どうぞ。
【タクマside】
初めて剣先先輩から1本取った日からまた数日経った。
最近はどんどん復活が早くなっていて良い。
その分体が鈍りにくくなるからだ。
呼吸の方に関してはなんというか現状頭打ちといったところで、スチームブレード(仮)を見つけたあたりから一切成長しなくなってしまった。
無論鍛錬は続けるが、頭打ちになってしまったものばかりに時間をかけるのもなんだかなぁと思ったので、もう一つの問題点だった武器をどうにかすることにした。
スチームブレード(仮)でも格段に呼吸の精度は上昇したが、やっぱり刀を振るってこその呼吸だと思う。
まあ呼吸は成長が止まってしまったのだが。
そして、どうせなら銃の方もある程度自分に合ったものが欲しい。
正実から基本の装備としてARが支給されているが、所属する部隊によってはSRだったりSGだったり使用する武器は変わるし、実費で自分の専用武器を用意したりする人もいる。
また、支給されたARも自由にカスタムできるのでそのままで使っている人はあんまりいない。
幸い普段からの浪費癖はないので正実として貰った給料などはほとんどそのまま残っているので、今日は日課の鍛錬を終えたら武器探しにでも行こうかな…と考えていたところ、
『もし時間があれば一緒にお出かけしませんか?』
と羽川先輩から連絡が届いた。
最近任務や休暇のタイミングが合わなかった羽川先輩だったが、先日の一件の際は頑張って時間を作って見に来てくれたらしい。
感謝。
ソレ以来タイミングが噛み合わず顔を合わせる機会がほとんどなかったのだが、どうやら今日は羽川先輩も休暇だったようだ。
んー…
別に武器探しは今日じゃなくてもいいかな。
《大丈夫です!
先輩の都合の良い時間と場所に合わせますよ!》
【ハスミside】
先日の一件以来再び忙しくなり、タクマと顔を合わせる機会が減っていました。
私が見つけた子だし、その責任があるのでなるべくなら面倒を見たいと思っているのですが
私もタクマも組織に属する人間である以上我儘ばかり言ってはいられません。
しかし不安なものは不安なのでなんとか時間を作りたいと思い先輩にお願いしたところ、すんなり申請が通りました。
てっきりタクマと引き離されるのではないかと思っていたが杞憂だったのかもしれませんね。
そんな経緯があり本日は休日を取れたのですが、よくよく考えたらタクマに用事があるかもしれないということを失念していました。
タクマとの時間を確保するために休日を取りましたがいきなり不意になるかもしれない事に気づき朝からゲンナリしてしまいます。
ダメ元で良いからと連絡をしてみましたが…
どうやらタクマは用事がなかったようでお出かけの約束を取り付けることができました。
こうしてゆっくりできるのはいつぶりでしょうか…
□□□□□□□□□
「お待たせしました」
〈いえいえ。
それで、今日はどちらに?〉
「どこに行くかというのは特に決めていなくてですね…
ここ最近は貴方とこうしてゆっくりすることができなかったので偶にはと思いまして。
いきなりお誘いしておいてこんな事を言うのもなんですが用事とかはありませんでしたか?」
〈ないわけではなかったですけど、今日じゃなくてもできる事でしたし先輩といる方を優先したかったので問題ないですよ〉
「そうでしたか。
それは…嬉しいですね。
ちなみに、何をする予定だったのですか?」
〈武器を探しに行こうかと。
剣先先輩との模擬戦で使ってたスチ… でかいナイフあるじゃないですか。
あるでも問題はなかったんですけどもう少し刃渡りが欲しいなと思ったのでトリニティの外にその類を探しに行こうと思ってました。
あとはそれ以外の普段使いの銃とかもですね〉
「ふむ…
では、今日はタクマの武器探しに付き合わせてください」
〈え、いいんですか?〉
「元々時間を作ってもらったのはこちらですから。
では行きましょうか」
【タクマside】
期せずして本来の予定に立ち返った俺は羽川先輩と共に武器探しに出掛けることとなった。
副委員長に聞いた話だが、あくまでトリニティには刀剣がほとんど見られないだけでキヴォトス全域で無いわけではないらしく、百鬼夜行と呼ばれる自治区で極稀に見られるらしい。
ただ、武器として使われることはほとんどなくあくまで美術品として…とのこと。
らしいと確定情報ではないものばかりで不安になるが、前世(?)を踏まえると多分百鬼夜行にはあると思う。
スマホで検索してみたがどう見ても日本じゃんという感想しか出てこない。
現代のではなく一昔前というか歴史の教科書に載ってそうな感じの佇まい。
そして食べ物も決め手となった。
刺身や天ぷらなどの和食に餡子を使った甘味など、トリニティではほとんど見られないものがそこにはあった。
うーん、これはあるでしょ(確信)
「ちなみに武器探しと言っていましたがどこに向かう予定だったのですか?」
〈百鬼夜行に行こうかと。
探してるものがありそうなので〉
「百鬼夜行ですか…」
〈そういえば他自治区に行くのって大丈夫なんでしたっけ?
