そしてそれらを総称して……“
「お嬢様ですか? 化け物ですよ。
獣に化ける者であり、悪しき魔であり、天狗の如く傲慢で、鬼のように恐ろしい……紅魔を名乗るツェペシュの幼き末裔。
―――全部、自称ですけどね♪」
無名の小悪魔
「弾幕はパワーだぜ!」
「いいえ! 弾幕はブレイン、常識だと言ったでしょ!!」
「弾幕はアマノジャク……と、はて? 誰が言った言葉だったかしら? まあいいわ……二人ともソコまでよ」
ここは、紅魔館にある大図書館。
主である“パチュリー・ノーレッジ”と同じく、普段ならば物静かな図書館なのだが……白黒と青白と紫の魔法使いが集まれば、騒がしくなるのは当然だろう。
女三人寄れば姦しいのは、人間に限った話では無いようだ。
紫がパチュリーならば、青白が、私達のマガトロさんである。
ならば残る白黒は……“霧雨魔理沙” どういった意味でか不明だが、自称“普通の魔法使い”である。
彼女の使う魔法の触媒に肖るなら、
「いくぜ! 恋符マスタースパークッ!!」
重要なのは、威勢の良い声と共に唸りを上げて、極太の怪光線が放たれた事だろう。
これは魔理沙の代名詞とも言える魔法であり、まさに魔砲と言うべき大技だが……その詳しい原理は分からない。
少女の淡い恋心と茸が、深読み厳禁な化学反応を起こした結果かもしれないが、傍から視る限りは、魔理沙自身の力と言うよりも、魔道具である“八卦炉”の力であることが大きく。さらにそれは、疎遠になった花妖怪の使う弾幕に酷似しているように思える。
パクリ、インスパイア、リスペクト。言い方は数あれど、
もっとも、模倣もまた技術であり、他者の優れた業を見て取り盗むのは当たり前のことで、それ自体は批難に当たらない。
失笑を買う、モノマネ程度の劣化コピーに終わるか、昇華させ己の血肉とするかは本人次第だろう。
魔理沙の場合、辛うじて後者のようだ。放たれたソレは、弾幕用に調整されているとはいえ、十分な火力が見て取れる。
だが……それをマガトロさんに向けるのは、二重の意味でいただけない。
“友愛のオレルアン人形”
博愛の仏蘭西人形の派生であり、防御に特化した大盾持ちである人形。それを3体、射線を遮るように動かす。
それだけではなく、人形の構えた金の盾の前に、
弾幕ごっこに調整された攻撃程度なら、盾だけでも防げるが……防げるだけでは意味が無い。
だからマガトロさんは手を抜かない。
ルールに準じ、相手の力量を計った上で、マガトロさん自身の力を調整するのはそのためであり、相手を侮ってるわけでも、負けた言い訳のためでもない。
常に余力を残し、
必ず勝てる勝負に意味は無い。
勝つか負けるか分からないからこそ面白い。
だがしかし“遊び”であるからこそ真剣に行うのもマガトロさんであった。
魔力の障壁を重ねた人形は、マスタースパークの光の奔流を押し止めるだけではなく、僅かに押し返した。
元になった魔法を知っている上に、敵としても味方としても、過去になんども見ているマガトロさんには通じない。
僅かな隙を見切ったマガトロさんは、星光の渦を
「戦符リトルレギオン!」
だがそれは、魔理沙も同じである。
「甘いぜ! 彗星ブレイジングスターッ!!」
防御に回した3体の人形とは別に、、七色の糸で操られた7体の人形が魔理沙を取り囲み、手にした武器を向けるが……魔理沙はそれに対応する。
八卦炉を構えた手と反対の腕を動かし、無理やりカードを掲げ宣言する。そして、八卦炉の向きを強引に切り替え。反動を相殺するために展開していた保護魔法を消し去ったのだ。
魔理沙は、開放された反動を推進力に変え、人形と人形の僅かな隙間を貫くようにマガトロさんに突撃するが……狙いは大きく逸れる。
当たり前だ。マガトロさんが、武器にも盾にも成る武装した人形を、射線が通るように展開するワケがない。
ならば、速度由縁に微調整が効かず。愚直に直進するしかない甘い攻撃など当たるわけがない。
しかしそれは、使い手である魔理沙が一番良く知っている。
ブレイジングスターは、ただ直進するだけの魔法ではない。
