アクア「MEMちょのために高校を紹介したら彼女も着いてきた件」 作:ムテキング
前話を見てからお楽しみください。
前回の最終点数に色々疑問がある方もいるかもしれませんが、先ずは初投稿です。
海は広いな大きいな。
そんな歌があったな。幼稚園のお遊戯会で歌わされて羞恥のあまり死にたくなった記憶がある。
俺たちDクラスは試験開始初日にしてホモ部と高円寺を残してリタイアした。
正直、頑張っても2万ぽっちの稼ぎでクラス全員を危険にさらすわけにはいかない。
特にこっちには顔が命の芸能人が多数いるんだ。
あいつら、佐倉のストーカー事件から何も学習してないのか?
芸能界を舐めているんじゃないだろうか。
いっそ燃やすか、深掘れするか?
思わずイラッと来て目に黒星が宿りそうになるが、頭を振って邪念を取り除く。
無人島試験の日程は1週間。事前通達のあった船旅旅行が2週間。
この学校が残り1週間も何もせずに遊ばせてくれるとは思えないから、後半にも何かしら試験がありそうだ。
前半が肉体能力重視だとすると、後半は知能重視の可能性が高いな。
だが、少なくとも無人島試験が終わるまでは遊んでいられる。
ここで少しはストレス解消でもしておくべきだろう。
クラスの皆も池のサバイバル講座で、自然の驚異やサバイバルの大変さを理解していたのでリタイアにはすんなり賛成してくれた。
リタイアでクラスポイントの減少がない、もしくは100ポイントぐらいまでならリタイアをみんなと検討していたんだ。
もしこの島が普通の島だったとしても、俺はみんなをリタイアさせていただろう。
まだクラスがキャンプ技術に円熟していない状態でのキャンプをさせても色々ミスなどが出てくる。
そしてサバイバル講座では池が女子から4月の頃のイメージを払拭して、少し距離を縮めたとは言え、まだ男女間でそこまで結束ができているわけではない。
そんな中でキャンプなど、男女間でトラブルが発生する可能性が高すぎる。バルカン半島並の火薬庫だ。
なので、そうならぬように全員をリタイアさせ、俺だけ残りリーダー当てで稼いでいただろうな。
だがこんな島なら俺でも怪我の恐れが高い。なので今回は諦めるのが一番だ。
敵を知り己を知れば百戦危うからずってな。
目線をプールに向ければ、芸能部と松下が連れてきた女子達、そして池と須藤が楽しそうに遊んでいるのが見える。
MEMちょは・・・若さというパワーについていけずにプールサイドで疲労困憊のようだ。
すぐシミになるんだから日焼け対策はしっかりしろよ。
それにしても昭和のアイドルなんだからおっぱいポロリぐらいできないのか? バラエティ精神が足りない。
池も思春期である中学時代の殆どを冒険に費やされた結果、日本人との適切な距離の取り方やコミュニケーション能力が欠如していたんだろうな。
南国では性にオープンな所もあったので、日本での女性への接し方などに戸惑っていた。
だから入学直後に友人になった山内に追随する形でエロトークなどをしてしまい、高校デビューで盛大に躓いたってわけだ。
だが今は適切な接し方を学び、女子達とも上手くやっているようで安心だな。
「ほら、星野君もそんなところでセレブぶってないで遊びましょうよ」
俺がプールサイドのチェアに寝転びながらカクテルジュースを優雅に飲みながら思考していると櫛田が誘いにきた。
まあ、折角のバカンス(笑)だ。たまには童心に返るのもいいだろうな。
俺はジョーズの浮き輪を抱えて、櫛田と一緒にプールに飛び込んだ。
Bクラスは危険な山になど近寄らず、スタート地点からさほど離れていない川辺でキャンプをしていた。
もっと上流に洞窟や井戸なども見つけたが、夜間などに寝ぼけて坂から転落する恐れがあったからだ。
Bクラスは持ち前の仲の良さで、困難や苦難を皆と乗り越えた想い出に塗り替えていってこの試験を楽しいキャンプとして過ごしていた。
ハンモックを吊るしたり、魚釣りを楽しいんだり、または浜辺まで出て海水浴もやった。
勿論キャンプをするにあたっての作業などもあったが、それだけだと息が詰まりストレスが溜まる。
そうなればミスなどトラブルが発生すると考え、毎日レクリエーションを企画して鬱憤を発散させていたのだ。
まだ纏まりきっていない他のクラスではこれほどまでに楽しむことは無理だっただろう。
この結束こそがBクラスの強さと言えた。
一之瀬帆波を教祖に供えた宗教組織。
この試験は、それほどまでのカリスマ性を誇る一之瀬の独壇場だった。
なので純粋な試験ポイントで1位を取れたのは当然のことであろう。
このクラスを人知れず外部から観察するだけで誰がリーダーかを見抜いた綾小路清隆という存在が規格外だっただけだ。
「あー、キャンプ楽しかったぁ」
「もう一週間ぐらいいてもよかったよな」
「リーダー当てられちゃったけど、1位だし、なんかわかんないけどAクラスになっちゃったし、本当に最高の夏休みだね」
船に戻る彼ら彼女らの顔はみんな笑顔で満ちていた。
俺は自由だ。自由だ。これが俺が望んだ自由なんだ。最高だーーーーー!!
森の中、ターザンの如く木から木へと飛び移りながら、この島を、空を、海を、空気を、そして自由を楽しんでいる。
ああ、これが“楽しい”っていう感情か。
二日目早々に馬鹿北、いや堀北の奴が転落死(死んでいない)してから、俺はホモを山内に押しつけて単独行動をしている。
一応堀北に後から弁明するためリーダー当てぐらいはしてやろう。
だからそれ以外は俺の自由にしても良いだろう。
やっとあの馬鹿達から解放されたんだ。俺は自由なんだ。もう何も恐くない。おっといけない。この台詞は死亡フラグだったな。マミられるのだけはごめんだ。
もう一生この島で暮らすのも悪くないが、そうも言っていられない。
今は残された少ない日々を全力で楽しむことだけに費やそう。
俺はいま自由なんだからな。
綾小路清隆はこの島を全身で楽しんだ。
試験を純粋に楽しんでいる方達、いわば表側の話です。
次回は試験の裏側。真相編になります。
モチベ維持の為にも感想、評価お待ちしております。