かなり独自解釈入ってます。
──さて、想像以上に奴はでかく長い、その癖宙に浮いてるのにあの目立つ羽はあまり動いていない事から恐らく飛翔ではなく浮遊、ラダーンと同じ重力操作だろうな。*1
どんな攻撃するかは判らんが、これ見よがしな尻尾と牙は見掛け倒しってわけじゃないだろう。
試行の最中にも黄金は
その際の音をなんと表現したものか、この場にはその職に就いている人間が居ないのでなんとも言えないが、この時のラニとメリナは敢えて近い物として坑道等で鳴り響く採掘音、それに近しい音が聞こえたと後述している。*2
──結果は軽微、僅かばかり石の様な身体を欠けさせるに留まる。
──
いやそれだけじゃねえ、異様な手応え、生物を殴った感触じゃねえ‼︎
グラムが感じ取った感触、あえて近い物を挙げるなら同じ永遠の都の一つ、ノクローンにて戦った己の写し身だろうか。
──硬いのに柔らかさがある、重い癖に妙な軽さがある、熱いと思えば冷たい…この世界の何処にも存在しない──存在してはならない物質で身体が構成されてやがるのかコイツは‼︎
そんな言葉が彼の脳裏に過る、尤もその言葉は──彼自身にも当てはまるのだが。
暗黒の落とし子アステール、その肉体に傷を付けるという事は決して容易い事ではない。
当時の永遠の都の全戦力を以てしても何も出来ずに蹂躙されて終わったのがその証拠、前述の通りアステールの肉体は異様でありその肉体にダメージを与えるという事自体が偉業の一つに数えられると言っても過言ではない。
──恐らくかなり極まった攻撃力が無いとノーダメージになるレベルの防御力、硬さで攻撃を防ぎつつも柔らかさで衝撃を吸収するからダメージを蓄積させ難い、夜の民とやらが何故滅んだかその理由の一部がわかった気がするぜ。
アステールがその左腕を虫を払い除ける様に振るう、到底攻撃とは言えない動作、しかしその軌跡には重い色をした星雲が生成され一見すると極小規模な宇宙の様にも見える。
グラムは一瞬それが毒ガスの類と訝しむがその判断は即座に誤ちであったと認識させられた。
アステールが展開した星雲が爆発を起こしたのだ、一つ一つは小さな物だがそれでも連鎖的に引き起こされる物で纏めて喰らえば流石にただでは済まない、爆発を確認したグラムは即座に後方に飛び退きアステールとの距離が開く。
──高防御に加え小規模な連鎖爆破か流石に良い
思考も束の間にアステールは標的との距離が開いたのを確認するや否や即座に口元にエネルギーを収束してソレを放つ。
放たれたそれをグラムは難なく避けるがその攻撃手段には既視感があり過ぎた。
──ラダーンが使ってた重力魔術…の原型か、あの収束光線は出が早過ぎるな…回避自体はラダーンで予習済みな分楽勝だがあの時の弓矢の様に実体が無い分連射させられると普通にめんどくせえ、多分力場で軌道は逸らせるだろうが今この札を切るのは得策ではないな、学ばれたらそれこそ面倒だ。
恐らくコイツは火炎を吐く機能が備わっている竜種の様に重力を操る身体機能が備わっている、出力はラダーンのそれを優に上回ると見て良いか。
思考の最中にもグラムはアステールの長い尻尾を用いて鞭のような攻撃を躱して行く。
一見平然と回避している様に思えるがその一撃一撃が必殺の領域に至る、一撃でも喰らえば重度の負傷は避けて通れない物、防御は無い、足を止める事は死に直結するからだ。
──思った以上手数が豊富だ、しかも本体も硬いと来た、さてどう切り崩した物かな…
──硬過ぎて無理
・ラダーンを叩き落とした
──多分有効、だがその後片腕と得物が潰れる。
最後の手段だな。
となれば
尻尾を潜り抜け再度接近するもアステールは両腕を上げ、その直後大きな穴を創り出しその姿を消してしまう、否、今しがたすぐ側に居た筈のアステールは今や遥か遠方にその姿を堂々と晒している、つまりあの一瞬で移動したのだ。
──高速移動の類ではない‼︎転送魔術の類の瞬間移動‼︎コイツそんな物まで持ってんのか‼︎
