アクア「MEMちょのために高校を紹介したら彼女も着いてきた件」   作:ムテキング

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ペーパーシャッフルテスト後の龍園クラスの状況を知らせる初投稿です。


徐々に奇妙な冒険 龍園翔は砕けない

「クソがぁ!」

 

 

夕日が差す放課後の教室、怒声共に机が倒れる音が響く。

ペーパーシャッフルテストが終わり、龍園翔は荒れていた。

またもや堀北鈴音に一杯食わされてしまった為である。

 

 

「あのふざけた英語テスト、やってくれやがったぜ。おい、ひより。お前が忠告してくれなかったら危うく俺ら纏めて退学していたかも知れねぇ。よくやった」

 

「いえ、あのテスト内容が少し不可解だったので。全教科にフランシス・ベーコンを関連付けた問題を作成する執念など、手が込んでいて偽物と思わせるにしてはコストがかかりすぎるため、本物に見えても可笑しくありませんが・・・それにしてもあまりにも偏執的なテスト内容でしたからね。万が一を指摘しただけです。これを作った人はフランシス・ベーコンの子孫か何かでしょうか?」

 

 

内心をおくびにも出さず、椎名ひよりは事前に用意していたそれらしい言い訳を龍園に告げ、堀北鈴音が作ったフランシス・ベーコンに染まったテスト問題を眺める。

現代文はフランシス・ベーコンの著書に関する問題ばかり。古文なんて、その著書を古文に逆翻訳してまで作成してある。

英語や歴史もそうだが、数学までフランシス・ベーコンに関連付けるなど狂気の沙汰である。

これを作成した生徒は一体何でそこまでフランシス・ベーコンに拘るのか。

ひよりはこれを作成したのは十中八九、堀北鈴音だと確信しているが、彼女の内面に少し興味が沸いてきているのを感じた。

 

 

だが、それ故にその不可解性を理由に龍園へと偽物の可能性を指摘し、これ以外の勉強についても促したのだ。

特に星野アクアに忠告を受けた英語については特に力を入れさせた。

一之瀬クラスから退学者を出す程までに追い詰めるのなら通常のペーパーテストではない可能性を考慮して、リスニング対策をさせたのが功を奏した。

 

 

「あの映像、映画や特撮なんかじゃねぇ。マジモンだ。空気感が違ってた。あんなもんどうやって入手したんだ」

 

「堀北クラスの生徒が黒川クラスの生徒と交流しているのを何度か見ました。あと、英語のテスト時に隣の教室からも多少の時間差で同じような音が聞こえてきましたので、同じテストを受けていた可能性があります」

 

「となると、黒川クラスと手を組んだって事か。確かあっちのリーダーの黒川あかねは女優だったな。つまりそっちの伝手で入手した可能性があるか」

 

「むむむ、つまりリーダーの堀北氏が此方の気を引いて置いて、本命のテストは黒川クラスから購入した、という事が考えられますね」

 

 

参謀の金田がメガネを指で押し上げながら考察する。

ひよりはそれを見て、とりあえず誘導は出来たので後は金田に説明させようと、読みかけの本へと目を落とす。

 

 

「かもしれねぇな。つまり鈴音は自分が作ったテスト問題を流出させる馬鹿がいると予め把握していたって事か」

 

「ええ、山内氏、でしたか。どうやら借金があるようですが、その情報から彼が内通者になると踏んでいたのかと。だから本命のテストは山内氏が知ることが出来ない黒川クラスで作成したという事でしょう」

 

「やってくれるぜ。まぁこれぐらい歯応えがないとぶっ潰す楽しみがないがな。だが山内の野郎にはキッチリ落とし前付けねぇとな。どうせ素寒貧だろうが、とっとと50万回収しねぇとな」

 

「賠償の50万は契約書がありますから、毎月振り込まれるプライベートポイントを天引きすることができますね。堀北クラスのクラスポイントは348になりますから15ヶ月で完済ですか。気の長い話になりそうですな」

 

「その前に退学になるだろうな。まあ、あんな三下から全額取れるなんて最初から考えてねぇよ。だがま、退学までは山菜定食を楽しんで貰おうじゃねぇか」

 

 

それよりも、その三下を借金で雁字搦めにして嫌がらせをするのも面白そうだ。

 

そう考えた龍園はニヤリと口を歪めて愉悦に浸っていた。

 

そこに他クラスの状況を偵察させていた石崎が慌てた様子で戻ってくる。

 

 

「た、大変っす、龍園さん! マジヤバい事になってますよ!」

 

「声がデケぇ! 内容を言え、内容をよ」

 

「あ、すいませんっす。一之瀬のクラスで退学が4人出ました!」

 

「ああ、さっきから隣のクラスから泣き声が聞こえてきてるのはそう言う訳か」

 

