26話です。
前回お伝えしたように今回は主人公君とビナーの戦闘ではなく校内でのあれやこれやのお話です。
26話
☆
「委員長! 不良制度の掃討任務終了しました!」
「ああ、ご苦労。
…ん? お前たちタクマはどうした?」
「ああ、えっと…
ちょうどそのことでお伝えしたいことがありまして…」
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「…何?
ティーパーティから直接…?」
「はい…
厳密にはタクマ先輩じゃなくてあの場にいた責任者にっていう体だったんですけど…」
「それで今、アイツはアビドス砂漠にいるというわけか…
妙だな。
あの連中が直接話をしてくるなんて…
そもそも私を通さずにコンタクトを取ること自体不自然だ」
「えっと… 申し訳ありません…」
「いや、お前を責めているわけじゃない。
まあ、機密文書を盗まれたなんてことを言われたら即座に行動に移す気持ちもわかるしな。
とりあえず了解した。
あとはこっちで話をつける。
お前に連絡してきた時の履歴は残っているか?」
「はい。
スクショしてあるので今から送信しますね。
一応、使っている番号がティーパーティのものではあったので誰かが騙している…というわけではないと思います」
「…ふむ。
確かにティーパーティの使っている端末の番号だな。
お前たちはゆっくり休め」
「…私たちもお供させていただけないでしょうか?」
「私たちの代わりにタクマ先輩が向かったので少し責任を感じるというか…」
「お恥ずかしい話ですがクタクタで付いていけなかったもので…」
「クタクタなら尚更休んだほうがいいと思うが…
まあ、好きにしろ」
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「おい、この番号お前たちティーパーティの… フィリウスの連中が使っている端末の電話番号だな?
今すぐコレを使っているヤツを連れてこい」
「ちょっと!
突然入ってこられては困ります!
ちゃんと手続きを踏んでから
「黙れ。
いいからこの番号を使ってるヤツを連れてこい」
「委員長、とりあえず話をいたしましょう。
この方は私に任せて、貴方は元の場所に戻ってもらって大丈夫ですよ」
「しかし!
いくら正義実現委員会の委員長といったって…」
「大丈夫ですよ。
責任は私が取ります」
「……………わかりました」
「ありがとうございます。
…お待たせしました。
それで、手続きも踏まずに突撃してきたからにはもちろんちゃんとした理由がお有りなのですよね?」
「当然だ。
そもそも、手続きを踏まずに勝手なことをしたのはお前たちだろう。
先程まで暴れていた大量の不良連中を鎮圧した際、この番号を使ってるヤツからうちの後輩達に直接連絡が降りてきた」
「…?
貴方にではなく、ですか?」
「そうだ。
だから言っただろう。
手続きを踏まずに勝手なことをしたのはお前たちだと。
いくらお前たちが腐敗しているとはいえ仮にもトリニティの中枢だ。
そんな連中からただの一部員でしかない後輩達に直接連絡が来たとあれば妙な勘繰りもしたくなる。
正実への連絡は私を通すようにと通達したはずだったが… 保身と紅茶に手一杯で頭から抜け落ちたなら、二度と忘れられなくなるまで体に刻み込んでやろうか?」
「いえ、そういうわけでは…
…ともかく、その件に関しては後程しっかりと謝罪させて頂きます。
それで、その連絡の内容とは一体何だったのですか?」
「お前たちの謝罪に何か価値があるのか?
……ティーパーティから機密文書を盗んだ奴がアビドス砂漠に逃亡したからそれを追撃しろとのことらしい」
「……はい?
そんな連絡、私は受けておりませんが…」
「だろうな。
もしそんなことがあったならお前がこんなにも落ち着いてるわけがないし、何より私たちが不良スケバン如きに遅れをとったことになる。
それで?
結局機密文書とやらは盗まれたのか?」
「いいえ。
先程も申し上げたように、機密文書を盗まれたという連絡もそれを盗んだ者を追撃するような指示が降ったことも全く存じ上げません。
無論ある程度の采配は任せていますが、そんな一大事が報告されないのは明らかに不自然ですし、ホストに対する隠蔽工作と認識されかねません」
「ふうん。
全く信用ならないが、シラを切るなら乗ってやる。
もしもお前の発言が嘘だと分かったら今後の人生が保障されると思うなよ」
「構いません。
ホストとして宣言しましょう」
「…とりあえず、だ。
この番号を使っているやつを今すぐココに連れてこい」
「…ええ。
何はともあれ、そうしなければ話が進みませんもの。
申し訳ありませんが、この番号を割り振った方…
桐藤ナギサさんをここにお呼びしてもらってもよろしいですか?」
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「あ、あの…桐藤です。
緊急の要件があると伺っているのですが…
えっと… これは一体…?」
「お待ちしておりましたナギサさん。
とりあえずこちらにどうぞ。
貴方にはいくつか質問があります。
それに正直に答えて頂ければ大丈夫です。
貴方は△△時頃、どこで何をしていましたか?
