ゲヘナに漂うお茶の味   作:Mrふんどし

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朝宮サエの日常29 ★

久しぶりに引いてしまった風邪でしたが、あれから特に悪化する事もなく無事に治った私は数日ぶりに茶室へと顔を出していました。

 

どうやら私がいない間に茶室の掃除などをしてくれていた様で、部屋の中は綺麗に清掃され整えられているのがわかります。

その事にありがたいと感じながらも、ふとあるものが気になった私は彼女達へ尋ねました。

 

それは部屋の隅に置いてある大量の箱....大小問わず積まれており、3人が何か頼んだりしていたのかとも考えましたが実際の所は違う様です。

どうやら私が風邪を引いたことをシズクさんにも連絡していたようで、それを受けた彼女から昨日この箱が沢山届いたとの事。

 

中身を見てみるとそこには色んな風邪薬や道具、更には様々な紅茶の茶葉まで所狭しと詰め込まれていました。

....量はともかく好意自体はありがたく受け取っておきましょう、今度お礼もしておかなければ。

 

そんなことを考えていると、アサリさんがこちらを見て久しぶりに私のお茶を飲みたいと言ってくれました。

キョウカさんやミオさんも彼女の言葉に続いて頷いています、私は彼女達に笑いかけながらその希望に沿うべく茶葉を選びに棚へと歩いて行くのでした。

 

 

————————————————————

 

 

その日、私はある人物へと電話をかけていました。

耳元から聞こえてくるのはやけに仕事風の口調で話しているアルさんの声....。

 

何故私が彼女へと連絡をとっているのか、それは勿論依頼をする為です。

アルさんとは彼女がまだ学園にいた頃に知り合ってから度々会う機会がありましたが、彼女が営んでいる便利屋への正式な依頼はしたことがありませんでした。

 

彼女は私を未来のお得意様と言ってくれてはいました....その事もあり、このまま依頼をせずにいるのもなんだか申し訳ないと内心考えてはいたのです。

そんな経緯もあり、折角なら初依頼をしてみようと思い立ったのでした。

 

とはいえ私が頼もうとしているのは、便利屋の方々にお茶を飲んで欲しいという個人的なもの。

電話越しのアルさんはそのことに呆気に取られたのか驚いていましたが、スケジュールの都合がついたのか快く受け入れてくれました。

 

....その際にムツキさんが最近は依頼がなかったなど話している声が微かに聞こえてきましたが...向かう時は多めのお茶菓子でも持って行くとしましょうか。

 

 

————————————————————

 

 

月が変わり2月。

寒さもピークになりつつある時期に差し掛かる中、私は茶室にて3人を集めてある事を提案しました。

 

それは、今度のお休みの日に温泉宿へと泊まりに行こうというもの。

 

夏休みで海へ遊びに行った際にも少し話をしたことがありましたが、寒いこの時期だからこそ温かい温泉が身に染みる...それに最近は個人的に色々とありましたから、彼女達とゆっくり過ごしたいという気持ちも含まれていました。

 

私の話を聞いた彼女達は当然の様に二つ返事で了承してくれたので後は当日までの準備をするだけなのですが...私は今回の小旅行にシズクさんも誘おうと考えていました。

 

彼女との出会い方は少しびっくりするものでしたが、今では何だかんだ色々と話す仲になれましたし、学園は違えど同じ"茶"への志のある間柄です。

アサリさん達も賛成してくれたので早速彼女に連絡を....と思っていたのですが、突然その彼女から逆に連絡がかかって来ました。

 

驚きながらも電話に出てみると、"温泉旅行だなんて素晴らしいですわね!是非ご一緒させていただきますわ!"とのこと...。

 

....何故別の場所にいる彼女にこの事が伝わっているのか全くわかりませんが、まあシズクさんが乗り気なのであればこちらとしてもありがたい限りです。

 

ひとまず今度の予定を色々と決めてしまいましょうか。

 

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