アクア「MEMちょのために高校を紹介したら彼女も着いてきた件」   作:ムテキング

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MEMちょさんは18歳?

 

 

平田のガチホモ疑惑が発覚してアクアは内心ヒヤヒヤしていたが、彼の怪我も浅く(彼の端正な鼻が曲がってしまっていたので赤毛猿は女子達のヘイトを大きく買っていたが)自己紹介はなんとか再開された。

 

 

そしてアクアと平田のBL展開に興奮していたメガネ女子の番が回ってきた。

 

(あわわ、さっきアクアくんと平田君の写真を撮るのに夢中になって逃げそびれたよ。どうしよう。こんなに大勢の前で自己紹介なんて無理だよう)

 

メガネ女子はずり落ちそうになるメガネを何度も直しながらワタワタと席の上に立つ。

 

「あ・・・あの・・・ワタッ! わたしは・・・」

 

緊張して小声になったり、いきなり大声なったりで周りで聞いている生徒は苦笑いを浮かべる。

 

そんななか、空気を読めない山内が「おーい聞こえないぞーメガネブス」と揶揄いの声を上げて、それを流石に言葉が過ぎると池が止めたりしている。

 

ただ、アクアはそんな彼女をどこかで見たことがあると感じていた。

 

「(ど、どうしよう。もう耐えられない。た、助けてアクアくん)」

 

メガネ女子はアクアの方を泣きそうな顔で見る。その表情でアクアは彼女が誰なのかを思い出した。

 

 

あいつ、雫じゃないか。いや、たしか本名は佐倉・・・愛里だったか。

 

 

アクアがモデルの仕事で鷲見ゆきに紹介された彼女の後輩の売り出し中のモデルだった。気弱でおどおどしてるから悪い男に騙されないように、と鷲見に頼まれてペアでよく仕事していた。そのせいで一時期アクアはルビーや有馬にロリコンと罵倒されていた。

 

 

俺からすれば有馬も佐倉も十分誤差の範囲で子どもにしか思えないんだがな。やっぱり30ぐらいの脂の乗った女が一番だ。ミヤコさんが義理の母じゃなければ最高だったのに。待てよ。義理ならワンチャン? いかん、ミヤコさんに手を出したらルビーに殺されてしまう。それに今は佐倉の件だな。もう見ていて可哀想になるぐらい怯えてしまっている。山内が「今どんな気分? ねぇどんな気分?」と煽りながら佐倉の周りをタップダンスして回っている。あっ高円寺(唯我独尊金髪男)に蹴られて廊下に吹っ飛んでいった。

 

 

しょうがない。俺がちょっと手助けしてやるか。

 

 

「みんな。ちょっといいかな?」

 

 

髪をかきあげながらにこやかに佐倉の隣へと行く。

さりげなく柑橘系の香水を仕込んで爽やかイケメンモード発動だ。

 

 

「急にごめんね。僕はアクアです。みんなよろしくね」

 

「え。誰? 本当にアクアくん? なんか怖い」

 

 

佐倉がドン引きした。いやお前が助け求めたんだろうが。

 

 

「ははっアクアだよ。久しぶりだね、佐倉」

 

「あ・・・うん。久しぶり、アクアくん。なんかキャラ変わった? 頭でも打ったのかな。心配だよ」

 

「えっと、アクア君、でいいのかな? さっきはありがとう。それでアクア君は彼女と知り合いなのかな」

 

「うん、ちょっと中学の時のね。まさか彼女もここを受けてたなんて知らなかったな。びっくりしたよ。それで、彼女は佐倉愛理。ちょっと人見知りぎみだけど、優しくて良い子だから仲良くしてやってくれると嬉しいな」

 

 

アクア君がそう言うなら、佐倉さん一緒にお昼とか食べよう、もちろんアクア君と一緒の方が安心するだろうからぁアクア君と3人で。ちょっとあんた抜け駆けは狡いよ、わたしもー。

 

 

