ゲヘナに漂うお茶の味   作:Mrふんどし

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朝宮サエの日常28 ★

今私はある事をしようと1人茶室の真ん中で腕を組んでいました。

目線の先にあるのは一枚の半紙...そう、書き初めです。

本来であればもう少し早く取り掛かろうと思っていたのですが、思いの外予定があったので今日になってしまいました。

 

とはいえこれは私が勝手にやっていることですし、書く文字も既に決めているので何も焦る必要はありません。

...まあ毎年同じ文字を書いてるので全く悩むことも無いのですが。

 

ひとまず気を取り直して筆を手に取る私でしたが、そのタイミングで茶室の襖が開かれました。

そこにいたのは当然アサリさん達3人、彼女達は私の姿を見て興味が沸いたのか、自分達もやってみたいと話してくれたのです。

 

確かに良い機会かもしれません、それにきっと記念にもなるでしょう。

私は彼女達の提案に二つ返事で答えると、それから改めて筆をゆっくりと動かしたのでした。

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

私は拉致されました....。

ただ動揺はしません、こういうことをしてくるのは彼女達と決まってるからです。

そう思い顔を上げるとそこにはやはりハルナさん達がいました。

どうやら今は車の荷台に乗せられている様です、そして隣を見ると案の定フウカさんの姿もありました。

 

慣れているように溜息を溢す彼女を横目で見ながら今回は何が目的なのかとハルナさん達に尋ねると、一緒に積まれている道具を見ればわかると言ってきます。

その言葉に周りを見てみると、私の傍にあったのは大きな石臼や杵....更には既にホカホカに蒸されている餅が大きな器に入っていました。

 

私が納得したように頷いていると、ハルナさん達はこれからの予定を話し始めます。

要するに自分達で美味しい餅を作って食べたい、そしてその餅に合わせて美味しいお茶も飲みたいと....

 

正直餅を作るだけならば彼女達のみで出来る気がするのですが、こういうシンプルな作業ほどフウカさんの力が必要なのだと説得力がある様な無い様な返答をされてしまえば私達も諦めるしかありません。

 

....また今年も彼女達の無茶振りが始まるのだと小さく息をこぼしながら、私とフウカさんはそれからまた少しの間車に揺られていたのでした。

 

 

――――――――――――――――――――

 

朝、目が覚めた私を襲ったのは猛烈な倦怠感でした。

なんだか身体が重く、頭もぼーっとしているような感覚...ベッドから起き上がり立とうとしますが歩くのも少し億劫に感じてしまいます。

おそらく最近は色々とありましたからその疲れでしょう。

 

その日は自室で休むことにしたのですがその翌日....私は布団を被り時折咳をしながらベッドに寝転んでいました。

 

そう、完全に風邪を引いてしまったのです。

もう何年も風邪を引いていなかったので油断してしまいましたね...私は朧げな意識の中、風邪を引いた旨をアサリさん達に連絡しました。

 

とりあえず今日は1日こうして安静にして過ごした方がいいでしょう。

そう思い携帯を枕元に置いた私は、頭の痛みや身体の熱さを感じながら目を閉じたのでした。

 

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