アクア「MEMちょのために高校を紹介したら彼女も着いてきた件」 作:ムテキング
お約束だからしょうがないねの精神で初投稿です。
無人島試験が終わり数日後、船内を楽しんでいた生徒達にメールが届き、それの確認を促すアナウンスが流れた。
届いたメールには、新たな特別試験が開始される旨と、指定された部屋と時間に集合する指示が書かれていた。
「20時40分か・・・」
「こっちは19時だったよ、アクたん」
なんかMEMちょの声、数ヶ月ぶりに聞いた気がするな。単なる気のせいだが。
一緒に居た他の生徒にも聞いてみたが、同じ時間は幸村とだけだった。
どうやら何名かに分かれて行う試験のようだな。
俺は高円寺も参加しているDクラス合同チャット(ただしホモ部抜き)に、説明会には誰か一人が端末で録音しておき、何かしら資料があれば撮影するように指示を出す。
高円寺は気が向いたらと言っていたが、ちゃんと礼儀わきまえて対応すればそれなりに返してくれるし、問題ないだろう。芸能界には高円寺みたいな奴は至る所にいるから付き合い方はわきまえている。ようは和○ア○子などの大御所と相対するようにすればいいのだ。
そして、戻ってきたクラスメイトから録音を聞かせて貰った。
・今回の試験は『シンキング』能力を問う時化である
・1年生を干支になぞらえた12のチームに分けてグループで試験を行う
・グループには各クラスが含まれていて、各クラスとも3~4人ほどが参加する
・AクラスからDクラスの関係性を無視するのが大前提で試験クリアの近道である
ここまでが最初に口頭で説明されたことだ。
ここからは各グループに紙で見せられた資料で、各グループの名簿と共に写真に残されていた。
名簿と違い、このルール用紙は使い回しのようで、後のグループになるほど紙がよれて傷んでいた。
『夏季グループ別特別試験説明』
本試験では各グループに割り当てられた『優待者』を機転とした課題となる。定められた方法で学校に解答することで、4つの結果のうち1つを必ず得ることになる。
・試験開始当日午前8時に一斉にメールが届き、その中で『優待者』に選ばれた者にその事を通知する
・試験の日程は明日から4日後の午後9時まで(1日の完全自由日を挟む)
・1日に2度、グループだけで所定の時間と部屋に集まり1時間の話し合いを行う
・話し合いの内容はグループの自主性に全てを委ねること
・試験の解答は試験終了後、午後9時30分~午後10時までの間のみ優待者が誰であったかの答えを受け付ける。なお、解答は1人1回までとする
・解答は自分の携帯番号を使って所定のアドレスに送信することでのみ受け付ける
・『優待者』にはメールにて答えを送る権利がない
・自身が配属された干支グループ以外への解答は全て無効とする
・試験結果の詳細は最終日の午後11時に全生徒にメールにて伝える
ここまでが基本的なルールである。
そして、これから先にその4つの定められた『結果』が記載されている。
・結果1:グループ内で優待者及び優待者の所属するクラスメイトを除く全員の解答が正解していた場合、グループ全員にプライベートポイントを支給する。(優待者の所属するクラスメイトもそれぞれ同額のポイントを得る)
支給額は50万プライベートポイントで、優待者はその倍の100万プライベートポイントが支給されるとのことだ。
・結果2:優待者及び所属するクラスメイトを除く全員の答えで、一人でも未回答や不正解があった場合、優待者には50万プライベートポイントを支給する。
これだけのルールなら、『優待者』は美味しいだけのポジションであろう。
だが結果はまだ後2つある。
資料の裏側に、残り2つの結果について説明が記載されていた。
以下の2つの結果に関してのみ、試験中24時間いつでも解答を受け付けるものとする。また試験終了後30分間も同じく解答を受け付けるが、どちらの時間帯でも間違えばペナルティが発生する。
・結果3:優待者以外の者が、試験終了を待たずに答えを学校に告げ正解していた場合。答えた生徒の所属クラスはクラスポイントを50ポイント得ると同時に、正解者にプライベートポイントを50万ポイント支給する。また優待者を見抜かれたクラスは逆にマイナス50クラスポイントのペナルティっを受ける。及びこの時点でグループの試験は終了となる。なお優待者と同じクラスメイトが正解した場合、答えを無効とし試験は続行する
・結果4:優待者以外の者が、試験終了を待たずに答えを学校に告げ不正解だった場合。答えを間違えた生徒が所属するクラスはクラスポイントを50ポイント失うペナルティを受け、優待者はプライベートポイントを50万ポイント得ると同時に優待者の所属クラスはクラスポイントを50ポイント得る。答えを間違えた時点でグループの試験は終了となる。なお優待者と同じクラスメイトが不正解した場合、答えを無効とし受け付けない。
これは一種の人狼ゲームだな。だとすると・・・不味いな。Aクラスに勝つビジョンが見えてこない。
恐らくあかねが所属するグループは最初の話し合いで終了だろう。
これはあいつの得意分野だ。
そういえば、何があったのかは知らんが、Aクラス内の派閥の一角である葛城と、その側近である戸塚が退学になったらしい。
デッキでの出来事についてDクラスからあの二人に訴えを起こしていたが、流石にあれだけで退学にまではなるまい。
更にもう片方の派閥の坂柳は試験に参加もしてないのに失脚したそうだ。
そして今は中立派であったあかねがAクラスを纏めている。
あかねが何を考えているのかは分からないが、ここはあかねの足場を固めるために今回の試験はAクラスに譲った方がいいだろうか?
