寝て起きたら翼が生えてた    作:レタスサラダ

4 / 35
お待たせしました。
CB編第二話です。


第二話 セイア、大地に立つ

【セイアside】

無論理解しているとも。

これは私の我儘なのだと。

あの2人が予言の力のない私に価値がないと思っているわけじゃないということも。

しかし、私も子供だ。

自分の感情を完璧に制御できるわけじゃない。

私の体が人よりも弱いのは承知の上だが、だからと言ってあんな風にいつまでも保護者面されていたら流石に気分も悪くなる。

私は子供だ。

だが、子供であっても幼子じゃない。

ミネならともかく、あんな風に保護者面される覚えはないし、何より自分の身の回りのことすらままならない今のナギサなら尚更だ。

だからこそ、今回のミレニアムEXPOへの参加は固持せざるを得なかった。

 

今の私はエデン条約の時とは違うと。

自分の足で立てるほどに回復したと。

もう守ってもらうだけの弱い者ではないと。

ナギサに心配をかける必要がないと。

 

それを証明しなければいけないのだよ。

 

 

 

「2人には悪いと思っている。

私たちの諍いに巻き込んでしまったことを」

 

〈貴方達に迷惑を掛けられるのは別に今に始まったことじゃないでしょう。

それにエデン条約の時みたいなのに比べれば今回のはだいぶ前向きですし、こういうベクトルなら気にしませんよ〉

 

〔…私個人としてはナギサの気持ちもわかるよ。

まだ万全な状態じゃないなら安静にしていて欲しいっていうのは確かにその通りだし。

ただ、先生としては前向きな生徒の背中を押してあげるべきだとも思ってる。

セイアが自分の足で立つために必要な過程なんだ。

決して悪いことではないよ〕

 

「申し訳ない… いや、この場合は謝罪よりも感謝を述べるべきだったね。

ありがとう、2人とも。

 

一つお願いを聞いてはもらえないだろうか?

今回のミレニアムEXPO、私1人で見て回りたいんだ」

 

〔それは…〕

 

〈何かあったら困るんだけど…

いや本人がこう言ってるし、良い…のか?〉

 

「護衛をお願いしたタクマと背中を押してくれた先生には悪いと思っている。

これが度が過ぎた我儘だというのも」

 

〔…でも、セイアにとってはそれが必要だと判断したんだよね?〕

 

「…ああ。

無論1人でと言ってもずっと1人でいるわけじゃない。

護衛を受けてくれたタクマに申し訳が立たないからね。

ちゃんと定期連絡はさせてもらうつもりだ」

 

〈受けた仕事を途中で放り投げるのは趣味じゃないんですけど…

まあ本人がこの調子なんでできる範囲でやることはやりますよ〉

 

〔うーん…

セイアがそれで良いなら良い…のかな……?〕

 

「じゃあ決定ということで」

 

〈〔不安だ…〕〉

 

 

 

 

□□□□□□□□□

 

 

 

 

EXPO当日、タクマを連れてミレニアムを訪れた。

ふむ、ここがミレニアムサイエンススクール…

トリニティ(うち)も建物は大きいけれど、ここは別格だな。

摩天楼というのに相応しい。

首が痛くなりそうだ…

 

ぼんやりしていると前から二つ足音。

目を向けるとプラチナブロンドの髪の生徒と、黒褐色…というのだろうか?の黒髪の生徒がこちらに歩いてくる。

ミレニアムからも案内人を出すとのことだったが彼女たちがそうなのだろうか。

その時、プラチナブロンドの髪の生徒と目が合った気がする。

その直後彼女の視線は私の後ろへ向かい…

 

 

「あっ!

ご主人様ー!」

 

 

その生徒がこちらへ向けて猛ダッシュしてきた。

 

えっ

思わずタクマの方を振り返る。

そんなに暑いわけでもないのに顔から汗が吹き出していた。

まさか君… 他校の生徒とそんな如何わしいプレイをしているのか…?