周囲に星をまき散らしながら突き進む。直撃しなくとも、巻かれた星で被弾を狙える。単純な魔理沙にしては珍しい、二段構えの魔法であった。
そんな撒き散らされた星の弾丸が迫る中。マガトロさんは、冷静に防御を諦め。人形に弾幕による追撃と迎撃を命じた。
きらびやかに行き交う星と七色の弾幕は交差して、お互いの身に振りかかる。
魔理沙もマガトロさんも技後の硬直で動けない。迫る弾幕を避けることも防ぐことも出来無い。
そうなれば後はもう、どちらが先に当たるかで、勝敗は決まる……はずだった。
「そこまで……と言ってるでしょ!」
パンッ! っと、分厚い本が閉じられる音が大図書館に響き。驚いた小悪魔が遠くでコケた音を最後に、静寂が訪れる。
ごっこ遊びは唐突に終わった。
撒き散らされた星は消え。展開された人形も動きを止めた。
調整された派手なだけの弾幕を横から掻き消すことは難しくはない。
ましてや
だがそれは……手加減しなければ、の話だ。
「おいおい、もうちょっとで私が勝つところだったんだぜ!」
「そうよ、もう少しで私が逆転勝ちするところだったのに……って、あら? もうこんな時間!?」
「二人でじゃれ合うのは良いけど、遅れたらどうなっても知らないわよ?」
「どうなるって言うんだぜ?」
「怒った巫女から、博霊ドライバーを食らう」
「48の博霊の秘術のひとつらしいわよ?」
「なんだか知らないけど、そんなもの食わされたら、腹を壊すだけじゃすみそうにないからゴメンだぜ……」
「さあ、冗談はそこまで。行きましょう」
「ええ、そうね」
「おーけ、いこうぜ!」
魔理沙とマガトロさんの決闘は、
ごっこ遊びは、殺伐としていた幻想郷を塗り替えた。
マガトロさんが提案し、スキマ妖怪が仕掛け、紅い悪魔が広げた……今の幻想郷を彩る、陳腐で優雅なごっこ遊び。
死の境界をぼやかして、悲劇を喜劇にすり替え、みんなで笑って、嗤って、呵うために作られた
―――それが、弾幕ごっこ。
“遊び”であるからこそ許される……少女たちの美学の結晶である。
だが、それが幻想郷の
「あ、それとパチュリー。さっきみたいな事はやめてね
他愛のない“
「言われなくても
「なら良いけど……“
「……ええ、分かってる。“
「おーい、何してんだ? ちんたらしてたら置いていくぜ?」
「おいてかないで~」
「やれやれ……ね。あ、ちょっとまって?! 私がまだ乗ってn……」
弾幕ごっこは、少女を中心とした遊びだ。だから遊びらしく柔軟性は高い。
1対3などの不平等な戦いも、2対2のタッグ戦も、あまつさえ、試合中の乱入すら許されるほどだ。
だがパチュリーがヤッたことは“妨害”であり。それは重大なルール違反となる。
ごっこ遊びを支持するマガトロさんが、強く懸念を示したのは当然である。
過去の経験から……本気の死闘を生き抜いた経験から、生き死にを賭けるような勝負を避けたいと思うようになり。
幻想郷移住の際に巻き込まれた吸血鬼異変で知り合った、境の主に提案したのが―――
―――“
それから三者三様の意見が飛び交った。
「幻想郷が、理想郷を目指すなら……殺伐とした中にも、そう、ゆっくりとした雰囲気が……」
「業腹だけど敗者の義には従う……でも、見苦しくも浅ましい要求は認めないわ」
「妖怪と人間の共存が大前提……理想は理想、現実は現実……難しいわね」
「強さを誇示する方法はひとつじゃないはずよ?」
「八百長をやれと?! ふざけないで!!」
「博麗の巫女は、幻想郷が幻想郷であるための要……でも、だからこそ“価値”がある」
「わざと負けろなんて言わない。いいえ、むしろわざと負けたりしたら意味が無いわ」
「予定調和の道化と何が違うの? ドン・キホーテに成れと? この私にッ!!」
「弱い者いじめを美しいと思うなら断ってもいいわ」
「これは“約束”よ。幻想郷を理想郷にするための“契約”……悪魔は、契約を破らないんでしょ?」
「……盟約を破ったりしないわ。だから、手加減も容赦も一切しない!」
「紅魔の誇りにかけて誓うなら信じましょう」
「万が一はあるけど……あの子なら大丈夫でしょ、たぶん」
「たかが人間を持ち上げたものだな……くくくっ、楽しみだわ」
