アクア「MEMちょのために高校を紹介したら彼女も着いてきた件」 作:ムテキング
3日目の放課後、俺はあかねやMEMちょと佐倉を連れて職員室を訪れていた。
Aクラス担任の真嶋先生を呼び出して貰い、内密な相談が有る旨を告げて、人目のつかない生徒相談室へと案内して貰った。
「それで、黒川。あとDクラスの星野、MEM、佐倉だったか。相談の内容を聞かせてくれ」
Aクラス担任の真嶋智也先生はDクラスの俺たちの名前も把握していた。
これは他の担任も同じかどうかは分からないが、彼からは真面目で堅物そうな印象を感じる。
人物観察に長けたあかねから他の先生より真嶋先生への相談を薦められたので人格的に問題はないだろう。
「実は新しい部活を設立したいと考えています」
「ほう。だが新しく設立するのに妥当な理由と、最低でも5人以上の加入予定者が必要だ。用意は出来ているのか」
「はい。まず設立する部活は『芸能部』になります。そしてこちらがその部への入部予定者の署名になります」
「『芸能部』か。確か黒川と星野は現役の俳優。そしてMEMはアイドル。佐倉はグラビアモデルだったな。だが既に『演劇部』と『写真部』があるが、其方ではダメなのか」
「はい。其方も調べましたが、演劇部はアマチュアで外部への発表も積極的ではなく、また写真部は主に自然物への撮影が主で私たちの趣旨とはあいませんでした」
「では『芸能部』はどのような活動を予定している」
「『芸能部』ではプロとして現場での芸能活動とそのサポートを行う予定です。本日ここに居る4人で芸能活動を行い、他のメンバーでそのマネジメントなどのサポート業務を通じて社会貢献を学ぶのが目的になります」
「プロの現場と言うことは高育外部での活動になるが、外部への接触は禁じられているため認めることは出来ないな」
真嶋先生は高育の規則に抵触するという理由を出してきたが、それに対しては既にこちらで想定済みだ。
「それはおかしいですね。現に他の部活も対外試合や大会への出場は認められています。また、私たちの芸能活動は契約の絡むプロの活動になります。それを一方的に禁止するのでしたら、学校側から契約の破棄若しくは延期に伴う保証が必要になってきます」
俺は各種契約書をファイリングした資料を真嶋先生へと手渡す。
「直近では黒川あかねには映画の主演が決定して6月からクランクインの予定です。撮影は学生と言うことを考慮して毎日ではありませんが、それなりにお休みを頂く必要があります。こちらの契約を破棄する場合、違約金は2億ほど掛かってしまいます。また、他にも秋以降にも何本か内定が決まっていますし、また事務所への利益機会の損失もありますので、其方への補填を考えると、3年分で20億ほどは用意していただきたいです」
金額を聞いて真嶋先生の顔がヒクつく。
「また、俺も色々と継続的な仕事の契約が多々ありますし、MEMちょと佐倉は若さが一番重要視される仕事になります。それの3年間の損失ですのでそれ以上の金額になることは覚悟していただきたい」
「ちょっとまて・・・そんな金額は私では判断できない。そもそも、この学校には外部への接触禁止は入試前から告知していたはずだ。それを知っていて入ったんだろう」
「ええ。ですが面接時にキチンと、部活などで公的な理由での外出は認められることは確認済みです。またそれが学校側の予定で参加が認められない場合はその補填もして頂けることも併せて確認しています」
「いや、それは部活の大会などを想定した物だ」
「ですので面接時に『例えば演劇などで外部での公演があった場合はその場合も認められるか』と確認して、面接で問題ないと判断していただきました。面接では不正を防ぐために録画・録音していましたね。確認して頂いて結構です」
「一体面接担当官は何を考えて・・・上と相談するからしばらく待っていろ」
そう言って真嶋先生は外へと出て行った。
これは星野アクア本人は知らないことだが、星野アクアとMEMちょを担当した面接担当官はカミキが依頼した総理の息が掛かっており、絶対入学させないといけないため、面接時にアクアが入学辞退しないように空手形を切りまくっていた。
アクアはその面接官の話を聞いて、外部での芸能活動が出来る可能性を高めるため、事前に色々契約を行っていた。
勿論、ダメだった際は問題なく契約が破棄できるようにどれも五反田監督や鏑木プロデューサーなど知古の相手との契約だが、書類上では正式な契約に見えるため、これ全てを破棄するなら高育側は100億ほどの補償をする必要があるだろう。
幸い、あかねの映画も偶然ながら鏑木プロデューサーの関係なので問題はない。
1時間ほどして真嶋先生が戻ってきて、例外的だが『芸能部』の設立が認められることになった。
ただし真嶋先生が顧問となること。
動画配信などは真嶋先生が立ち会い、配信内容の事前チェックなどを行うこと。
高育から外出する場合は真嶋先生若しくは都合がつかない場合は他の職員が随伴し、禁則内容を外部へ漏らすことがないように監視することになった。
そして、動画撮影や仕事の契約による守秘義務なども有るため、外部への情報流出を防ぐために防音措置などが施された広めの部屋を部室として与えられることになった。
芸能部部長、黒川あかね。
メンバーとして、芸能部門に星野アクア、MEMちょ、佐倉愛里。
マネジメント部門に神室真澄、幸村輝彦、櫛田桔梗、王美雨、外村秀雄。
顧問に真嶋智也。
こうして高度育成高等学校『芸能部』の活動が始まった。
なお、後日、疲れた顔をした真嶋先生が保健室で胃薬を貰っていたことが生徒に目撃されたが、芸能部との因果関係は証明されていない。
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