ゲヘナに漂うお茶の味   作:Mrふんどし

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ふと思いついたものなので不定期投稿です。
★がついたものは日記風です。


朝宮サエの日常1 ★

ここゲヘナ学園に入学してから既に1年... 私、朝宮サエは今日から2年生になりました。

 

最初はあまりの治安の悪さに何でこの学園に来てしまったのかと悩む事も少なくありませんでしたが、私自身順応してしまったのか今ではもう諦めの気持ちの方が強くなっています。

 

学年が1つ上がるという事は、後輩が新たに入学して来るという事。

新入生の子達が変な問題を起こさなければ良いのですが....駄目です、胃がキリキリしてきました。

 

早く教室に向かわないと...いえ、時間はまだあるようですね。

茶室でお茶を淹れて心を落ち着かせてからでも遅くはないでしょう。

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

最悪です、私の耳にこれ以上無い最悪な噂が流れてきました。

まさかあの美食研究会に新入部員が入ったなんて....それはつまりただでさえ厄介なテロ集団が規模を拡大させたって事じゃないですか。

 

後になってわかった事ですが、入部したのはジュンコという名前の1年生だそうです。

何故よりにもよってその子は彼女達の部活へ入部してしまったのか....ああ、問題が起こるとしてもせめて私に関係のない範囲である事を祈りましょう。

 

...薄情?いえ、そう思うのはきっと普通の事の筈です。

彼女達に自ら絡みたいと思える人はどこか頭のネジが外れているか、そういう趣味の人だけでしょう。

 

私はお茶が好きなだけな、いたって普通の女の子なんですから。

 

 

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今日のお昼は遅くなってしまいましたが久々に食堂で食べようと思い足を運ぶと、厨房に相変わらず忙しく働いていたであろうフウカさんの姿がありました。

 

フウカさんは私が1年の頃から交友が続いている友人で、ゲヘナでは保護すべきレベルのまともな感性の持ち主です。

 

私に気づいたフウカさんは気さくに声をかけてきて、その後一緒に昼食をとりながら色々な話をしていると、私は彼女の目元に薄らと隈があるのを見つけました。

 

私は心配になりつい彼女に色々と小言を言ってしまいましたが、帰り際に今度私のお茶を飲みに行っても良いかと尋ねられたので了承すると、嬉しそうな笑顔を見せてくれました。

彼女の笑顔を見るとこちらまで嬉しい気持ちになります。

 

...ところで噂で聞いた限りでは給食部にも最近新たに1年生が入部してきたそうです。

あの美食研究会にまで入部者がいるのに私の所には誰も入部希望者が来ない...そんな悲しい事実にその日はほんの少し気分が落ち込んでしまいました。

 

 

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今日も私にとってはいつも通りの1日でした。

私は茶室の畳の上に正座し、自ら淹れた煎茶を啜りながら考えに耽ります。

 

入学してから私が立ち上げたものの、最終的に私以外に部員がおらず部として認められなかったこのお茶飲み同好会。

流石に今年こそは誰かが入ってくれるだろうと少し期待して待ってましたが...結局何も変わらないまま私が2年生になってからしばらくの日数が経過してしまいました。

 

...このままここで考え込んでいても気が滅入るだけですね、少し外を歩くとしましょう。

 

そうしてしばらく外をぶらついていると、どこか落ち込んでいる様子の子がベンチに座っているのを見かけました。

空色で肩まで伸ばした髪に、後ろから生えている長めの尻尾。

顔は前髪で隠れているためわかりませんが、おそらく新入生でしょう。

 

流石にそのまま放っては置く訳にはいかないのでその子に声をかけ話を聞いてみると、どうやら寮までの道を忘れてしまい道に迷ってしまったとの事。

 

その子は不安そうな顔をしながら目には涙を浮かべており、ずっとここに座り身体が冷えてしまったのかくしゃみもしていました。

思わず彼女の涙を手で拭い、とりあえず安心してもらうのと冷えた身体を温めて貰う為に、私はその子を自分の茶室へと連れて行きました。

 

そこでは特製の緑茶を淹れ彼女に渡し、恐る恐るそれを口に含んだ彼女は目を輝かせると笑顔になり、ようやく元気な顔を見る事ができました。

 

気分もすっかり落ち着いた彼女を私は1年生の寮まで送ると深々とお辞儀をされその場で別れる事となりました。

 

やはり良い事をすると心も晴れやかになりますね。

今日はこの良い気分のまま休むとしましょう。

 

 

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....人は予想外の事態に出くわすと固まってしまうというのは本当なんですね。

 

「あ、あの!私もこの同好会のメンバーに入れてください...!」

 

私がつい先程淹れたばかりの抹茶を飲もうとしていた時、突然襖が開くと同時にそんな言葉が茶室に響きました。

 

思わず手元の湯呑みを滑らせながらも声のした方を見てみると、そこには昨日私が出会った少女が緊張からか頬を赤らめ立っていました。

 

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