アクア「MEMちょのために高校を紹介したら彼女も着いてきた件」 作:ムテキング
あかねの誘惑から逃れるように部屋を飛び出した後、軽く朝の散歩で気分を切り替えてから登校した。
Dクラスは朝から既に騒々しい。
池と山内がそれぞれ買ったエロ本を見せ合っていて、大声でおっぱいおっぱいと叫んでいる。
外村はキモオタに擬態していて、アニメ雑誌を広げて、萌え萌えしている。いや、あれは擬態でないのか?
高円寺は持参したであろう姿見の前でブーメランパンツ一丁になってポージングしている。
平田はそれに熱っぽい視線を注いでいるし、佐倉は「高平もまた有りです」と言ってノートに妄想を書き込んでいる。
チャイニーズ王は、その佐倉のノートを横からチラチラと覗いていて顔を赤くしている。
そんな騒々しい中で黙々と勉強しているメガネ男子もいるし、俺の前の席の名無しの権兵衛は朝から綾小路の頭にコンパスを刺している。
MEMちょは仏陀のような悟りを開いた穏やかな顔をして「最近の若い子はよく分からないよ」と言っているが、俺も分からんから安心しろ。
このままクラスに居ても特にやることもないし、始業までしばらく時間があるので、俺は他クラスの様子を見に行くことにした。
まずは隣のクラスのCクラス。
開いているドアからさりげなく見てみるが、Cクラスの生徒は男女問わず、大なり小なり怪我をしている。
顔面あざだらけの生徒ばかり。
手足が折れているのであろう、ギブスをしている生徒も10人ほど確認できた。
顔に恐怖の色を滲ませて、物音一つ立てずに席に座っている生徒が殆どだ。
更に教室の前方、教卓の周りに厳つい男女達が集まっている。
その中でも教卓の上に行儀悪く座っている男、若い頃の武○鉄矢にそっくりな男が、クラスに鋭いにらみを効かせている。
恐らくヤツが中心になって恐怖政治を敷いているのだろう。
俺はヤツを1年C組ヤンキー金八先生と名付けることにした。
触らぬ神に祟りなしと、俺はCクラスから離れ、次はBクラスを見に行った。
「流石委員長!」「一之瀬さん、流石です!」「もはや帆波たんしか勝たん」
Bクラスでは生徒達が『委員長』と描かれた腕章を付けた女生徒を褒めそやしていた。
部屋のあちこちには彼女が写されたポスターが貼られている。
中には鼻息を荒くしながら、その女生徒の脚にしがみついて頬ずりしているショートカットの少女もいる。
「俺、ポイントまだ5万あるから帆波たんの好きに使ってくれ」「俺も!」「私なんてまだ10万残ってるわ」
「みんなありがとう!集まったポイントはクラスのために大事に使うね」
「そんな、俺たちの事なんて気にしないで好きな物を買ってくれ」「一之瀬さんはなんて謙虚なの。まさに聖女ね」
・・・・・・・・・うむ。なんか新興宗教の始まりを垣間見た気がする。
Cクラスよりこっちの神の方がよっぽど触りたくないぞ。
これは要注意だ。ぱっと見はCクラスより真面そうに見えるだけ闇が深い。
Cクラスは金八先生さえ倒せば容易に瓦解しそうだが、Bクラスはもしあの一之瀬という少女に何かあれば、信者全員が死兵となって戦うだろう。
そうなったら最後、普段真面目なヤツほど加減を知らない物だ。最悪死人が出ることを覚悟しないといけない。
Dクラスは『動物園』、Cクラスは『ヤクザ事務所』、Bクラスは『新興宗教』。普通のクラスは無いものか。
あかねによるとAクラスは初日から既に派閥争いをしている『政治団体』だそうなので、それぞれ特色あってもう素敵だね。
あれか、コンセプトカフェみたいなものか?
このクラス編成を考えたヤツは本当に頭がおかしいのではないか、ボブは訝しんだ。
2000万ポイントでクラス移動が出来るらしいので早々にポイントを貯めてDクラス離脱も考えたのだが・・・。
一体どのクラスに移動するのが正解なのだろうか。
どこも地雷の匂いがプンプンするぞ。
一見Aクラスが安泰そうなのだが、派閥争いでそれぞれの足の引っ張り合いや裏切りなどでクラスが空中分解したあげく、一気に陥落などということも考えられる。
やはり、ポイントを溜め込んで卒業間近のギリギリまで様子見を決め込むのが正解なのだろうか。
それまでに俺の精神が耐えられることを祈ろう。
その後、授業が始まったが、あまりの騒々しさで教師の声が全く聞こえず、俺の精神がガリガリと音を立てて削れていくのを自覚するのだった。
昨晩は寝ぼけた深夜テンションで書いてしまい、朝方目覚めてから何だこりゃってなりました。
後悔先に立たず。
寝る前の創作は控えることをオススメします。
モチベ維持の為にも感想、評価お待ちしております。