アクア「MEMちょのために高校を紹介したら彼女も着いてきた件」 作:ムテキング
茶柱先生は説明を終えるとクールに去って行った。
教室は相も変わらず騒々しくまとまりがない。
そこに爽やかそうなイケメンが教卓の上に立ち、みんなに自己紹介をしないかと提案してきた。
軽薄そうなギャル達は黄色い悲鳴をあげながら同意した。
面倒だが、ここで逆らって関係を悪くするより、溶け込んだ方が利用しやすいだろう。
爽やかイケメンは平田というそうだ。サッカー部に入るらしい。虫も殺さないような爽やかな顔でみんな仲良くなどと言っているが、奴の拳に特徴的な拳ダコが見える。腕の動かし方や人との間合いや立ち位置の調整など無意識に相手を殴りやすい場所を確保している。Dクラスに配属されていることから考えて、中学では相当荒れていたようだな。
その次に櫛田桔梗という可愛い系の胸の大きな女が出てきた。こいつも平田と同様な考えを述べているが、平田以上にクセぇ。泥水以下の汚物並みにクセぇ。嘘つきの匂いがプンプンするぜ。一般人相手ならともかく、役者相手にその強化外骨格は通用しないぞ。だが、メンタル弱そうな平田と違い、こっちは筋金入りだな。コミュニケーション能力などを考えて手駒にすると一等に使えそうだ。少なくとも俺の前の席に居る女・・・さっきから綾小路の頭に何本もコンパスを突き立てて奇怪なオブジェを作ろうとしている名無しの権兵衛よりは相当優秀だ。あと、綾小路は恐らくゾルティック家の長男じゃないから、そんなにコンパス何本も突き立てても変身はしないと思うぞ。流石にもうやめてやれ。
他にも池とかいうエロ小僧や山内なる虚言癖、チャイニーズの女の子や忍者の里からやってきたと思われるゴザル語を話す自称博士など、Dクラスのラインナップは多種多様だ。
和気藹々した自己紹介を見世物小屋のような気分で聞いていると、赤毛猿が「自己紹介なんて馬鹿馬鹿しいぜ」と激昂し、机を蹴り飛ばした。そして教室を出て行こうと扉へ向かう彼を平田が止めようとするが、力任せに殴られて、扉をぶち破りながら廊下へと吹っ飛んでいく。どうやら見た目通りのヤンキーらしい。廊下でうずくまる平田に更にサッカーボールキックを入れてどことなく消えていく。周りが唖然としていると、黒髪ロングの名無しの権兵衛も、コンパスによる前衛芸術製作に飽きたようでそそくさと教室を出て行った。
正直、俺も一緒に消えたい気分だったが、今後の為、こいつらを利用するにはクラスの中心メンバーへと近づいておく必要がある。なので俺は倒れて痙攣している平田に駆けより、優しい言葉をかけながら介抱する。その際も他の人達に俺のイケメンフェイスが映える角度を維持する。ここら辺は俳優として生きてきた経験が活きるな。
俺の思惑通り、女子から好意的な視線と熱っぽい吐息を感じる。一部、「アク平キターー-」と鼻血を吹きながら息を荒げながらやたら高そうなカメラを連写しているメガネ女子も居るので気をつけないといけないが。おい、平田、なにうっとりしながら俺を見つめている。やめろ、俺の腰に手を回すんじゃない。尻の穴がキュッと来るだろうが。
どうやら平田はガチなホモだったようだ。
入学初日にして俺の後ろの貞操が危うくなるなんて、薄い本も厚くなる急展開だ。勘弁してくれ。