【タクマside】
俺達を迎えてくれたカフェのオーナーに連れられて百鬼夜行の自治区の中を練り歩く。
羽川先輩はトリニティとはまるで違う風景を物珍しそうに、俺はしばらく見ていなかった日本に非常に高い景色を懐かしみながらキョロキョロと見渡していた。
しばらく見ていなかったというとまるで俺がその時代に生きてたみたいな感じに聞こえるが、普通に教科書や観光地で見ていた景色というだけのことである。
そんな街並みを歩いていると大きな神社を見つけた。
ふむ、神社か…
こっちに来てからお参りとかしてなかったし一応行っておこうかな。
どんな神様が祀られてるかわからんけど。
〈すいません、少しだけ寄り道しても良いですか?〉
「構いませんよ!
どちらに… あ、神社でしたか。
…神社!?」
【ハスミside】
そう言うとタクマは道路沿いにある何やら荘厳な雰囲気の建物へ躊躇なく入って行きました。
しかし、あの大きなゲートのようなものは一体…?
それに、あんなに道が広いのになぜあんなにも端っこを歩いているのでしょう。
「ハスミ様! あの、タクマ様のあれはよろしいのですか!?」
オーナーさんが何やら焦ったような様子で話しかけてくる。
何かまずいことでもあるのだろうか。
「その… トリニティには教会があって考え的にはこちらとは相容れないので気をつけるようにと言われていまして…」
「教会… ああ、シスターフッドのことでしょうか?
オーナーさんが何を気にしているのかはいまいち分かりませんが、トリニティの皆が皆シスターフッドの方々と同じというわけではありません。
一応私達正義実現委員会はどこに対しても中立であらんとする組織ですから、何を信じるかは基本的に自由です。
無論、シスターフッドと同じような子達もいますが、私もタクマも特にどこかに傾倒しているというのは無いので大丈夫だと思いますよ」
「そ、そうなのですか…?
なら良いのですが…」
私達の…というかオーナーさんの焦りを気にすることなくタクマは水飲み場…?のような場所で両手と大きなスプーンのような物を洗い、そのまま1番大きな建物へ歩いていく。
天井に括り付けられた大きな鈴を鳴らし、財布からお金を取り出して目の前にある箱へ投げ入れ、お辞儀2回と拍手2回、そしてもう一度お辞儀をしてこちらへ戻ってくる。
無論、いくときと同じように端っこに寄って。
「タクマ、今のh「タクマ様!? 今の作法は一体どちらで覚えられたのですか!?」」
オーナーさんが食い気味にタクマへ質問した。
その顔は先ほど私に質問していたときとはまた違った困惑の顔つきをしている。
確かに、まるであらかじめ知っていたかのような動き方だったのは気になる。
〈え?
あ、あー… えっと、昔住んでた所でも似たような建物がありまして。
その時の作法だったんですけど何かまずい部分ありましたかね…?〉
「とんでもない!
パーフェクトでしたよ!
初めて百鬼夜行に来たはずなのに、何故やり方を知っているのかとても不思議でしたがそういうことでしたか…」
〈あはは、びっくりさせちゃいましたか?〉
「肝が冷えましたよ本当に…
トリニティはシスターフッドの方々を中心に教会があると聞いておりましたから」
〈あーーー………………
なるほど、それの事でしたか。
でも俺は大丈夫ですよ〉
タクマは何かに納得したような素振りでしたが私にはいまいち分かりませんでした。
まあ、丸く収まったようなので気にしないことにしましょう。
それよりもカフェです。
百鬼夜行で食べられている料理や甘味はトリニティのものとは全く趣の異なるものばかりで興味が尽きません。
あの黒い粘土のようなもの…餡子と言いましたっけ。
トリニティでは見たことのない食材でしたからどういう味なのかとても気になりますね。
それにしても、タクマがトリニティに来る前は百鬼夜行のような地域に住んでいたとは驚きました。
…いや、キヴォトスのことを知らなかったからトリニティではなくキヴォトスに来る前でしょうか。
この子はあんまり自分のことを話さないから初めて知りました。
□□□□□□□□□
「着きました!
ここが私がオーナーを勤めているカフェの百夜堂です!
まあオーナーを勤めていると言っても次の代のオーナーの教育が終わるまでの代理なのですが現在オーナーであることに変わりはないので!」
「百鬼夜行の百夜堂… 聞いたことがあります。
なんでも自治区一のカフェだとか…」
〈次の代までの代理ってのはどういうことです?〉
「百夜堂のオーナーは代々自治区の生徒が担うのですが、後進の育成をする際はオーナーである生徒が直接指導する必要があるのです。
その際多忙によりオーナーとしての方の業務が立ち行かなくなることが頻繁にあったようで、そちらに代役を立てることになったという経緯があるようです。
何分この制度ができたのはもうかなり前の昔の話らしいので細部は分かりませんけども」
〈なるほど…
そういうのって代々教育係の方が別でいるイメージでした〉
「過去何度かそちらに代役を立てる話も出たそうなのですが、やはり現場で働くオーナーにしかわからない塩梅もあるとかなんとか…
代役の私達は本当に逼迫してない限りフロアに立つことはありませんからねぇ」
「どの組織も後進の育成は大変なのですね…」
「楽しいですし、下世話な話給料の方も良いので文句はありませんけどね!
席にご案内しますのでもう少々お待ちください!」
しばらく待って店の奥の席に通された。
俺はほとんど知らなかったが甘い物が好きな羽川先輩はこの百夜堂のことを知っていたようで、メニューを見るなり目を輝かせていた。
可愛い。
俺は俺で久々に見た餡子や白玉などに懐かしさを覚えていた。
気が付いたら羽川先輩がメニューの端から端まで頼むという創作でしか見てないようなことをしていて思わず天を仰いだ。
俺も注文しようとしたが「端から端まで頼んだので好きな物を取ってください」と言われた。
食べ切れなかったらどうするのか尋ねたが、メニューをよく見ると持ち帰りにも対応しているのと一度に全て出してもらうわけではないらしいので問題無いとのこと。
ちなみに店員さんにも確認済みらしい。
さすがは羽川先輩、食事に関しては目敏い。
「タクマ、今貴方不躾なことを考えませんでしたか?」
滅相もない。
長らくお待たせいたしました。
ライブに行ったり締め切り二日前の仕事が生えたりいろいろ忙しくて執筆は出来ていましたが腰を据えて投稿が出来ずじまいで時間が空いてしまいました。
続きを待っていただいた方はありがとうございます。
ワイルズ買いましたがガチで買った日しか出来ていないのでモンハンで遅れたわけではありません。
なおこれからは遅れる可能性はおおいにあります。
前の話で百鬼夜行のお話を読んでからと書きましたがよくよく考えてみれば原作に恐らく書かれていないだろう時間軸だし百鬼夜行の生徒が出てくる予定もないのでオリジナルの設定をねじ込みましたが、もしイベントを読んだうえで原作との乖離があったら修正する予定ですが当分はこのまま行こうと思います。
トリニティに多分神社はないだろうということでハスミは神社というもの自体を知らないことにしました。
ハスミはというかトリニティの生徒はですかね。
主人公君は日本人なので普通に知ってます。
恐らく神性な存在であろうキヴォトスの生徒であるシスターフッドって何を祀っているんでしょうね?
キャンプイベ終わったらすぐゲヘナイベとはこのリハクの目を以てしても(ry
セナ可愛いですよね。