アクア「MEMちょのために高校を紹介したら彼女も着いてきた件」 作:ムテキング
『貴方のアイドル~サインはB!』
端末から流れるアイの素敵な歌声で目が覚める。
時刻を見ると朝6時。
美味しそうな味噌汁の匂いが漂う部屋で、俺はショボショボとする目を擦りながら身体を起こす。
待て・・・・・・・・・何故、味噌汁の匂いがする?
一気に眠気が覚めて、俺は部屋を見回す。
部屋にある座卓には焼いたサンマが盛り付けられたお皿と納豆、そして茶碗とお箸が用意されている。
直ぐそばには炊飯器まで用意されて、既に保温状態になっていた。
味噌汁の匂いはキッチンの方からしていた。
そこには制服の上からエプロンを着けて鼻歌を歌いながら鍋をかき混ぜる黒川あかねの姿があった。
「おい、あかね! なぜお前がいる!」
昨日は寝る前に確かに鍵をかけたはずだ。
「おはよう、アクアくん。お味噌汁が出来たからご飯食べよう」
あかねはにこやかな笑みで鍋を持ってきて、座卓へと座り、茶碗にご飯をよそっていく。
「こっちの話を聞け。一体どうやって入った!」
「うん? 鍵の話? だったら昨日部屋に帰る前に管理人さんに言ってここの部屋の鍵を買ったんだよ。深夜でも受け付けてくれるなんて便利だよね」
「マジか。やっぱり他人の部屋でも買えるのか。確かにそういう含みを持たせた言い方だったからその可能性も考えたが、外れていてほしかった」
「不用心だよね。窓には鍵がついてないし。だから後で追加の鍵を買いに行こう。防犯対策グッズセールで売ってたから」
恐らくその追加の鍵の方も、あかねは合鍵を持つ気なんだろうな。断っても勝手に作られそうな凄みがヤツにはある。
ルビーや有馬が居ないからって、かなり暴走しているようだ。
(ルビー、お兄ちゃん、そのうち喰われちゃいそうだ)
そういえば、今世では未経験だが、前世でヤリチンだった場合はDTじゃないと定義していいのだろうか?
戯れに外村にメールしてみると秒で返信が来た。
『幾らおなごとやれないからって前世でモテまくりだったと思い込むのはあまりに悲しすぎるでござる。卒業したら拙者のお気にの嬢がいるお風呂屋を紹介するでござるから現実に戻ってくるでござる』
外村が素人DTだったという要らない知識が手に入った。記憶から消したい。
『アクたん。現実から目をそらしちゃダメだよお。そんなに気になるなら今度二人っきりで相談乗るよ』
『アクアくん。アクアくんには平田くんっていう素敵な恋人がいるじゃないですか。浮気はいけないと思います』
MEMちょと佐倉からもメールが来た。外村のヤツ、拡散しやがったのか。
「アッ、アクアくん。えっとえっと、わっわたしならっ、い、いつでも大丈夫だからね」
あかねが端末片手に顔を赤くしてワタワタしているが、俺はそっちを見ることは出来なかった。マジで外村、後で殺す。
俺は朝食を光の速さで食べきり、あかねの方を見ないように手早く準備をして部屋を飛び出すのだった。
あと、佐倉。
最後にお前には非常に大切な事を言っておく。
俺はホモには興味は無い! 絶対に尻の穴は死守するぞ!
本当でござるかぁ~?
モチベ維持の為にも感想、評価お待ちしております。