人違い(される側)が行く黄金樹への道   作:Another2

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色々浮気してました(別作品の執筆、夜を渡る等)


【黄金樹の麓 アルター高原】

「──以上がこの()()()()()が地下での戦闘を行った際における地上での被害です」

 

「大昇降機が使えなくなったのは痛いな、少しばかり面倒な道を行く事になる」

 

 ふむ、どうやら我々がアレ(アステール)と戦っている最中、地上ではソレなりの被害が出たらしい、聞けばカーリア王家にとっても重要な地であった月光の祭壇の消失基大規模な地盤沈下、これにより大穴が空いたとか、そして今はあの戦いから丸2日経過しているとの事。

 尤もこれによりその側にあった腐敗湖すら消し飛び腐敗の瘴気も時期に消え去るという見込みだ、レナラ曰くそれでもノクステラが消え去った事は痛かったらしいが……

 次にデスタスの大昇降機の故障、これは地震により壊れたらしく*1暫くは動かせないとか、これに関しては横道に坑道があるらしくこれを用いる事でアルター高原に行く事は可能らしい。

 

「それにしてもよく戻ってこれましたね、此方から転送するより早く飛んでくるとは」

 

 一度見て二度も経験したならば真似るのは容易い、あの時ラニもマリナも魔力が枯渇していた、故に自分の魔力で飛んだまでの事、少々分の悪い賭けではあったがなんとか転送魔術を物にした。

 それはそれとして……

 

ラニは何故小さくなっているんだ。

 

「お前とアステールとの戦闘で魔力を消耗し過ぎてしまったのでな、回復も兼ねて消費を抑えた姿でいる必要があった、それ故にこの姿をとった。

 尤も私の最初の目的である指の抹殺もアステールの自爆で消し飛んだ様だからこの短剣は無用の長物になってしまったが……」

 

 親子揃ってなんでもありか、まあいい。

 

 今自分はあの戦いで会得した重力魔術を扱い様々な実験を行っている、レナラ曰く重力魔術の基本は引力と斥力、その果てに重力操作があるのだと。

 斥力を応用した護りは確かに強力だった、攻撃が此方に届く前に失速し届かず効力を無くす、反面消耗が激しくとてもじゃないが実戦で扱える物ではない、回避した方が早い。

 対して引力を応用した高速移動は中々な物、引力によって発生する空間の収縮に自身の身体を引き寄せさせる事で高速移動を可能とする物、これはかなり有用であり空中での機動力に大幅加点された。

 そして混成魔法に関してだが……理屈は理解できるのだが実践はとてもじゃないが今は無理、単に技量が足らんし……まぁそのうちやれる様になるだろう。

 

「改めて言うまでもありませんが……貴方はケイリッドにてラダーンを討ち取った、結果止まっていた星が動きこの地の停滞した運命は動き始めました。

 しかし……貴方はアステールを、星の具現を打ち倒した、その意味を理解していますか?」

 

 無論、口酸っぱくラニに言われた事だ、あの怪物……アステールとか言うのを倒した事で次は自分の運命が止まってしまったらしい。

 だからどうと言う話ではないがどうやらレナラは数少ない血縁として心配してくれているらしい、親子揃って心配性な物だと感心してしまう。

 

「……覚悟はあるのですね、ではこれ以上口出しする事もないでしょう、お行きなさい、ライカードに会ったなら宜しくお願いします」

 

【崖とはな…】

 

 さて、大昇降機は壊れてしまっているので横道の坑道を使って崖を登るらしい、崖登りには自信があったのだがメリナに断固拒否されてしまった、何故か。*2*3

 それからアステールからもぎ取った牙は円卓のヒューグに託し武器してもらっている、珍しい素材と自分が使うからかえらく気合が入っていた。

 まあそんな訳で今はその例の坑道兼断崖にいるのだが、いかんせん生物の気配がない、というかここまでの道のりで見たのは死体ばかりですでに先駆者が居た様子、更に付け加えるとこの参加者はかなりの強者と見て良い、全ての死体が一刀の元切り捨てられている、余程の技量の持ち主と見た。

 

【そんな馬鹿な……】

 

 只管に登り漸く広間に出た、ラニが言うにはこの先の広間を抜けて登った先がアルター高原らしいのだがその広間には最近溶岩土竜という生き物が巣食っているらしい。

 曰く、溶岩土竜とは竜の心臓を喰らい竜餐にて力を得た人間の成れの果てらしい、実力も相応にあるらしいのだが、その……なんだ……デミゴッドだの星の怪物だのとやりあった後にそんな物の説明をされてもだな……反応に困る。