「よもやこれほどまでとは…‼︎母上ですら重力による転送は使えなかったというのに…‼︎」
この場に於いてラニだけがアステールの瞬間移動の理屈を見抜いていた。
ブラックホールと呼ばれる超重力によって発生する現象がある。
その出力はなんと光すらも呑み込むという超パワーであり
周囲の万物を飲み込み成長する。
次にホワイトホールと呼ばれる
此方はまだ未確認だが理論上は存在する現象がある。
ブラックホールと対なすコレは言うなれば
あらゆる物を吐き出し続けるという物。
荒唐無稽且つ矛盾点が多い為にその存在は
無い物として扱われていた。
アステールが行った瞬間移動の理屈、それはブラックホールとホワイトホールの殆ど同時行使による代物である、第一にブラックホールによる収束で己の身体を収納しその直後にホワイトホールの発散によって身体を摘出する。
言うは容易いが実際には天文学的な数値の計算を超精密に行い成せるからこその神業であり、
その理由の一つに肉体強度がありアステールが行う瞬間移動は一度超重力空間に飲み込まれるという過程が含まれる関係上どう足掻いても地上の生命体の規格では不可能なのだ。
これはレナラの肉体が弱いという訳ではなくもし仮に行うのが最強の肉体と称されたゴッドフレイやラダーンであっても不可能、アステールの超規格外な肉体だからこそ行える代物である。*4
──途端にやる事が増えたな、アレがある限り半端に傷付けても逃げられて終わりだ、逃げる暇も与えず且つコイツのクソ防御を貫通する攻撃を一撃で見舞うのが理想…
「いや大分厳しいぞこれ」
──前提として硬すぎる、有効打が有効打にならないってのは相当キツイ…初めてだぜこんな相手、
──そう、何も関係はない、勝ち負け云々は全部出し切ってから決めれば良い、俺は俺の持ち得る全てを出し切る、それで良いだろう。
「狙い目はやはりこれ見よがしな頭だな、明らかな弱点だろう」
アステールの尾先による刺突を避けながら接近しつつグラムは全身から力を抜いていく。
脱力による弛緩、転じて打撃を生じさせる為の緊張、その振り幅こそが攻撃力の要、射程にアステールの頭部が入り武器を振りかぶりこの日二度目の全力の攻撃を放つ。
音を置き去りにする連続攻撃だが以前と違うのは今のグラムは片腕しか動かなかった時と違い五体満足であり余力も十分、従って当初構想していた通りの九連撃の攻撃となりそれがアステールの頭部に直撃、限りなく極上の一撃だ、これ以上は望めぬ程に。
これ程の攻撃を受けて尚──
直撃させた頭部は大きく罅を走らせるだけに留まりとても有効打を与えたとは考え難い、しかし完全に無傷とも言えない、ただひたすらに彼の地力が怪物を屠るのに足りていないだけの話だ。
──
──居るはずもないそんな生物に願いを馳せた。
──だが、世界は広い、こんな
恐らくは…生物としてコイツは圧倒的に格上‼︎持ち得る力その全てがこの世界の生物とは次元が違う‼︎
と、ここまでの思考約1秒未満…即座に切り替えグラムはガラ空きの頭部を追撃と言わんばかりに蹴り上げアステールのその図体を大きくのけ反らせた。
「やはり気分が良い物だ、挑戦者って奴は、存分に出し惜しみせずに闘える‼︎」
──力比べは無しだ、全てを出し切る殺し合いの気持ちで漸く土俵に立てる、とんだ無礼者だ俺は。
闘志尚も衰えず、しかしその面の鼻からは一筋の血液が溢れ出している。
どれだけ盛っても良いとされている。
・黄金野郎
硬くて強い生き物と出会えてご満悦、勝つ気満々。
ジワジワと消耗してる。
・暗黒の落とし子アステール
この作品に於けるコイツの扱いは準ラスボスクラス、つまり今戦う敵じゃない、フレイザードの後にバランと戦う様な物。
因みに防御力の説明に某水晶蜘蛛のソレを参照にしたが流石にアレほど強くない、かなり劣化してる、でも強い。
コイツのクソ防御は筋力80以下の打撃を無力化するという物、90からちょっと通り悪い位、無視してダメージ与えるなら100は欲しい(システム不可)
まだ強さの引き出しが残ってる。