寝て起きたら翼が生えてた    作:レタスサラダ

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第7話です。


はじめてのじっせん

 

 

羽川先輩に見つかり委員長からお灸を据えられた後もやり過ぎないくらいに自主練を続けていた。

けれどやっぱり呼吸の習得はできないまま。

○○の呼吸を習得した後じゃないと全集中とかは習得できないもんなのかな…

日輪刀ないから適性わからないし、呼吸音くらいしか手掛かりがない。

最初から無駄だったとは思いたくないけど…

 

明日はいよいよ初めての実戦に参加する。

自治区内でスケバンとヘルメット団の抗争があるらしい。

…実戦かぁ。

人を撃つのかぁ…

 

訓練で散々撃ってきたけど、本当に人に向けて撃つのは今回が初めてだ。

やれるのだろうか、俺に。

いまだに日本で普通の学生やってた気分が抜けきっていない俺に。

けど、やらなきゃ一般市民や普通の学生たちにとって多大な被害を被るのも確かだ。

 

覚悟を決めろ、キヴォトスで暮らしていくなら遅かれ早かれやらなきゃいけないことなんだ。

 

両頬をパンパンと叩き、喝を入れてから明日に備えてベッドへ入った。

 

 

 

 

□□□□□□□□□

 

 

 

 

「あれはひどい。」

 

 

まだ面識はないけど剣先先輩… 羽川先輩の同級生と委員長が前線で暴れまくってる。

これ俺らいらんくね?

 

 

「これ、私たちいる意味あるんすかね?」

 

〈奇遇だね。

俺も全く同じこと思ってた。

けど先輩方におんぶに抱っこもよろしくないでしょ。〉

 

「そうっすね。

じゃあやりますか。」

 

 

とは言ったものの、不良共に直接当てることもできないチキン野郎なので足元や武器を狙撃して威嚇射撃くらいしかできない。

 

撃たれたところで痛いで済むというのはわかってる。

わかっていても指が引き攣ってしまう。

今度こそとスコープを覗き込んだ瞬間、()()()と悪寒が走った。

 

 

「タクマ?

どうしたん〈全員俺の後ろに!!〉!?」

 

 

スコープを覗きながら振り返ると、ヘルメット団数人がロケットランチャーをこちらに発射したのが見えた。

なんであんな距離のものに気付けたのかはわからないが咄嗟に自分ごとみんなを翼でガードしたので負傷者はいなかった。

 

 

〈あってよかった、硬い羽。〉

 

「卒業式で言いそうなセリフっすね。」

 

〈あってよかった!〉

 

「「「「硬い羽!!」」」」

 

〈言ってる場合か?〉

 

 

先輩方の支援してる場合じゃねえなこれ。

引鉄を引くのを躊躇ってたらこっちがやられる。

 

「そういやヘルメット団は素顔を見られるのを1番嫌がるって聞いたことがあるっす。」

 

〈マジ?

全員あいつらのバイザーを狙え!!〉

 

広げた翼の後ろから反撃を開始した。

不意打ちこそ食らったものの、無傷でやり過ごせたし数も練度もこっちが上。

制圧するのにそう時間はかからなかった。

 

 

そして、初めて人に向けて銃を撃った日になった。

 

 

 

 

□□□□□□□□□

 

 

 

 

〈撃ってみたら意外と気にならなかったな。〉

 

「見慣れた光景でもいざ自分がやるってなったら話変わるから仕方ないっす。

やっていけそうっすか?」

 

〈多分大丈夫。〉

 

「なら良かったっす。

まあ先輩風吹かせてみたけど私も実戦は初なんすけどね。」

 

〈なんだこいつ…〉

 

「お前たち大丈夫か?

後ろからもヘルメット団が迫ってると報告が上がっていたが…」

 

「なんとか大丈夫っす。

タクマがいち早く気づいてくれたおかげでみんな無事に済みました。」

 

〈俺の翼はロケランの爆風もなんのそのだったみたいで。〉

 

「色々突っ込みたいところはあるが無事ならまあ良かった。

どうだった?初めての実戦は。」

 

〈なんか、なんとかなったなーって。

俺からしたら銃で撃たれて痛いで済むのは羨ましいですけど気兼ねなくぶっ放せるのはありがたいですね。〉

 

「右に同じって感じです。」

 

「……将来有望そうで何よりだよ。」

 

 

 

タクマクンオツカレサマ!

 

ア、オツカレサマデス

スイマセンサッキハメイレイミタイニイッタャッテ

 

ゼンゼンキニシテナイヨ!

ムシロソノオカゲデタスカッタシ!

ミンナモイッテタヨ、タスカッターッテ!

 

ホントデスカ?

ナラヨカッタッス

 

コレカラハワタシノメインタテッテコトデヨロシクタノムッスヨタクマ

 

ザッケンナマエデテタタカエアサルトライフルダロナカマササンハ

 

 

こうして初の実戦はなんてことなくあっさりと終了した。

昨晩あれほど気合いを入れたものの見事に肩透かしを食らったような気分だった。

 

…ヘイローがあるから痛いで済む。

なぜ俺には銃が効くのだろうか、みんなと同じようにヘイローがあるのに。

 

意外と俺も大丈夫だったりするんじゃなかろうか。

ゴム弾ならともかく実弾を自分に撃つ覚悟はないから試すつもりはないけど。

 

羽川先輩に撃たれた時、果たして俺にヘイローはあったのだろうか。

 

今となっては知りようのない過去の話だ。

 

 

ちなみに戦闘中に呼吸を使うタイミングはなかった。

失敗した奇襲なんて袋叩きの的だったからな。




戦闘描写と思わせつつ省略しました。
悪寒が走るシーンは某ニュータイプのアレみたいな感じの奴です。
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