アクア「MEMちょのために高校を紹介したら彼女も着いてきた件」   作:ムテキング

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どうやら初日だけで8話も使っている鈍足なよう実SSが有るそうですが、ここは初投稿なので関係ないですね。


#BBA無茶しやがって

夕暮れが迫る頃、ようやく俺たちは今後生活する学生寮へと辿り着いた。

何故かここまで来るのに一週間ぐらいかかったような気がするが、気のせいだろう。

 

 

寮は学年ごとの学生寮が3棟、他には教員寮や、敷地内の施設で働く人向けの職員寮などもあるそうだ。

学生寮の周りも監視カメラが設置されてあるし、入り口には管理人室があるので一見セキュリティは完備されているようにみえる。

だが、寮の裏手に回ると一切監視カメラがない死角地帯になっており、そこから各部屋のベランダに設置されている非常用のハシゴにアクセス可能だ。

試しに1階にある無人の部屋のベランダから掃き出し窓を開けてみると、あっさりと開く。

中に入って確認すると掃き出し窓には鍵が備えられていない。

1階の部屋は多人数で住むような大部屋になっていた。

事前に聞いていた話だと、寮は個人部屋になっているそうだが、だとしたらこの部屋の用途は何であろうか。

もしかしたら通常の部屋以外にもポイントで購入できる可能性が考えられる。後で確認しておくべきだろう。

 

 

一度外に出て、改めて正規の入り口から寮に入る。

その際に管理人からそれぞれの部屋のカードキーを渡される。

 

 

「このカードキーは紛失したら再発行可能でしょうか?」

 

「合鍵は500ポイントで発行できるからね。必要な部屋の番号を伝えてくれれば2時間ほどで用意できるよ。後、夜の20時以降は女子部屋に男子が入ることは禁じられているからね。羽目を外さないように注意してくださいね」

 

 

管理人はにこやかに答えてくれた。

そうか、女子部屋には入ってはいけないのか。

 

 

俺たちは先ずは俺の部屋である402号室へと行くことにした。

部屋は最低限の家具があつらえられた8畳のワンルームだった。

 

 

まず初めに購入してきた機材を使って部屋に設置されている隠しカメラとマイクの捜索と除去を開始した。

 

 

「やっぱり死角なく設置されているね。トイレやバスルームにまであるのは勘弁して欲しいな」

 

「黒川殿、事前調査によると寮の自室についてあるカメラとマイクについては自分で気付いて除去すれば今後追加で付けられることはないので安心するでござる。この後に黒川殿達の部屋も除去するでござるよ」

 

 

プライベート保護など欠片も感じられない学校の実態にMEMちょと佐倉は青ざめている。

もし外村からの情報がなければ赤裸々な日常を職員に見られることになっていたのだから仕方ないだろう。

この程度の事すら見抜けないような実力の無い生徒に人権など与える必要はないというのがこの学校の考え方か。

それにしても悪質が過ぎる。

校内でこれ見よがしでついてある監視カメラがあるせいで、自室に隠されているカメラやマイクに気付ける者はどれだけいるだろうか。

 

 

20時までに女子部屋含めて全て撤去し終えて、俺たちはようやく人心地つくことが出来た。

 

 

「今後の事を考えるなら窓には集音マイク対策も施した方が良いかもしれないでござる」

 

「流石にそこまでされると怖いな。そういえばモールで防犯対策グッズのセールがやっていたが、あれがヒントってことなのか」

 

「アクたん、正直もうおなかいっぱいだよ。なんなのこの学校。誰が高育は神な学校なんて言ったのさ」

 

 

それはお前だ、MEMちょ。

 

 

「内情を知ってる人達には高度犯罪者育成高等学校と呼ばれているでござるからな。ここに入るメリットは小生のように外界から身を隠したい人ぐらいしかないでござるよ」

 

「まぁ好きな進路云々もAクラスになれるぐらい努力できるなら、わざわざこんなところに来なくても大抵は叶えられるだろうからな」

 

「まさか、アクたん、ここの事知ってて薦めたの!」

 

「いやいや、流石に卒業特典についてはかなり胡散臭く感じていたが、ここまで酷いとは思っていなかったぞ。それでも紅白出演ぐらいは叶えてくれるの確かだ」

 

「うう・・・じゃあアクたん、責任持ってAクラスに連れて行ってよぉ」

 

「別にMEMちょがそれでいいなら構わんが、努力せずに他者におんぶに抱っこでAクラス卒業したら、紅白に出演できても実力不足が露呈して全国に赤っ恥を晒すだろうな。伝説のB小町の名を汚したと言うことでMEMちょは戦犯として一生叩かれるぞ。ハッシュタグは『#BBA無茶しやがって』で決まりだ。勿論B小町古参勢の俺も盛大に煽ってやるから安心しろ」

 

 

その情景を想像したのかMEMちょは真っ青な顔をして、「が、がんばるんだよ!」と、日課のダンス練習をしだした。

いや、狭いから外でやってくれないか。

 

 

「佐倉も自己研鑽を絶やさないでくれ。こんな学校だ。退学になると一体どんな目に遭わされるか分かったもんじゃないからな」

 

 

俺たちは今後の学校生活について深夜近くまで検討しながら、ようやく初日の夜を過ごすのだった。

 

 

本当に長い初日だったな。

 




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