またその際誰かと一緒にいましたか?」
「その時間は…
自室にいました。
今日はお休みをいただいておりましたので。
なので、誰かと一緒ということはなく一人でした」
「…そうですか。
では、それを証明できるものなどはあったりしますか?」
「…いえ、ありません。
あ、あの… 今私はどういう状況にいるのでしょうか…?
まるで尋問をされているように感じます…」
「まるで、じゃない。
尋問をしているんだ。
今貴様には虚偽の伝令で私の部下にアビドス砂漠へ向かわせた疑惑が掛かっている。
ティーパーティから機密文書を盗み出した奴がアビドス砂漠へ逃げたからそれを追撃しろ、とな。
お前とてティーパーティの端くれなら分かっているだろう?
これが明確な越権行為であることに。
ましてやアビドス砂漠なんて危険なエリアにちゃんとした装備もなしに向かわせたことがどれほど無謀なのか」
「なっ…
わ、私はそんな連絡していません!」
「ええ、貴方の態度を見るにそうだと思ってはいるのですが…」
「これを見ろ。
ティーパーティの業務用端末の電話番号だ。
この番号はお前に割り振られたものだな?」
「これは…
はい、確かに私の番号です。
ですが、私の端末には発信履歴なんてありません!」
「発信履歴なんて簡単に削除できるだろう」
「それは…!」
「ともかく、今のお前にはアリバイがない。
拘束させてもらうぞ。
文句はないな?」
「そ、そんな…」
「…もう少しお待ちいただけないでしょうか?」
「何故だ?
ティーパーティだからか?
そんな理由でこっちが引き下がるとでも思っているのか?」
「彼女はそんなことはしていないと言っています。
法を司る者として、彼女の意見にも耳を傾けるべきでは?」
「物的証拠を退けてでも、か?
話にならないな」
「…着信履歴にナギサさんの番号が残っているのは確かです。
しかし、この様子からして嘘を言っているようには到底思えないのです。
なので、こういうのはどうでしょうか?
第三者にこの番号からの着信が本当にナギサさんの端末から発信されたものなのかどうかを検証してもらう、というのは」
「ミレニアムサイエンススクールにでも依頼するつもりか?
さして繋がりのないお前たちの依頼など受けるのか?」
「さて… それはやってみないとなんとも。
まあ、誠心誠意頭を下げるしかありませんね」
「…ふぅん。
なら、それまでは待ってやる。
だが、この部屋から一歩たりとも出ることは許さない。
それは譲らないぞ。
構わないな?」
「はい。
というわけで、申し訳ありませんがナギサさん。
少しだけ待っていてもらえますか?
私はこれよりミレニアムのセミナーに向かいます。
誰か、セミナーに連絡をお願いいたします」
「戻りました。
どうにかこうにかお願いして優秀な方をお連れしました」
「はじめまして。
セミナー所属の調月リオよ」
「まさか縁もゆかりもないウチの依頼を聴くなんて思わなかった…」
「手も空いていたし、依頼金を積まれたならそれに見合うだけの働きをするだけのことよ」
「ではリオさん、お願いしても?」
「ええ。
先程も話したと思うけれど、番号の逆探知をする以上ロックを開けて中を見させてもらう必要があるわ。
データを引き抜いたりなんて真似をするつもりはサラサラないけれど、ある程度閲覧せざるを得ないものもあるからそれは許容していただく必要があるわ」
「構いません。
無理を言って来て貰ったのです。
彼女の潔白を証明するために必要なことなら私が責任を負います」
「……そう。
まあ、依頼だから誠実に取り組ませてもらうわ」
〜30分後〜
「…ふぅ。
お待たせしたわね」
「こういうのには疎いからバカにしているとかいうわけじゃないんだが、ずいぶん時間がかかったな?
