っている。外にいる人質の老人と子供をそのままにしておくのは酷だろう?」

「そ、それは……そうだな……」

「私も君たちの旅を見てきた1人だ。ここで嘘をつくなんて野暮なことはしないさ」

「……嘘ではないみたいだな」

「…戻ろうパイモン、みんな」

「わかったゾ!」

 

旅人の言葉に従い、彼らは神殿を後にした。

 

「さて、問題はこの穴からどうやって出るかだよな……」

「君は飛べるだろう?」

「その場合、オイラだけしか脱出できないだろ!?」

「?、事実を確認しただけだが?」

「……………コイツ嫌い!」

「まぁまぁパイモン、アルハイゼンはこんなヤツだから」

「ならば、ここは私に任せてもらおう」

「え?いいのか!?」

「もちろん、サービスだとも!」

 

サプナは長杖の先を地面に叩きつける。すると赤紫(ピンク)色の花びらが舞い散り旅人達を覆う。

 

「な、なんだ!?」

「安心したまえ、ただの転移だからね!」

 

体が一瞬軽くなったかと思った後、役割を終えた花びらのドームがなくなる。すると目の前はアアル村の七天神像の前だった。

 

「す、すごいゾ!一瞬でアアル村まで着いた!」

「これで私が草神の眷属だと信じられたかな?」

「……あぁ」

「最後まで疑っていたセノも転移の力を見て確信したみたいだな」

「それで、サプナ殿。村長の家で話を聞くということで問題ないか?」

「あぁ、構わないよ。ただ、明日もやることがあるから簡潔にいこう」

 

村長の家にて旅人(+パイモン)、アルハイゼン、セノ、ディシア、キャンディスはサプナを囲うように席についた。

 

「さて……色々聞きたいことはあるだろうから一人一つ、聞かれたことに答えるとしよう」

「じゃあ私から、貴方は何処まで把握している?」

「ほぼ全部だ旅人、君たちの旅の目的から何故教令院がこんな事をしようとしたか、その先の目的は何か、その全てを私は知っているよ」 

「「「「「!?」」」」」

「……嘘でない……か、ならばどうやって砂漠の下にいながら全てを知ることができた?」

「答えは単純だ大マハマトラ。それは私は現在全てを視ることができる眼、千里眼を保有しているからだ。コレのおかけで君たち(旅人)のこれまでの旅も拝見させてもらっていたよ」

「あ〜!もしかして吟遊野郎(風神)鍾離の奴(岩神)将軍(雷神)が言っていた『害にはならないがある人物から観察されている』って言っていたけどお前のことかよ!?」

「そうだ!それは私だ!」

「ふむ……では次は俺からだ、何故自分でクラクサナリデビを救おうとは思わなかった?」

「………流石書記官(アルハイゼン)。痛いところ付くね。そうだね、別にしなかったわけではないよ……できなかったんだ」

「……どういうこと?」

「100年以上前だったかな…()()はナヒーダを救出しようしたことがある」

「100年!?お前意外と長生きしているんだな!?」

「それで、何故できなかったんだ?」

「彼女が拒否した。『(わたくし)は閉じ込められていてもスメールの神。ならばその任務を放棄することは絶対にしたくないわ』とのことだ」

「……他にも理由があるんじゃないのか?」

「セノ?」

「今の発言、嘘ではないが他にも隠していることがあるな?」

「………バレるか。わざわざ誤魔化すために意図的に嘘の行動をつくったというのに……参考までになんでわかったのか聞いてもいいかい?」

「そうだな、確かにお前の発言に先程まであった嘘をつく時にする行動の類は一切しなかった。ただ、それとは別に誤魔化されている気がした。つまり勘だな」

「なるほどなるほど、勘か……そうだね、それならば仕方ない。確かに私はあえて言わなかったことがある。だけど大マハマトラ、1人1つの質問だ。君には質問権はもうないよ?」

