ゲヘナに漂うお茶の味   作:Mrふんどし

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今月も予定が入ってしまったので、暫く投稿頻度が落ちるかもしれません。
可能であれば普段通りに投稿していきます。


朝宮サエの日常10 ★

去年までは私一人だったあの茶室も今では四人の大所帯、そろそろ室温や湿度にも気を使う必要が出てきました。

 

しかしあくまで部室棟の一室を間借りしている状態の為勝手にエアコンの取り付け等は出来ません、それにそこまで部屋も広い訳では無いという事から扇風機と除湿機を買いに郊外へやって来た私の目の前に不意に一人の少女が現れました。

 

髪をツインテールに纏め、白い制服に紺色のスカート、背中には鳥の様なキャラクターの大きなリュックサックを背負っています。

彼女は何やら困った様子で辺りを見渡しており、つい気になった私はその少女に声をかけると、彼女は突然現れた私に一瞬驚きつつもその訳を話してくれました。

 

彼女は阿慈谷ヒフミさんというらしく、どうやら買い物に来た途中で道に迷ってしまったのだとか。

それもその筈、彼女はなんとトリニティの生徒だそうです。

 

何故トリニティの子がわざわざこんな場所に?とも思いましたが、彼女が言うにはこの辺りに売られているであろう限定グッズが欲しかったとの事。

阿慈谷さんはそう言って携帯を操作すると私にその写真を見せてくれました。

 

...そこに写っていたのは何とも言えない表情の鳥のぬいぐるみ、彼女のリュックも同じ鳥を模している事からこのキャラクターが余程好きなのでしょう。

 

確かにどこか可愛らしい雰囲気を感じるので欲しくなる気持ちもわかります...そんな事をつい口にすると阿慈谷さんは目を輝かせて私の両手を掴みそのキャラについて熱く語り始めました。

 

その勢いに思わず気圧されてしまいましたがここで彼女と会えたのも何かの縁、私の買い物の前にそのお店を探すのを手伝うとしましょう。

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

今日は天気が悪く、少し強めの雨が降り注いでいます。

そんな中私は部屋の外から聞こえてくる雨の音に耳を傾けながらゆっくりと茶室でお茶を飲んでいました。

 

こういう時の雨音は心を落ち着かせるのに丁度良く、目を瞑りながら淹れたてのお茶を飲むとより美味しく味わう事ができるので個人的には雨は好きです。

 

隣に座っていた宇治さんが言うには雨は苦手だそうですが、私の話を聞き終えると頷いた彼女は私の真似をする様に目を瞑ってお茶を飲み始めました。

 

そんな彼女の姿を微笑ましく思っている最中、ドタドタと廊下から足音が聞こえてきたので扉を開けてみると、何と狭山さんがずぶ濡れの状態で廊下に立っていました。

 

一体どうしたのですか...え、傘を忘れたまま郊外に出掛けた?成る程、天気予報を見るのを忘れたと。

 

何とも狭山さんらしい理由に納得しながらタオルで彼女を拭いていると、廊下の奥から再び足音が聞こえてきました。

そこには狭山さんと同様全身から水滴を滴らせている川根さんの姿が....どうやら彼女も同じ理由だそうでそんな二人を見て私は思わず溜息を溢してしまいます。

 

その後宇治さんにも拭くのを手伝って貰って何とか二人を乾かし、彼女達に温かいお茶を飲ませながら私は一人思いにふけていました。

去年までは今日の様な雨の日はただ静かな雨音が聞こえてくるだけでしたが....今は違います。

 

私はお茶を飲みながら楽しそうに話す三人の姿を見つめて頬を緩めると、もう一度外から聞こえる雨の音に耳を澄ませました。

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

今日も茶室には私を含めて四人の姿がありました。

 

宇治さんはいつも通り丁寧な動きでお茶淹れを、つい先程練習を終えた川根さんはまだ慣れていない為休憩中、狭山さんは羊羹を食べながら雑誌を静かに読んでいます。

 

おや、狭山さんどうかしましたか?え、私の誕生日?....11月23日ですが何故それを?

突然そんな事を聞いてきた彼女に尋ねてみると、単に読んでいた雑誌に占いコーナーがあったから聞いてみたとの事。

 

その話を受けた私はつい彼女達の誕生日が気になり、折角なので全員に聞いてみる事に。

まず宇治さんに尋ねると、彼女は少々恥ずかしそうにしながらも10月6日だと教えてくれました

 

それから他の二人にも同様に聞いてみると狭山さんは6月2日、川根さんは4月21日だという事がわかりました。

....ん?ってもう二人はとっくに過ぎてるじゃありませんか!あと少しで6月も終わってしまいますよ!

 

狭山さんと川根さんは特に気にしている様子はありませんが、彼女達は大切な後輩ですし折角なら当日にお祝いをしたかったのですが...

 

....いえ、確かに過ぎてしまってはいますがお祝い自体はまだ間に合う筈です。

その後寮の自室に戻った私は、徐に携帯を手に取りモモトークを開くのでした。

 

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