 要はそいつらは自分の力を制御できなくなった愚か者ということではないか、そんな存在をどう恐れろというのか、まあ……軽い運動位になれば良いなあと、この時の自分は思っていたのだ。

 

「……死んでいるな」

 

「死んでいるわね」

 

 そう、目の前には例の溶岩土竜であろう生物の死体の姿、首元を深く切られている事からそこが致命傷となったらしい。

 死体の身体は全身がズタズタだが切り口の種類から二人……いや三人か?一つはここまでの道中で見た綺麗な切り口、おそらく切れ味に特化した刃物を使っているな、他の目立つ傷は荒々しい、力尽くで叩き切った様な傷……恐らく斧の類だ、後一つは……刺し傷が目立つな、やや深い所を見るに刺し剣か長い直剣の類か、なんにせよアルター高原の何処かにこれをやった三人組が居るのだ、探してみるのも良いかもしれん。

 

【ああ…偉大なる黄金都よ…】

 

 洞穴を登り終え抜け出したら黄金色の草原に出た、恐らくここがアルター高原で間違いない、黄金樹が目と鼻の先にありその根元に存在するのが王都ローデイルらしい、そこに奴……モーゴットは居る。

 しかしなんだ、初めて来た場所だと言うのに妙に懐かしい雰囲気だ、まるで帰巣本能に駆られた生物が無意識の内に故郷に足を運んでいると言った感じに近しいか、まあ仮にもゴッドウィンの血を引いているのであればそれはなんら不自然ではないが……?

 ちょっとした坂を越えて小高い丘に到着すれば改めてアルター高原の全貌が目に映る、広大な大地に黄金樹の加護があるからか肥沃だ、尤も戦後間もないからか所々煙が燻ってはいるのだが。

 少し歩いた先には人影が三つ、その面々は全て己が知り得る者達であった。

 

「む……やはり君も来たか、黄金の」

 

 一行の頭目を担っており声をかけてきたのは確か赤獅子城でも見かけたレダという女騎士、その傍らにはいつぞやの女戦士ネフェリ・ルーとケイリッドにて治療し戦祭りの後別れたミリセントの姿があった、どうやら三人で旅をしているらしく記憶にある頃よりかなり実力を身につけている様だ。

 ネフェリ・ルーは迷いを断ち切ったのか澱みの無い良い面をする様に立った、しかしそれよりも目を引くのはミリセントだ、何が起きたのかまるで別人の様に見違えた、治療してそこまで時間が経過していない筈だしそもそも病み上がりの身で何故歴戦の雰囲気を醸し出しているのか甚だ疑問で仕方ない、後その義手はどうした。

 

「あの後色々あってな、レダと共に出立した後ストームヴィル城付近でネフェリと出会い共に旅をすることになったんだ」

 

 その後も説明をを聞いた、ミリセントは言語化能力が不慣れなのか所々拙い部分もあったがそれを補完するようにネフェリやレダが解説してくれた。

 

 ストームヴィル城付近にてネフェリと合流した後只管に北上、寄り道を重ねつつもなんとかデクタスの大昇降機付近に辿り着くも()()()()()()により大昇降機が故障、致し方なく坑道の方を使う事になった、その際にそこに巣食っていた溶岩土竜を討伐したとの事、アレをやったのはこの三人だったか。

 そしてその……なんだ、正直すまんかった。

 

「ん?何故お前が謝る必要がある、お前が地震を起こした訳じゃあるまい?」

 

 いやまあそうなんだけど、原因の一端は自分にあるというか……兎に角今度はその地震の経緯を話す事にした。

 

「なんと……そんな強大な敵と戦っていたというのかお前は、私も様々な敵と戦ったという自負はあるが星の怪物とはな……やはりお前は遥か先に居る、それでこそとも言えるが」

 

「なら突如ミリセントの身体の調子が良くなった理由もはっきりしたな、君が倒したというアステールだったか?それの自爆により腐敗の神性の大元が絶たれたのであればミリセントの進行していた腐敗が急に消え去ったのにも納得が行く」

 

「そうだったのか……どうやら私は知らない内にまた君達に救われたようだ、今一度礼を言わせて欲しい」

 