「素質だけなら歴代最強ですから……」
「……一応言っておくけど、私は前に一度。あの子と“本気”で戦って負けてるからね?」
「なん……だと?」
「約束を守るのは矜持。約束を守らせるのは……今も昔も実力あるのみ。悲しい話ですわ」
「……」
「……」
「……」
「お茶しましょうか?」
「咲夜」
「はい、お嬢様……こちらに」
「あ、私は、松江叢雲上級煎茶をお願いね♪」
「ねーよ」
「どうぞ八雲様、こちらに」
「ちょ咲夜!?」
「……まさか本当に出てくるとは思わなかったわ」
「マーガトロイド様からの差し入れです」
茶番は茶番。それはどうやら裏も表も変わらないらしい。
あ、ちなみに煎茶の入手先は香霖堂。隣人に引越しの挨拶に行った時に買ったものだ。
魔理沙とマガトロさんが再開したのも、その時だ。
後に“紅霧異変”名付けられた
それは今、姦しく騒ぎながら神社に向かう道中。呆れ顔を浮かべながらも、楽しんでいるマガトロさんを見れば一目瞭然だ。
当時、念の為に、不測の事態に備え待機していたマガトロさんの出番もなかった。
魔理沙が予定外である地下に向かったのを知って、マガトロさんが慌てる一幕もあったが……
スキマ妖怪にとって魔理沙はオマケでしかなく、生死は誤差程度にしか考えていない。
だから他人に甘いマガトロさんが影で見守っていたのも当然だろう。
知人は数あれど、友人。ましてや親友と呼べる存在はいない。
明快な“夢”を持ち。それに邁進している
苦ではないが……孤独を好んでいるわけでも無い。
何よりも、
それは観客無くして存在し得ない。
だから
人々……観客が
白黒魔法使いを気にかける理由もそれの……はずだ。
……なのに、そんな
アピールもせずに気づけとは、無茶ぶりでしかないと理解している。理解しているが、やはりそれでも望んでしまう……。
ああ、やはり“私”は性質が悪い。
アリス!アリス!アリス!アリスぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!アリスアリスアリスぅううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!アリス・マーガトロイドたんの金色ブロンドの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリグレイズ…きゅんきゅんきゅい!!
sm3427630のアリスたんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
脇役だけど鈴奈庵に出れて良かったねアリスたん!あぁあああああ!かわいい!アリスたん!かわいい!あっああぁああ!
コミック2巻も発売されて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!コミックなんて現実じゃない!!!!あ…小説もゲームもよく考えたら…
マ ガ ト ロ さ ん は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!幻想郷ぉぉおおおお!!
この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?表紙絵のアリスちゃんが僕を見てる?
表紙絵のアリスちゃんが僕を見てるぞ!アリスちゃんが僕を見てるぞ!挿絵のアリスちゃんが僕を見てるぞ!!
ゲームのアリスちゃんが僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!僕にはアリスちゃんがいる!!やったよレミィ!!ひとりでできるもん!!!
あ、コミックのアリスちゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあ神綺様ぁあ!!お、おかすちー!!フランちゃぁああああああん!!!ロリスゥぅううう!!
ううっうぅうう!!俺の想いよアリスへ届け!!幻想郷のアリスへ届けッ!!!
~毒電波送信中~