 

龍園の言うとおり、隣の教室から泣き叫ぶ声が漏れ聞こえてくる。

 

 

「それはまた・・・やはり英語ですかな、石崎氏」

 

「ああ、金田気付いてたんか。・・・そうです。英語で60点を割ったペアが2組出て、退学になってます。救済措置も1人2000万なんで払えないって」

 

「点数は買わなかったのか? それとも買えなかったのか・・・。恐らくタブレット貸し出しで結構ポイント吐き出したとしても体育祭の270万残ってるはずだが・・・」

 

「40人全員借りたみたいなので400万使っていたみたいですね。それで2000万払えないって」

 

「そうじゃねぇよ。テストの点数は基本的に1点10万ポイントで買えるんだよ。まあ、赤点回避用の点数調整だから今回の勝敗での総合点には反映されないけどな」

 

「今回の場合は1点20万ですね。テストの重要度によって値段は多少前後します」

 

 

そこに黙って見ていた坂上先生が声を挟む。

 

 

「だとしても一人当たり3万としてクラス全体で月120万、5月から貯めたとしても8ヶ月分で960万はあるはずだ。270万と合わせれば1230万。タブレット代で400万払っても830万。41点は買える計算だ。2ペアならよっぽどの馬鹿コンビでも無ければ十分救えると思うがな」

 

「点数を買うなんて話は出てなかったですね」

 

「だとしたら気付いてねぇのかよ。もう12月だぞ。どんだけ頭お花畑なんだ、あいつら。まあ、かといって教えてやる義理もねぇがな」

 

 

あんなのがAクラスとは情けねぇぜ、と龍園は肩をすくめた。

 

 

「おい、坂上、今回一之瀬クラスから退学者が4人出たが、無人島試験みたいに退学ペナルティでクラスポイントは引かれないのか」

 

「先生を付けなさいと何回言えば・・・今回は退学そのものがペナルティですので、それ以上のマイナスはありませんよ。退学時のクラスポイントペナルティは定期テストでの赤点や、特別試験以外での問題を起こして退学になった場合になります。もし特別試験での退学でクラスポイントが減る場合は事前に説明がありますので安心してください」

 

 

だから今回一之瀬クラスから差し引かれるのはペーパーシャッフルの敗退での100ポイントのみ。

龍園クラスも100ポイントがマイナスされたので、差は3ポイントのまま変動はない。

 

 

「たった3ポイントの差。だが、そのたった3ポイントが遠いか。黒川クラスも同点だしな。クラスポイントが同じ場合はどっちが上になるんだ」

 

「同点の場合は先任が優先です。なのでまだこちらのクラスがBで、黒川さんのクラスはCのままですね」

 

「だが上り調子なのは頂けねぇ。鈴音に意趣返ししたいところだが、次の試験では黒川んところ狙うぞ。このまま勢いにのせたままなのは不味いからな」

 

「狙うのは良いですが、やり方には十分気をつけてくださいね。いじめと取られた場合、かなり酷い処罰が下されますよ。今、相当ヤバいですからね。夏試験での事がまだ尾を引いてますので、かなり厳しく監視されていると見た方が良いです。暴力は絶対厳禁です」

 

「ああ、分かってるよ。テメェらも十分気をつけろよ。ただでさえ顔が酷ぇのが揃ってやがるんだ。特に気の弱そうな女子にはなるべく近づくんじゃねぇぞ。泣かれちまうだろうからな」

 

 

龍園が茶化すように言うと、顔酷ぇってそれこそ酷ぇっすよと笑い声が上がった。

 

 

「やるなら相手に手を出させろ。そうしたら俺がクラスポイントに変えてやるからよ。とりあえず今回の反省はここまでだ」

 

 

龍園が座っていた椅子から勢いを付けて立ち上がる。

 

 

「そんじゃ次はお楽しみタイムだ。山内が金使い込む前にとっとと回収に行くぞ。おい、金田」

 

「万事抜かりなく。既に人をやっていますので、山内氏の居場所は特定済みです。今はモールのカフェにいますな。堀北氏も含めた男女4人です」

 

「おいおい、随分都合が良いじゃねぇか。よし、行くぞテメェら」

 

 

龍園は石崎達を連れて教室を出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、モールにて山内から50万回収した後、龍園が堀北を煽りに煽った結果、売り言葉に買い言葉で賠償の50万はホモ部4人で支払うことが決まったのだった。綾小路は泣いていい。




金田さんの口調ってこれであってますかね?
博士からゴザルを抜いた感じなイメージがあるのですが。
昨日は一之瀬さんにクリスマスプレゼントを贈ったので、クリスマス当日である今回はホモ部にもクリスマスプレゼントです。
喜んでくれるかな?

モチベ維持の為にも感想、評価お待ちしております。

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