アクア「MEMちょのために高校を紹介したら彼女も着いてきた件」 作:ムテキング
アクアとMEMちょは高度育成高等学校に入学した。
今日が入学の日だ。
3年間会えなくなるのでルビーと有馬かなは怒っていたが問題ない。何故か黒川あかねも入学した。
俺とMEMちょはDクラスだ。あかねはAクラスだった。理不尽だ。
「アクアくんと同じクラスになれなかったのは残念だけど、これで3年間一緒に居れるね」
あかねとはビジネスカップルだ。
以前やった仕事、恋愛リアリティショーの『今からガチ恋始めます』で付き合うことになった。
あかねは天才的な考察力とプロファイリングを駆使した憑依型女優であり、俺が復讐を遂げるための大切な駒だ。
この学校でも利用しがいがあるだろう。
「アクアくん、気付いてる?」
「ああ、見られているな。異常な量の監視カメラだ」
防犯目的だとしても過剰すぎる。
それに所々、路地裏などあからさまにカメラが無い場所も見つけられた。
如何にも犯罪などはここでやってくれと言わんばかりの場所だ。
更に武器の隠し場所となりそうなゴミ箱なども置かれている。
見つからないようにこっそり開けてみると拳銃と弾薬ケースが入っている透明なケースがあり、QRコードと共に、『ニューナンブ 20万ppt』『弾薬50発 10万ppt』と書かれた値札が付けられている。
どうやらこれは売り物らしい。
「ニューナンブか。警察の運用が終わって新しい銃にどんどん入れ替わって、警察の小遣い稼ぎにヤクザなどに卸されているって聞いたが、こんな所でも売られているんだな」
「政府直轄の学校だからね」
「事前に色々調べてみたが、やはりかなりきな臭そうな場所だな、ここは」
入学が決まってからあかねの勧めもあって諜報員を使って調べてみたところ、卒業者は希望する進路に進めると言う割には、華々しい進路を決めていたのは卒業生の25%程だ。
他の卒業生は一部、それなりの進路になっていたが、40%程はド底辺も良いところだった。
自衛隊になれた奴はまだ良い方で、底辺の日雇い労働者やヤクザになったり、マグロ漁船に乗せられて消息不明になったやつも毎年10人以上いる。
精神病院通いに至っては卒業者の30%を超えている。
しかも入学者人数と卒業人数を比べると毎年20人前後程差がある。
居なくなっている者の詳細を調べてみると殆どは退学者だが、中には死亡していたり行方不明になった者も居るようだ。
中でどんなことが行われていたのか聞き出そうとしたが、卒業者は頑ななまでに口を開かない。
やっとのことで匿名且つ多額の礼金と引き換えで教えてくれるという卒業者を見つけたが、密会場所に行くと情報提供者の生首と共に『これ以上探るな』というメッセージが残されていたそうだ。
「ルビーと有馬を入学させなくて良かったな。こんな場所にあの二人を連れてくる訳にはいかない」
「アクたん、それって私なら危ない目に遭っても良いって事?」
「MEMちょはどうせ生き恥さらして生きてるんだから、仮に死んだとしても問題ないだろ」
「アクたん酷い!でもそんな所もなんかキュンと来ちゃうからずるい」
「アクアくん、私なら地獄の底にだって一緒について行くよ」
あかねは光のない目で微笑んでくるのが怖いので無視した。
とりあえず、入学前に支給された携帯端末に10万pptが入っていたので、3人のポイントを合わせて拳銃と弾50発を買っておいた。
初日にいきなり「今から皆さんにちょっと殺し合いをしてもらいます」と担任が言い出す可能性もある。
武装はとても大事だ。
俺は買った拳銃をズボンに突っ込んだ。
そして俺らはそれぞれのクラスへと向かった。
俺とMEMちょのDクラスは、一言で言うなら動物園だった。
赤毛猿が大声で怒鳴りながらイケメンを殴り飛ばしているし、茶髪の頭の悪そうな女子グループは大口開けて馬鹿笑いしている。
他にもバカっぽい男子達がエロ本を堂々と教室で広げていたり、唯我独尊っぽい金髪の偉丈夫が机に脚を載せて居たり・・・真面な奴がほぼいねぇ。
ここまで来る途中であかねが入っていったAクラスの中を覗き見たが、優等生っぽい奴らばかりでみんなお行儀良く自席に座り、参考書で勉強していたが、ここはそれとは全くの正反対だ。
「アクたん、これって来る学校間違えたっぽくない?」
