アクア「MEMちょのために高校を紹介したら彼女も着いてきた件」   作:ムテキング

16 / 58
南雲からの命令

夕食の材料を購入して寮へと帰宅。

無料食品は1人当たりの貰える量が決まっているから、人数が多いと色々と貰えてお得だな。

食費を削るために無料食材を持ち寄って自炊することにしたので、一度俺の部屋へ全員で向かった。

 

 

帰宅すると既に鍵が開いていて、中に入るとあかねと外村、そして見知らぬ女生徒の3人が居た。

そういえば昨晩にあかねに合鍵を作られていたんだっけ。

俺は幸村達をあかねに紹介した。

 

 

また可愛い女の子が増えている、とあかねがボソッと言ったが聞こえているぞ。

あいにく俺は難聴系主人公じゃないからな。

 

 

「1年Aクラス、神室真澄」

 

 

見知らぬ女生徒はAクラスらしい。

ぶっきらぼうにクラスと名前だけを告げてきた。

 

 

「コンビニで面白い事をしていたのでお友達になりました」

 

 

あかねは楽しげに言ったが、神室は苦虫を噛みつぶしたような顔をして、全身で「不愉快です」と主張しているので、真面なお友達じゃないだろう。

きっと『お友達』と書いて『下僕』とか読む類いか。

きっと万引きの現場辺りを見られたのだろう。

 

 

それにしても流石に9人も居ると座ることすらできないな。

外村や幸村とか、ベランダに追いやられている。

今後の事を考えると早めに部活を設立して部室なりを手に入れた方が良いだろう。

黒川と明日にでも申請に行くことにした。

 

 

今日のところは幸村の部屋が近いそうなので、食事については二手に分かれてすました。

そして食後に再度集まり、寮の管理人から1階にある大部屋を時間貸ししてもらい、今日はそこで話し合いを行うことにした。

 

 

「そっちのことはメールである程度聞いているから、私の方から報告するね」

 

 

そういって、あかねは手提げ鞄から束になったカードを取り出して渡してきた。

 

 

「はい、これ1年生全員の部屋のカードキーね」

 

「いきなりとんでもない物が出てきたな」

 

「160人分でたったの8万ポイントだからね。安い買い物でしょ」

 

「いや、値段の問題じゃないだが・・・」

 

 

倫理的にかなりアウトだろう。

ほら見ろ、幸村達の表情を。理解が追いつかないようで呆けているぞ。櫛田なんて完全に仮面外れて般若の形相だ。

 

 

「まだ知らないだろうから一応言っておくが、管理人に頼めば500ポイントで誰の部屋の鍵でも合鍵を作ってくれるぞ。だから追加の鍵を買って付けておくことをオススメする」

 

「だ、だからって、女子部屋のを勝手にって! 何考えてんだよ、このクソ変態が!」

 

「落ち着け櫛田。口調変わってんぞ」

 

「これから蹴落としあいが始まるから、あると便利でしょ。定期テストの前の晩に忍び込んで、寝てるところに手錠でもかければ簡単に退学に出来るでしょ」

 

「いやいや、怖いから。確かにそれも考えたが、実際にそれをやったとしてもカード購入履歴から簡単に足がついてしまうが」

 

「大丈夫だよ。これを買ったのは2年の先輩だし。購入を命令したのも別の人になってるから」

 

 

2年の先輩というのはもしかしたら昨日のコンビニで騒いでいた先輩のことだろうか。

 

 

「外村君に調べて貰ったら直ぐに2年Bクラスの生徒だって分かってね」

 

 

Bクラスというと割と上位の生徒のはずだが?

あの荒れようからCクラス辺りだと思っていたが。

 

 

「調べたところ、今の2年BクラスってAクラスから降格してたようで、2年生自体が今ではAクラスの生徒会副会長の南雲先輩に完全に支配されているんだよね」

 

「あの3人は元々Aクラスでも評価が低めの生徒で、Bクラス落ちした後、一気に不良落ちしたようござる」

 

 

外村がノートパソコンに生徒情報を表示させてくれる。

Aクラスは基本的に優秀な生徒が集められているが、バランスを取るため数人ほど比較的能力低めの生徒を入れていて、あの3人はそれにあたるようだ。

 

 

「元々プライドが高かったようで、だから下位のクラスを貶すことで自尊心を満たしているようござる」

 

「そこで、昨日の証拠を生徒会副会長のアカウントになりすまして送信したんだ。それで退学になりたくなければ失態を取り戻すために指示に従えって言って、先ずはあのカードを購入させた後に寮の近くの監視カメラがない場所のゴミ箱に捨てさせたの」

 

「2年生には『南雲からの命令』っていうのはかなり重要なようでござる。メールアドレスを偽装するなんて簡単なのに疑うことすらしないのでござるから。もはや完全に奴隷化されてて考える知能すらなくしたみたいでござる」

 

「魔法の言葉だよね」

 

「・・・・・・・・・あまりやり過ぎるなよ」

 

 

どうやらこの2人は組ませてはいけなかったみたいだな。

相乗効果が酷すぎる。

 

 

「あの・・・ちょっと相談なんだけど・・・いいかな?」

 

 

そこで何やら考え込んでいた櫛田がおずおずと聞いてくる。

 

 

「定期テストの前に、そのカード、1枚借りられないかな?」

 

「誰か退学させたいヤツでもいるのか? 山内も可哀想だな。5月でリタイアか」

 

「違うよっ! 確かに山内君もちょっと消えてほしいけど」

 

「まぁ貸すかどうかはともかく、本当にやるとしたら身バレしないように全身黒タイツとかで変装しろよ。監視カメラに映るからな」

 

「廊下の?」

 

「廊下だけじゃなく、部屋の中にも隠しカメラと隠しマイクがあるから注意した方が良い」

 

「トイレとお風呂にもしっかり隠されてるから見られたくないなら気をつけてね」

 

 

それでまた一騒動があった。

今夜もまたカメラとマイクのお掃除だな。

 

 

ちなみにカードは俺が持っていると女子からの視線が痛いので引き続きあかねに保管して貰うことにした。

現状では使う気はあまりないが、場合によっては本当に来月の中間試験で一気に間引いても良いかもしれない。

手錠は目立つので、拘束用に結束バンドを後で買っておこう。




モチベ維持の為にも感想、評価お待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。