何とは言いませんが、ここのゲヘナは100%ほのぼの路線でこれからも書いていきます。
雪がパラパラと降り続ける昼下がり、私達はゲヘナから少し離れた場所にある温泉宿へと車で向かっていました。
車内にはアサリさん達3人に加えてあの日お誘いしたシズクさんの姿もあり、温泉を楽しみにしている声が後部座席から聞こえてきます。
道も混んでいないようですし、このままであれば問題なく到着できるでしょう。
そんなことを考えながら暫く走り続けていると、目的地である温泉宿が視界の先に見えてきました。
車から降りて入り口に向かうと本日予約していた宿の女将さんが出迎えてくれ、その方にお礼と挨拶をしようとしたのですが....その時どこからか聞き覚えのある声が聞こえてきました。
何だか嫌な予感がした私は恐る恐る振り返ると、そこにはやはり見知った人物...カスミさんが高笑いをしながら立っていました。
しかもご丁寧に温泉開発部の方々を何名も連れた状態で。
まさかの出会いに戦々恐々としつつも何故ここにいるのか尋ねてみると、どうやらこの辺りに未開の温泉が埋まっているとの目星を付けたとのこと。
そんな会話の後すぐに温泉を見つけにいくと言って彼女達はそのまま去ってしまいました。
.....何だか今回の小旅行がとても不安になってきましたが...大丈夫でしょうか。
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思いがけない出会いは置いておいて、私達はその後女将さんの案内の元本日泊まる部屋へ案内されました。
部屋は5人で泊まっても問題ないほど広く、綺麗な畳や開放感のある窓の外の景色が気分を落ち着かせてくれます。
夕食の準備はまだかかるそうなので、先に温泉へ入ってはどうかという女将さんの言葉の通り荷物を置いた私達は早速温泉へと向かいました。
身につけていた着物をしまい、持ってきた湯籠からシャンプー類を取り出していざ中へ。
すると目の前に普段は見ない様な広々とした湯船がいくつも並んでいる光景が現れました。
タイミングが良かったのか私達以外には誰もおらず、半分貸切の様な状態となっているようでそれが更に開放感を与えてくれます。
ここまで来れば入らず待つ理由はありません、丁寧に髪や身体をシャワーで洗い流し、足先からかけ湯を行いゆっくりと温泉へ身体を沈めていきます。
...そこからは至福の時です、考えることも忘れて心地よさに身を任せました。
寮のお風呂は熱すぎることが多いですから、こういった適切な温度であるというのもリラックス出来る要因の一つなのでしょう。
この後は美味しい夕食も待っていますから、楽しみもひとしおです。
私は再度深く息をつきながら、心ゆくまで温泉を楽しんだのでした。
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皆が寝静まる深夜、私は1人部屋を抜け出して旅館の廊下を歩いていました。
どうにも変に目が覚めてしまい、その後も中々寝付けなかったので折角ならばと夜中の温泉を味わおうと思いたったのです。
真っ暗な夜空の下、私が向かったのは夜風が僅かに吹く露天風呂...人の喧騒も無く、空に浮かぶ星々だけが目に映るどこか幻想的な景色に思わず言葉を失ってしまいます。
今だけはこれを独り占め出来る、そんな考えに小さく笑いながら湯船に浸かろうとした瞬間。
....後ろから昼間も聞いた覚えのある高笑いが聞こえてきました。
まさかと思い振り返ると、そこにいたのは案の定カスミさん。
彼女もこの旅館に泊まっていたのでしょうか...などと考えている間にカスミさんは流れる様に私の隣に浸かると深く息をつきました。
それから訪れる沈黙...流石に何か話さないと気まずいと思った私は溜息混じりに彼女と話をする事にしたのでした....