「なら代わりにワタシが聞こう。何を隠した?」

「……まぁそうなるよね。ただ、隠した内容は明言は出来ない。これは言ってしまったら効力を失う類のものだ。」

「な!?そんなのワタシの質問の答えになっていないぞ!?」

「すまないね、これに関しては本当に何も言えないんだ。だから最大のヒントとして『世界樹をどうにかするにはナヒーダにはまだ閉じこもってもらっていたほうが利があった』ということだけは言っておこう。理由については詮索しないでくれ、頼む」

「……わかった、聞かないでおく」

「オ、オイラもだゾ」

「俺も理由があるのさえわかればいい」

「すまないね……さて、君も何か質問はあるかい?キングデシェレトの末裔(キャンディス)

「そうですね……では、貴方の目的はなんですか?」

「────────────────────」

「………サプナ?」

 

突然固まったサプナを心配して旅人()は彼の顔を覗く。驚くことに覗いた彼の顔からは表情と呼べるものが一切無くなっていた。

だが、次の瞬間感情が一気に再起動し、顔が笑顔に戻る。

 

「あぁ、すまない。随分と懐かしいことを聞かれたものでね。そうだね、()()の目的はハッピーエンドを迎えることだ!」

(旅人旅人、さっきからちょくちょくサプナの一人称が”ボク“になってるゾ)

(多分、本来の一人称は“ボク”なんじゃない?)

(そうなのかな?あとコイツ、言動がメチャクチャ胡散臭いんだよな)

(それはそう、どことなくロクでなしな気配が……)

「ハッピーエンド……すなわち誰も彼も幸せで幕を下ろすというわけか?」

「そう!私はそれが大好きなんだ!」

「ナヒーダが捕まえられておいてハッピーエンドはないだろ!?」

「ハハハ、それはそうだ。さて、明日もあるから─「まだだゾ!」─ん?どうしたんだいパイモン」

「まだオイラがお前に質問していないゾ!」

「……………あぁ、すまない君は旅人とセット(非常食)だと思っていたからカウントしていなかった」

「ふざけんな!あと、今なんか不穏な言葉が聞こえた気が……」

「大丈夫、非常食(パイモン)?」

「旅人もやめろ!おいサプナ、誤魔化すなよ!?」

「わかってるわかってる。それで、質問はなんだい?」

「決まってる!お前なんであんな所にいたんだよ?」

「パ、パイモンが食事以外の(まともな)質問をした……!?」

「なんで旅人が驚くんだよ!?」

「だ、だって()()暴飲暴食(パイモン)だよ!?今まで見てきた中で一番美味しい料理とか聞いてもおかしくない!!」

「おおい!?」

「確かに…」

「ディシアまで!?」

「それでサプナ殿、解答は?」

「お前はブレないなアルハイゼン…」

「今の会話を続ける必要はあったか?」

「いや、ないけれども………」

「ならその話は終わりだ」

「ハハハ、君たちは見ていて本当に飽きないね。さて、パイモンの質問の解答だけど、そうだね…単に場所が良かったからだよ」

「場所がいい?あんな砂の下の神殿のどこが場所が良かったんだ?」

「他の神殿とも繋がっておらず砂の中、けれど元素が満ち溢れている場所……半元素生物な私にとっては引きこもるには最適すぎたんだ。誰にも見つからずダラダラできるなんて最高じゃないか!?」

「それは……そうなのか?……って、やっぱりオマエ今めんどくさくて引きこもっていたのを認めたな!?旅人、やっぱコイツロクでなしだゾ!」

「ハッハ〜、それほどでも」

「褒めてねえよ!!!」

 




う〜ん、会話が多い。そしてロクでなし感出せたかなぁ?
ちなみに、サプナ(SAPNA)はヒンディー語とネパール語で「夢」を意味します。原神の舞台がインド神話を元にしているみたいだったでこのような名前にしました。

一個とある場所のルビをミスっていたので修正しました。
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