ああ、そういえばもうAクラスじゃなくてDクラスだったか。そして他クラスは全部上にスライドしてしまっているな。
分かりにくいから、今度からブラッククラスとでも呼ぶか。名前と言い色々黒いからぴったりだ。いや、やめておこう。後が恐い。黒川クラスでいいな。
他は教祖クラスと金八クラスで良いか。
また、説明の紙の最後の方に、この部分だけ手書きで追加項目があった。
・試験中は各グループに自衛隊員を一名武装状態で配備する。これは有事の際の安全確保の為なので気にしないように
・試験中は医者と看護師を待機させている。些細な体調の不良や怪我であっても試験中に申告すれば一時中断して治療を受けることができる
・申告がなくても、いじめや暴力事件の発生などの理由で必要だと判断された場合は武力鎮圧及び救助を優先する。高度育成高等学校は生徒の安全に最大限の配慮を欠かさないことをここに誓う
ヤケクソ気味に書かれているが、恐らく生徒会長の事が影響しているのだろう。
愛すべき妹の名無しの権兵衛が死にかけで運び込まれたんだからな。怒髪天を衝くとはあの様なことを言うのだろう。自身でヘリを操縦して乗り込んできた生徒会長の怒りはすさまじく、止めようとする自衛隊員をちぎっては投げちぎっては投げし、名無しの権兵衛の元へ駆けつけてから看病し続けている。
しかしヘリの操縦免許まで持っているなんて、生徒会長って凄いんだな。そういえば免許取得できる年齢って・・・ああ、自家用なら一応17歳から可能なのか。
生徒会長は安全対策が徹底していなかったことに大変お怒りで、その問題は坂柳理事長にまで及んで絶賛大炎上中だそうだ。
それで直前になってこんなことが追加されたのだろうな。
おっと、そろそろ俺たちの集合時間だな。
一旦思考を中断し、幸村を連れて指定された部屋へと向かうか。
指定された部屋の通路付近には各クラスの生徒達が集まっている。どうやら偵察などだろう。
そんな事しなくても名簿を写真に撮っておけばいいだろうに。
部屋に入ると、中には俺たちの愛すべき顧問である真嶋先生がいた。
彼はもう可哀想になるぐらいにげっそりしている。
一体彼の身に何が起きたのか、俺たちになにかできることがあったら言ってくださいよ、と声をかけるが、余計なことをしなければそれでいいと言われてしまった。解せぬ。
そして部屋の中には真嶋先生以外には俺と幸村の二人だけ。
席は余っているが、他の生徒はまだ来ていない。
連絡が来ていない人から察するにホモ部の誰かだろう。
綾小路は既に他のグループに入っていたようなので、山内かホモかそれとも・・・。
そんな中、ノックがし、真嶋先生が許可を出すとドアが開き、スモークが部屋に流れ込んでくる。
それをかき分けるかのように、ライトアップされた一人の生徒が姿を見せる。
「な、なんだ!?」
狼狽えたように幸村が声を出す。
そういう俺も思わず目を見開いて魅入ってしまった。
そこには薄く化粧を施して妖艶さを増した美顔に毅然とした表情を浮かべ、威風堂々とした振る舞いで入ってくる一人の生徒。
凛とした佇まいで制服を纏い、その姿は洗練された美しさを醸し出している。
「もう大丈夫! 何故って!? 私が来た!」
最後の一人、堀北が来た。
【悲報】堀北さん発狂【打ち所が悪かったか?】
ちなみにスモークを炊きライトを照らしていたのは特別試験を終わらせて駆けつけた謎のお団子頭の女性です。
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