早速下心ありありな声がかかる。チョロいな。だが、一部男子のヘイトも買ってしまうので気をつければ。

 

 

「順番変わっちゃうけど、このまま僕も自己紹介するね。星野アクアです。あんまり有名じゃないかもだけどモデルや俳優をちょっとだけやってます。改めてよろしくね」

 

「あー! ガチ恋のアクアだ!」

 

 

高校デビューっぽい茶髪の子、確かさっきの自己紹介で軽井沢恵とか言ってたかな。彼女が俺を指さして立ち上がって叫ぶ。

その言葉にみんなも気付いたようだ。佐倉の事などもはや完全に忘れてしまったかのように俺の話題で盛り上がる。

 

 

「ガチ恋全話見たよ! 東ブレの舞台も見に行った! 凄い、本当にアクアだぁ。あれ? なんでそのアクアが高育に? ガチ恋2年ぐらい前だよね」

 

「うん、舞台とか仕事が忙しくてね。結局高校はあまり行けなかったから、仕事が落ち着いたのと、同じ事務所の子も高校に入りなおすっていうから一緒に受けたんだよ。合格できて良かったよ。僕だけ落ちちゃったら恥ずかしいし」

 

「同じ事務所の子?」

 

「うん、彼女だよ、MEMちょ」

 

 

俺はそう言ってMEMちょを紹介する。

 

 

「えっと、アクアと一緒に入学しましたぁ。B小町のMEMちょです」

 

「うおおおお! アイドルだああああ」

 

 

今度は男子連中が騒ぎ出す。さっきまで面白くないって顔してたのに現金だな。

 

 

「MEMちょも芸能活動が忙しくてね。高校をやり直しに来たんだよ」

 

「え、ちょっと待って。確かMEMちょってガチ恋の時に自称高3だったよね。あとMEMちょのチャンネル、自称高校生のMEMちょに転生した今のチャンネルより前の炎上して閉鎖したチャンネルの方も私、開設時から見てるんだけど・・・」

 

 

その言葉にMEMちょの肩がビクッと跳ね上がり、脂汗をだらだらと流し出した。

 

 

「まだ垢抜けないMEMちょの最初のチャンネルの時、私、幼稚園だったんだけど・・・そんときに確かとうとうアラサーになったからってヤケ酒飲んで荒れて炎上して「ギャアアアアアアアアアアアアア」」

 

 

軽井沢の話を遮るようにMEMちょが叫ぶ。おい、今の話なんなんだ。お前今年で28のはずだろう。軽井沢が幼稚園って事は12から13年前で、そんとき25って計算が合わなく無いか?

 

 

「な、なんのことかなー、MEMちょはぁ、まだ18「いや、計算してみたんだけど、今年でさんじゅうは」それ以上言ったら流血沙汰なんだよ!!!」

 

 

マジかよMEMちょ。確かにB小町の契約は個人事業主としてだから、保険や年金関係はこっちではやってなかったけど、卒業したらしっかり身分証を提出させるしかないな。

それはともかくこれ以上収集がつかなくなる前に止めないとな。めんどうくせぇ。

 

 

「軽井沢さん。悪いけど、一応MEMちょは18歳ってことだから。ごめんね。本当にこれ以上この話続けるとうちの法務部が出てきちゃうことなっちゃうし」

 

「・・・・・・・・・まぁ、そういう設定って事で」

 

「みんなも良いかな? MEMちょは18歳。 リピートアフタミー、MEMちょさんは18歳」

 

「「「MEMちょさんは18歳」」」

 

「MEMちょさん18歳」

 

「「「MEMちょさん18歳」」」

 

「最後にもう一度、MEMちょ、さんじゅうはっさい」

 

「「「MEMちょ38歳」」」

 

「Excellent!」

 

 

これで全ての問題は解決した。

視界の隅でMEMちょが胸を押さえて倒れているが気にしたら負けだ。

そして、佐倉の事はみんなの記憶から既に消え去っているのだった。

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