「俺もちょっと後悔してる。Aクラスと比較するに、どうやらクラス分けは実力順らしい。MEMちょはともかく、俺の場合はきっと親関連だな」
卒業生の進路から考察する限り、恐らくAクラスのみ希望の進路に行けるとかか。
教室にも数十個の監視カメラが死角なく配置されているのを見る限り、普段の生活態度とかで点数が付けられている可能性が高い。
自分の指定の机を調べてみると内部にマイクが仕込まれている。音声もしっかり調べているらしいな。
支給された電子機器以外は持ち込み不可だったことから考えて、電子的にも監視はされているのだろう。
更に分かりにくくされているが教室と教室の間の壁は150センチ程あるようだ。
壁の中から人の気配が感じられることから、内部に人が隠れているようだ。
微かに火薬の匂いがすることから武装警備員だろう。
有事の際に口封じするということか。
警戒しながらも俺とMEMちょは自席に座る。
俺とMEMちょの前の席には茶髪の不自然なまでに無表情な男と黒髪ロングなすまし顔な女が座っていた。
「俺の名は綾小路清隆だ。書道とピアノをやっていた。こっちの女は「勝手に人の名前を他人に教えないでくれないかしら」・・・だそうだ」
「綾小路君だね。よろしく!」
俺はガチ恋の時の爽やかイケメンモードで対応する。
綾小路は人を何人か殺していそうな冷酷な戦闘マシーンな印象を受けたので、人畜無害を演じているのがこの場合は最適解だろう。
「MEMちょはMEMちょだよ!よろしくね綾小路君!」
「・・・・・・・・・」
名前不明な女はこちらを一瞥もせずに無視している。
どうやら無駄にプライドが高そうなので関わらない方がいいだろう。
そんな自己紹介をしていると、教室に担任の女がやってきた。
「入学おめでとう、諸君。私が担任の茶柱佐枝だ」
俺たちの入学初日が始まった。
氏名 星野アクアマリン
クラス 1年Dクラス
■評価
学力:A
知性:A
判断力:A
身体能力:B
協調性:A
■面接官からのコメント
入学試験は全教科満点で坂柳有栖につぐ歴代2位であり、面接でも爽やかな好印象で論理的に答えていました。本来ならAクラスですが、素行調査の結果、父親が不明な上、母親をストーカーに殺されているのが判明し、遺伝的な観点から人間性に非常に問題があると判断してDクラスとします。担任は犯罪を犯す可能性が非常に高いことを理解した上で厳重に監視してください。
氏名 MEMちょ
クラス 1年Dクラス
■評価
学力:D
知性:C
判断力:B
身体能力:B
協調性:A
■面接官からのコメント
学力は平均よりやや下であるが、アイドルをしていたため身体能力は高く、協調性も高く、面接でも人を惹きつける魅力がある為、本来ならBクラスになりますが、母親が過労で倒れた後に、水商売に従事していたのと、アイドルなどという軽薄な職に就いているため素行に問題があると判断してDクラスとします。
氏名 黒川あかね
クラス 1年Aクラス
■評価
学力:A
知性:A
判断力:A
身体能力:B
協調性:E
■面接官からのコメント
学力が高く、女優として高い知性を感じます。身体能力も平均より高いです。ただし、自己主張が乏しく、コミュニケーションに難がある為、本来ならDクラスですが、女優としての輝かしい経歴を考慮してAクラスとします。
高度育成高等学校についての考察
B小町はMEMちょが卒業するまでは実質活動休止状態ですが、卒業特典で紅白歌合戦に参加できるので問題ありません。
それまでは動画配信などで活動します。
佐倉愛里がブログで発信していたので、ネット上での活動は、秘匿事項を守るならば可能だと判断しています。
黒川あかねも高度育成高等学校の演劇部などがあるでしょうから、ロケを高育内で行うことで、テレビや映画での活動は可能ではないかと考えています。
拳銃などは原作でも上級生の殺人などがほのめかされていたので恐らく流通しているでしょう。
南雲副会長は女生徒をレイプして脅迫していたりしているので、裏で殺しなどの犯罪は普通にやっているでしょう。
もちろん自分の手は汚さずに下っ端のDクラス生徒を利用してでしょうけど。
堀北会長は優秀ですが、流石にここまでの暗部には気付いていないと考えています。
妹よりはマシですが視野狭そうですし。
そもそも運営している人達が真っ黒ですからね。
流石高度犯罪者育成高等学校と揶揄されるだけはありますね。