寝て起きたら翼が生えてた    作:レタスサラダ

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第22話です。 お待たせいたしました。


遭遇

【タクマside】

今ぶち当たっている問題を解決したら必ず修理して回収しようと心に決めて俺はその洞窟を後にした。

外に出るとそう遠くはない所からまだアビドスオオスナヘビの鳴き声と暴れる音が聴こえている。

 

アイツまだ俺のこと諦めてなかったのかよ…

 

市街地に行けばアビドスの住民を巻き込んでしまうかもしれないし、そもそも市街地がどこなのかもわからない。

基地局もなくスマホの電波も通らないので救援を呼ぶことはほぼ不可能に近い。

 

やるしかないのか… 俺が…

 

不良やヘルメット団の連中をぶちのめすのとは訳が違う。

あの巨大な生き物(?)相手じゃLMGとて豆鉄砲に過ぎない。

岩を斬れるだけの技術はあれど、岩なんて比べ物にならないほどに巨大だ。

存在としての格が違い過ぎて勝てるビジョンが全く浮かばない。

 

だがしかし、あんな理不尽をばら撒くような存在を許容することなんて俺には絶対できないし、あのまま放置していてアビドスの住民を危害を加えないという保証もどこにもない。

ここがトリニティではないとはいえ、民間人に被害を与えようとする存在を見逃すことなど正義実現委員会の末席に名を連ねる者として絶対にあり得ない。

だから、

 

 

 

〈俺がやるんだ…

俺がやらなきゃいけないんだ…〉

 

 

 

あの化け物をぶっ壊す。

俺は銃口を向けて引き金を引いた。

 

 

 

 

□□□□□□□□□

 

 

 

 

〈オラ! こっちだよバカヘビどこ見てんだ!!〉

 

[GAHHHHHH!!!!!!]

 

 

 

あのまま砂漠でやり合うのはあまりにも危険だと判断し、廃墟と化した旧市街地を探しているのだがヤツも馬鹿ではない。

ビームやら砂嵐やらの妨害で上手く進めずにいた。

そしてとにかく砂地が鬱陶しい。

踏み締めようにも柔らかいせいで力が伝わらず体に無駄に力が入る。

いくら鍛錬で体力がついたといっても呼吸を習得できてない以上無尽蔵にあるわけでもなく、じりじりと消耗戦を強いられている。

 

 

 

〈おい待てその質量で横薙ぎはマズいって!?!?!?〉

 

 

 

痺れを切らしたのか突如方向転換したと思ったらそのまま尻尾(コイツのどこからどこまでが胴体で尻尾なのかはわからないが)で砂を巻き上げながら薙ぎ払ってきた。

トラック何台分かもわからない質量がぶつかってくるのは流石にヤバいので後ろに飛んで避けながらLMGを掃射する。

鬱陶しそうにしているので多少のダメージはあるのかもしれないが多分ゲームとかだと削れてるHPは1とかそんなもんだろう。

効いてる気がしねぇ…

手榴弾は流石にそれなりにダメージ入るが弾以上に数が限られているので無闇矢鱈に使うわけにもいかない。

 

柔らかい砂に足を取られて着地にミスった俺は、着いた手が砂の感触ではないことに気付いてそちらを見た。

 

 

 

〈………えっ!?

人!?

なんでこんな砂漠のど真ん中で…!?

ちょ、おいアンタ大丈夫か!?〉

 

「う………あ…………

ホ…シ………」

 

 

 

ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい。

この人を置き去りにするなんて選択肢は最初からないけど現実問題どうすればいい…?

自分1人ですらあの化け物とマトモにやり合えてないのに、意識が朦朧としてる人を抱えて逃げられる手段が思い付かない。

俺がアビドスオオスナヘビを引きつけたところで、行き倒れてたこの人が一人で逃げ切れるとは到底思えない。

 

…抱えて逃げるしかない。

 

しかし女子といえど力が抜けた人間というのは存外に重いもので、安定しない足場と相まって上手く立てない。

 

そんなことをしてる間にもアビドスオオスナヘビがすぐそこまで来ている。

何度放ったかわからないビームを撃とうと口を開けている。

 

 

マズい。

 

 

今までで1番マズい。

早く逃げなければ。

早く躱さなければ。

このままじゃ俺もこの人も死んでしまう。

 

…ダメだ。

焦っちゃダメだ。

考えることをやめてはいけない。

 

足りない頭でも回し続けろ…!

この人を守れるように、いつも以上に動けるイメージをしろ!

いつも以上に深く深く、肺が破裂するくらいに息を吸え!!

身体中…頭のてっぺんから指先爪先、翼まで血と酸素を巡らせろ!!!

 

 

 

ガァァァァァァァァァァ………

 

 

 

〈ゴハッ……〉

 

 

 

血管が押し広げられて骨や筋肉に酸素が行き渡るこの感覚…

真菰が炭治郎に言ってた全集中と同じだ!

これならいける気がする!

 

 

 

 

□□□□□□□□□

 

 

 

 

【????side】

いつものように視界に映る虫の如き存在を払おうとしているだけだった。

だが、今目の前に映る者はいつも見るようなソレとは違う。

その存在を知覚しただけなのに無性に腹が立つ。

何がなんでもこの手で消しとばさなければと思うほど。

 

アレの何がそうさせるのかはわからない。

わからないが、まるで同族の無様な姿を見せつけられているかのような気分になる。

 

それに、いつもの虫共よりも妙にしぶとい。

身の丈に合うほどの大きな翼を持ちながら地を這うことしか出来ないのによく動く。

我が光の悉くを回避し、押し潰そうにも飛び跳ねる。

 

いい加減鬱陶しい。

 

一度見失ったがこの地で逃れられる者はいない。

再び見つけた時は虫が二匹に増えていた。

丁度良い。

纏めて消し飛ばす。

確実にトドメを刺せるようにより多くのエネルギーを溜めて… 放った。

 

しかし、虫はすでにそこにいなかった。

 

…虫の分際で空を飛ぼうなど、身の程を弁えていない存在だ。

それに翼から噴き出したあの青い炎…

やはり、我らと同等の力が…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【タクマside】

初めて全集中を発動させ、ビームを避けようと跳躍した瞬間、体中を駆け回る得体の知れないエネルギーが肺を通して翼に集まり、青い炎となって先端から噴き出し俺は空を飛んでいた。

 

 

 

〈マジか…

本当にバルファルクみたいになっちゃった…〉

 

 

 

しかも、ようやく成功したであろう全集中の呼吸をしているんだろうけど、()()()()()()()()()()()()()

呼吸である以上吸って吐くまでがセットのはずなのに、吐くはずの息は肺から翼に流れ、先端から青い炎を伴って噴き出している。

 

もしかして本当に呼吸器までバルファルクみたいになってる…?

いやでも今までは普通に吸って吐いてを出来たはずだし、全集中をしている時だけこうなるのか…?

 

まあいいや。

この人を助けられて、あの化け物をぶちのめすに足るだけの力ならなんでもいい。

 

覚悟してろよアビドスオオスナヘビ。

絶対に叩き潰してやるからな。

絶対にだ。




大変お待たせしてしまい申し訳ありません。
遠征行ったりライブ行ったりFGOのメインストーリー進めたりしていまして…
書いてはいたのですが投稿出来ていませんでした。

編集中に間違えて投稿してしまったので前書きや後書きを追記しました。



というわけでユメ先輩救済(?)√です。
ただユメ先輩が存命でもストーリーには大きく影響はしてこない予定です。
具体的にはアビドス3章くらいまでの間は。


また投稿していくつもりでいるので楽しんでいただけると嬉しいです。
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