そのあたり何も確認せず行こうとしてました…〉
「多分問題はないと思います…
思いますが、一度委員長に連絡だけ入れておきましょう」
〈あれ?
でも今他自治区に行くのは問題ないって…〉
「ええ。
ですが我々は末席とはいえ正義実現委員会所属の生徒です。
他所から治安維持組織のメンバーが来たら向こうは困惑するでしょう?
だから予め立場のある人から向こうの自治区に連絡してもらうのですよ」
〈あー… そういうことでしたか。
すいません、先輩にそんなことさせてしまって〉
「構いませんよ。
それでは少し待っていてください」
□□□□□□□□□
無事委員長から承諾を得た羽川先輩と俺はそのまま百鬼夜行へ向かうこととなった。
1時間ほど電車に揺られて辿り着いた俺達を見つけてこちらへ誰かが駆け寄ってきた。
「突然失礼します!
トリニティ総合学園正義実現委員会の羽川ハスミ様と緋翠タクマ様でよろしいですか?」
「え? は、はい…」
〈そうですけど… えっと…〉
「これは失礼致しました。
私は百鬼夜行連合学院陰陽部からお二人を案内するように依頼を受けた者です」
そう話す犬型の獣人さんは名刺を俺と羽川先輩へ差し出した。
観光案内なんてあるのか…
ていうか、先輩が連絡したのさっきだぞ?
フットワーク軽すぎるだろ…
「観光案内ですか?
私達はそのようなことをお願いした覚えはなかったと思うのですが…」
「いえ、これはあくまでも私共が勝手にやらせていただいてることでして。
ああ、正義実現委員会の高等部の方達には陰陽部の方から連絡が入っていると思います」
「そうなのですか?
少し確認させて頂いても?」
「ええ、もちろんです!」
そう言うと羽川先輩は少し離れて電話をかけ始めた。
〈えっと、なぜ俺達に観光案内を…?〉
「これまでトリニティと我ら百鬼夜行にはほとんど交流というものがありませんでした。
そのため互いの文化に触れることがなかったため、無意識に地雷…所謂タブーというやつですかね? を踏まないように案内をとお願いされた次第です。
それと、事前に連絡があったとはいえ他自治区の治安維持組織のメンバーが街中を闊歩しているのはあらぬ誤解を生みかねないので周りに安全をアピールするためとも」
〈ああ…
まあそりゃそうですよね…〉
「大変申し訳ございませんがご了承ください」
〈いえいえ、当然のことですから〉
「ここまでは陰陽部の方々の思惑でして、無論私にもメリットがあって引き受けさせてもらったというのもあります」
〈随分明け透けに言いますね…〉
「痛くない腹を探られるよりかはこちらの方が性に合っていますから」
〈それで、俺たちを案内することで貴方達にどんなメリットがあるんですか?
羽川先輩はともかく、俺は別に今後に期待されてるとかそういうんじゃないと思いますけど〉
「……?
ああ、これは失礼致しました。
メリットというのはそういう政治的な意味合いではありません。
そんなものは政治屋に任せておけば良いのです。
私はこう見えてもとあるカフェのオーナーでして。
トリニティからのお客様をいの一番に自分のお店にご案内できるというのは商人にとって大きなメリットでしょう?」
〈あー、そういうことでしたか…
それは確かにそうですね〉
「お待たせしました。
今回の案内は委員長も確認済みだったのでこのままお願いすることにしましょう」
〈先輩。
こちらの方カフェのオーナーらしくて、これからご自身のカフェに案内してくれるみたいです〉
「!」
「期待していてくださいね。
ウチの料理は絶品ですよ!」
ヴェリキャンはほっこりする面白さがあってよいですね。
最近ハレが好きになってきたのでタイミング的にバッチリでした。
ここ数週間で常設されているイベストを読んでいるのですが、バニーチェイサーのC&Cが自分の想像の数倍野蛮で笑いました。
好きなんですよねC&C。
メインストーリーというか原作に入れば出てくるのでお楽しみに。
まあ原作入る前にCODE BOX書くので近いうちに出るんですけどね。
百鬼夜行滞在で1~2話書こうと思っていますがメインストーリーはおろかイベストでもほとんど触れてないので時間を見つけて読んでから次回を投稿しようと思います。
それでは。