そっちの専門分野かと思ってたが、アンタらにとってもそれだけ厄介だったのか?」
「そうね。
その辺りも後ほど説明させてもらうわ。
結論から言うと、この端末から発信があったのは事実よ」
「えっ…………………」
「…………………」
「…そうか」
「ただ… 彼女、桐藤ナギサが発信したかどうか首を傾げざるを得ないわ」
「それは、どういう…」
「この端末には、外部から不正なアクセスを受けた跡があったわ。
しかも、ネットワーク経由ではなく物理的に接続された痕跡が。
潜り込んだウイルスはリモートで作動するタイプのものだったから、着信を受けた時間に何をしていたかは正直あまり関係がない」
「…なるほど?
続けてくれ」
「ええ。
今の話を聞いただけなら、桐藤ナギサがアリバイ作りのための自作自演をしているだけと考えられなくもないでしょう。
けれど、ここ最近…と言っても1週間程度のものではあるけど、同じようなケースの被害報告が5〜6件上がっているらしいの。
主にミレニアムとD.U.での報告だから、連邦生徒会からの報告はもう2〜3日先になるでしょうけど。
貴方達トリニティに情報が届いてないのも無理はないわ」
「…まあ、現時点で被害が出てないなら報告のしようがないのは確かか」
「そういうことよ。
これで桐藤ナギサの無実が証明されたわけではないけど、彼女の携帯にウイルスを仕込んだ者がいるという可能性が生まれたのも確かでなくて?」
「ナギサさん。
貴方は本当に何もしていないのですね?」
「は、はい…!」
「では、ここ最近で誰かに端末を貸したりした記憶は?」
「ここ最近…
あっ…
そういえば1ヶ月くらい前にですが、××さんに自分の端末の充電が無くなったから少しだけ電話をさせて欲しいというやり取りを…」
「1ヶ月前か…
そのウイルスとやらは作動するまでにそこまでの空白が生まれるのか?」
「それもまちまちよ。
上がって来た報告では全てバラバラだからあまり当てにはならないわ。
その上、仕込まれたウイルスの種類も微妙に違う。
だから、今回の話はより多くのサンプルを回収して対策を練るという点においても願ったり叶ったりだったわ」
「なるほど。
共通しているのは物理接続でウイルスを仕込まれたという部分のみか」
「ええ。
端末からの連絡もSMS・メール・電話と様々よ。
…そういえば、直接電話を受けたという人に聞きたいことがあるのだけれど呼んでもらえるかしら」
「この子がそうだ」
「貴方、受けた電話の音声がどんなものだったか覚えているかしら?」
「どんな音声…というのは?」
「企業のカスタマーサービスみたいな自動音声か普通に人がしゃべっているような音声かということよ」
「えっと、それならそちらのナギサさんと同じような声だったかと…」
「報告にあるケースでは自動音声のみだった。
また新しいパターンね」
「コイツの声と同じように聞こえた…ということは、コイツの喋っている時の声を録音して継ぎ接ぎして音声を作ったってことか?」
「その可能性が高いわね」
「と、なると…
普段からナギサさんの声を聞いている者が犯人である可能性が高いのでしょう。
やはり、××さん… でしょうか」
「…あっ!
そういえば、電話の内容を録音しておいたのを思い出しました!」
「これではっきりするわね。
継ぎ接ぎの音声は、どれだけうまく加工しても人の声にはない抑揚のクセがある。
それがあれば桐藤ナギサは白よ」
〜10分後〜
「あったわ、継ぎ接ぎの痕跡が。
これで桐藤ナギサは白だと思うわ」
「よ、良かった…………」
「とりあえず、ナギサさんの無実が証明できたのは喜ばしいことです。
…××さんをこちらに」
「かしこまりました」
「委員長!」
「どうした、騒がしい」
「緊急の連絡が!
相手はゲヘナ学園です!」
「は?」
2カ月近くも空いてしまい申し訳ありません。
今回に限っては時間がなかったとかではなく普通に難産でした。
気付いたら現正実委員長がティーパーティ全員延してたりしたのでだいぶ書き直したり捨てたらこんな感じになりました。
なのでキリの良いところまで書いたらいつもの2倍くらいの量になりました。
自分では結構書いてるつもりなのですが文字数にしてみるとあんまり多くないんですよね。
長く書ける人が素晴らしいと思います。
話は変わりますがCODE:BOX編保留してたらついに復刻来てしまいました。
こちらも気を見て続きを書いていきたいです。
それではまた次回。