 アレの自爆、自分達を殺すイタチの最後っ屁のつもりだったんだろうが結果的に色んな人間の利に働いてるぞ、情けない自爆もあったものだ。

 それまでのミリセントは酷かったらしく、定期的にレダが戦技の針を刺す事で腐敗の進行を抑えていたらしい、ネフェリはその間の護衛としてとても役に立ったとか、しかしそれが急に調子が良くなったから却って心配したらしいが、溶岩土竜のトドメの一刀のキレを見て考えを改めたらしい。

 

「それでその義手はどこで手に入れたの?かなり精巧に作られているけれど……」

 

 メリナが義手について言及すると途端に三人は苦虫を噛み潰したような顔しだした、良い思い出では無いらしいが、結果から話すとこの先にある小さな城、名を日陰城というらしいがそこにあったものを使っているらしい。

 それでその……そこの城主のマレーマレーとかいう奴がミリセントの姿を見て、形容し難く身の毛のよだつ対応、有り体に言えば物凄く変態的なアプローチを仕掛けてきたので反射的に切り捨てたらしい。

 

「あそこの城主はマレニアを信奉しているからな、そこな娘はマレニアとほぼ同一の気配をしているから勘違いしたのだろう、愚かな事だが」

 

 本当にな。

 

 それで一応城の天辺に居た鉄茨のエレメールという罪人を倒したらしい、誰だそいつ。

 

「確か鈴玉狩りの異名で名を馳せた死刑囚だな、狭間の地ではちょっとした有名人だよ、まさか死刑囚に自分の城を乗っ取られるとは……つくづく愚かな奴だ」

 

 ふむ、興味ないな、言葉から察するにもう死んでるらしいしな、それから最北の地に風車村があるらしいがどうやらそこでも一悶着あったらしい、白い長い黒い炎を使う剣士と戦ったらしく、ソイツはとても強かったそうな。

 

「その特徴なら神肌の使徒だと思うけど……よく勝てたわね貴女達」

 

 神肌の使徒、また知らん名前だがメリナの言及や三人の反応からするに相当の実力者であるらしい。

 

「一応言っておくがその“相当強い”はお前以外から見て“相当強い”だからな、お前は自分の強さを自覚しろ」

 

 ラニ(母親)咎められた(叱られた)、慣れない感覚だ。

*1
アステールメテオの所為

*2
ジョジョ第一部のディオ登りを提案した、即却下された、ラニとメリナから。

*3
ディオ登りとは壁面に足をブッ刺して行きまるで壁を歩く様に登っていく事、全体重を足の刺さっている部分で支えることになるのだがこの黄金はそれが可能、尚諸事情につきメリナは実体化している為に黄金に抱えられる事になるのだがその際の恐怖は想像するだけで恐ろしい、命綱という概念がないのでね。




ナレ死大量発生中、黄金が強すぎて並大抵の奴じゃ戦闘が成立しなくなってきている。

・黄金野郎
 間一髪で転送魔術でレナラの場所に飛んだ、新たに会得した重力魔術で色々模索中、今回やったのはまんま五条悟のソレ

・小さいラニ
 魔力の消耗故小さくなった省エネモード、不器用ながらもお母さんしてる。
 因みに黄金野郎だと身の危険を感じたのでメリナのフードに潜んでる。

・僅かな心労が減ったメリナ
 まともな感性を持つ人が旅の動向に増えて一安心。

・三人の戦乙女
 博識のレダを筆頭にミリセントとネフェリ・ルーの三人で構成された超異色なパーティ、異色さでは夜渡りの面々と良い勝負。
 三人の中では腐敗デバフが消えた+とある理由でミリセントが頭ひとつ抜けて強い、ネフェリとレダは勝ったり負けたりを繰り返すが実力にそこまで差はない。
 ミリレダをすこれ

・鉄茨のエレメール基鈴玉狩り
 城に構えるというとある世界線では鬼強ムーブを仕掛けたが地下じゃなかったのが致命的、地下で待ち構えて赤く光ってたら勝てたかもしれんが残念、日陰城に地下はない。

以下ナレ死一覧と下手人
・溶岩土竜・マカール(三人の戦乙女)
・鉄茨のエレメール(三人の戦乙女)
・神肌の使徒(三人の戦乙女)
・古竜ランサクス(???)
・飛竜ボレアリス(???)
・大土竜テオドリックス(???)

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