アクア「MEMちょのために高校を紹介したら彼女も着いてきた件」 作:ムテキング
初日が終わり、放課後。
俺はMEMちょと佐倉を連れて教室を出た。
前の席の綾小路が仲間になりたそうな目で見ていたが、済まんな。このパーティーは4人用なんだ。あかねが合流する予定だからお前は馬車で待っていてくれ。
それにしても綾小路も地味な見た目のくせに流石Dクラス、なかなかにキャラが濃いな。頭部に無数のコンパスを刺したままカタカタ言いながら棒読みで自己紹介していたあの光景はなかなかにトラウマ物だった。自称事なかれ主義だそうだが事なかれすぎるだろう。あと、コンパスが刺さる瞬間に気付かれないように針が頭蓋骨を貫通しないように刺さる角度を調整していたところから考えてもただ者ではない。名無しの権兵衛も手応えがおかしいことに気付いて訝しがりながら何度も刺していたからな。要注意だろう。
Dクラスは一見どうしようもなほどの落ちこぼれのクズクラスに見える。だがそれでも合格者として選ばれたことを念頭に観察すると色々見えてくる物がある。Dクラスに配属される特徴としては、先ずは能力は全体的に高いが大きな問題点を抱えているパターン。俺やMEMちょ、あと平田や強化外骨格女がそれに当たるだろう。
そして他には能力は全体的に低いがそれを覆す大きな能力を持っているパターンだ。これは赤毛猿とかか。他にも自己紹介中に支給された携帯端末を片手間でハッキングして色々改造してた外村というゴザル博士。日英中のトライリンガルのチャイニーズ王がそれに当たるだろう。
暴力事件でも起こしそうな赤毛猿は論外だが、ゴザル博士とチャイニーズは引き入れると戦力になりそうだ。
後は絶対味方に引き入れたい人材としては強化外骨格女だな。名前は櫛田桔梗。初日にして1年全クラスの半分以上と連絡先を交換してきたというコミュニケーション能力の持ち主だ。当然連絡先を交換した相手の現在地が分かるというGPSの仕様は把握しているのだろう。あかねと組ませるとシナジー効果が高そうだ。
そんなことを合流してきたあかねに説明しながら、俺たちが向かっているのは文化部が有るエリアだ。なんでもこの学校ではポイントの賭けなどが頻繁に行われているらしい。あかねが上級生から色々情報を仕入れてきていた。勿論初日にして素寒貧な俺とMEMちょとあかねは賭けれないが、そのための財布、いや佐倉だ。今後の事を考えるとポイントは多ければ多いほど有利になる。是非とも他の1年が気付く前にこの初日でスタートダッシュを決めねば。さて、ここがまず最初の狩り場だ。
「失礼します。すいませんがここがボードゲーム部でしょうか」
俺たちはあかねを筆頭にしてボードゲーム部の部室へと入る。
「ああ、君たちは見覚えが無いけど新入生かな? 入部希望かい?」
「私は1年Aクラスの黒川あかねです。他の3人は同じクラスのお友達です」
勿論同じクラスのお友達というのは、俺たち3人が同じDクラスで友達同士という意味だが、これによって先輩方は俺たち4人とも同じAクラスだと勘違いしただろう。
「私たちはSシステムについてだいたい把握できています。なのでポイントの量が今後大事になっていくと考えて賭け事を行っているこちらに来させていただきました」
「ほう、初日にか。流石Aクラスだな。このタイミングで来ると言うことはポイントはまだ使っていないのだろう」
「は、はいっ! ポ、ポイントはまだ全然使っていません」
佐倉が端末を掲げ、10万ポイントがある事を証明する。
「そこで先輩方、一つ、勝負しませんか? 私たちは所持金の全額を賭けます。長々とやっても時間の無駄ですしね。どうです?」
「ほう、40万ポイントが・・・良いだろう。ならこちらは倍額を出してやる。だがもし負けてもやっぱり無しだとかは言わせないぞ」
勝負の内容はこちらで決めさせて貰えると言うことで変則ルールの人狼ゲームを提示。先輩方数人とあかね1人で、先輩の中に1人だけ人狼がいてそれをあかねが当てれればこちらの勝ちで先輩方からそれぞれ80万ずつ貰えるようにして貰った。先輩方の人数は何人でも良いとしたので今居る7人全員が参加して7VS1の勝負だ。普通なら人数が多ければ多いほどこちらが不利になる条件だが、あかねならば問題ない。最初の質問一つで難なく人狼を見分け、560万のポイントを奪うことに成功した。もし今後あかねと本当に結ばれることがあったら浮気は絶対バレると考えた方が良いな。怖い怖い。
先輩は唖然としていたが、それでも来月にはポイントを貯めてリベンジするから是非来るように言われた。どうやら上級生は4月から既にポイントが増えるイベントがあるようだな。
さて、次は外国語研究会だ。前世で習得した俺のドイツ語能力でもうひと稼ぎさせて貰おう。
坂柳「せっかくチェスで稼ごうと来たのに先輩方が素寒貧だったでござる」