そう問いかけようとした時彼に襟元を掴まれて

 

 

「え?」

 

「ごっしゅじんさっまー!」

 

「ちょっまっ」

 

〈ガードベント!〉

 

「ぐわああああああーー!!!!!」

 

 

 

 

□□□□□□□□□

 

 

 

 

「タクマ… なんで… 私、護衛対象…」

 

〈近くにいたアンタが悪い〉

 

「んもー! 酷いよせっかくの再会なのに!」

 

〈飛び掛かってくる癖をやめてください。

いや本当に〉

 

「あ、あの…

大丈夫か?」

 

「あ、ああ…すまない……」

 

 

吹き飛ばされた私は黒髪の生徒の手を借りて立ち上がる。

ちなみにパリィされたプラチナブロンドの生徒はそのまま空中で一回転しながら綺麗に着地していた。

何が起きたんだ一体…

 

 

「うちのアスナ先輩が申し訳ない…

怪我はないか?」

 

「ああ、なんとかね…

申し遅れたが、私は百合園セイア。

今回のEXPOでトリニティの代表として参加させてもらった」

 

「…百合園セイア?

……ティーパーティの?」

 

「ああ」

 

「あっアスナ先輩…!

ダメじゃないか来賓に体当たりしちゃ!」

 

「えっと、ごめんね?

ティーパーティさん」

 

「いや、悪いのは私でパリィしやがったこの野郎だ。

気にしないでくれ」

 

〈酷い言い草だなぁ〉

 

「護衛対象を盾にする奴があるか!」

 

〈だってちょうどいい所にいたから…〉

 

「誰の胸が盾に相応しいって!?」

 

〈いやそんなことは言ってないです〉

 

「…そういえば君たちが今回の案内人かい?」

 

「ん、私? 私はアスナだよ!

よろしくね!」

 

「角楯カリンだ。

今回のEXPOのガイドを担当している。

 

……いや、担当することになっ…………りました。

よろしくお願いします。

すまない、敬語は慣れてなくて…」

 

「気遣いは無用だ。

楽な話し方で構わない。

出迎えありがとう、感謝する」

 

「しかし、依頼主からは失礼のないようにと…」

 

「今回の目的は学園間の交流なのだから、堅苦しい雰囲気はそぐわない。

円滑なコミュニケーションが取れればそれで構わないよ。

トリニティ側の… ティーパーティのホストとしての正式な申し入れと受け取ってくれて構わない」

 

「じゃあ私もいつも通りに話すねセイアちゃん!」

 

「砕けすぎじゃないか…?」

 

「少し聞きたいのだが、案内人は君たちだけなのかい?

私の前にもトリニティからココに向かって出発した組がいたと思うのだが」

 

「あと3人いるよ!

今は別のところを案内してるみたい!

通話繋いでるけどお話しする?」

 

『初めまして、百合園セイア様。

私室笠アカネと申します。

よろしくお願いしますね』

 

『飛鳥馬トキです。

何かあればいつでもお申し付けください。

ミレニアム最強の私がすぐに駆けつけますので。

ピース』

 

『いつでもは少し難しいかもしれませんが…

ああ、皆さんお待ちください!

…それでは楽しいひと時をお過ごしください』

 

『それでは』

 

「こんな具合だ。

今回参加する団体は貴方達を含めて2組だったから2班に分けたんだ。

最も、団体で参加するのが2組というだけで個人で訪れたりする子もいるから各エリアに何人かずつガイドとして後輩達に待機してもらっている」

 

「なるほど。

では、案内を頼むよ」

 

「ちゃんと着いてきてね!」

 

「あっ待って先輩!

…行っちゃった。

1人で先に行ったら案内の意味が…

私たちはゆっくり行こうか」

 

「…そうだね」

 




GW中にメインストーリー読み進めたいなと思ってカルバノグ1章を読み終えました。
続きが気になるところなんですがストーリーの時系列的に最終章挟んで2章で合ってるんですかね?
あんまりよくわかってません。

どうやら事前に読んでおいた方が良いイベストもあるらしいのでそっちも読んでるのですがイベント期間中にやると周回に使う分のスタミナ減るのでやらない方が良かったなと思いました。




そんなわけで第二話です。
なぜアスナが先生ではなく主人公君をそう呼んでいるのかはいつか書くパヴァーヌ編までお待ちください。

近いうちに続きも投稿したいと思っていますのでお待ちください。
それでは。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。