ゲヘナに漂うお茶の味   作:Mrふんどし

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朝宮サエの日常14 ★

夕日も沈み月明かりが静かに照らされているコテージ前...元々私達四人しかいなかったこの場所も、先程やって来たヘルメット団やスケバンの方達を合わせて十人近くの集まりが出来上がっています。

 

始めはこちらを警戒しながらご飯を手にとっていた彼女達でしたが、いざ焼けたお肉やトウモロコシを口に含むと皆目を輝かせて無我夢中で食べ始めていました。

 

やはりどんなに立場は違えど一緒に食事を楽しめば人は仲良くなれるもので、今ではすっかり警戒心が解けたのか彼女達は宇治さん達と共に会話に花を咲かせているようです。

 

更にその内の何名かは私のお茶を気に入ってくれたようで、私が淹れる所を興味深そうに見たりおかわりを飲んでいます....ふふ、やはり道具を一式持ってきて正解だったかもしれません。

 

ですが楽しい時間というのは一瞬なもので、そろそろバーベキューの終わりが近づいていました。

ハルナさん達に貰ったトウモロコシはまだ残っていますが、私が買ってきた食材は全て食べ切ったようで皆さん満足そうな顔を浮かべているのがわかります。

 

少々名残惜しい気持ちもありますが彼女達はこれから途中で逸れてしまった仲間の元に戻るとの事らしく、最後に照れくさそうにお礼を言って帰っていきました。

 

...まさかの出来事ではありましたが、まあ楽しい時間も過ごせましたし後片付けをして私達もそろそろコテージで休むとしましょうか、今日は珍しく遊び疲れたので気持ち良く寝られるかもしれません。

 

 

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窓から差し込む陽の光で目を覚ますと既に時刻は朝の十時過ぎ、昨日の疲れもあってかすっかり寝過ごしてしまった様です。

 

今日の夕方には帰る予定ですので、朝の内に帰りの準備を終わらせてしまおうと三人を起こしコテージを出ると、何と管理人の方が私達の為にスイカをいくつか用意してくれていました。

 

どうやら抗争による問題で昨日店を出せなくなってしまったお詫びとの事。

私達はお礼をして有り難くそれらを受け取りましたが、件のスイカのサイズは大きく中々食べるのに苦労しそうです。

 

どうしようかと頭を悩ませていましたが、折角これだけ立派なスイカですし、思い出にもなるとの事でひとまず私達はスイカ割りをする事になりました。

 

早速近くに落ちていた丁度良い形の木の棒と、持ってきたタオルを目隠し代わりに次々と挑戦していったのですが、その途中でどこか聞き覚えのある声が遠くから聞こえてきました。

 

まさかと思いつつ顔を向けると、そこには昨日ぶりとなる美食研究会四名の姿が。

....ただし、まるで爆発にでも巻き込まれたかの様に彼女達の服はボロボロになっており、明らかに何かあったのは間違いありません。

 

え、隣の東エリアで風紀委員と戦った?まさか空崎さん達もここに来ていたのですか!?

成る程、ではあの時不良の方達がフラフラしていたのは....まさか私達が気づかない間にそんな大変な事態が起こっていたとは...。

 

どうやらもう騒ぎは収まったそうなので、これ以上何かこの場所にご迷惑をかける事は無いでしょう。

 

....そうだ、丁度今スイカ割りをしていた所なのですが、よければハルナさん達もご一緒にいかがでしょうか?

参加してもいいのか?勿論ですよ、友人と一緒に夏を過ごすというのも大切な思い出ですから。

 

 

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楽しかった一泊二日の小旅行もそろそろ終わりの時、私の胸中には満足感と共にどこか寂しさか渦巻いていました。

何個もあったスイカはハルナさん達が参加したおかげで残す事なく綺麗に食べ終わる事ができましたし、これで跡を濁さずに帰れそうで一安心です。

 

中でも一番食べていたのはアカリさんでしたが、流石にあの大きさのスイカが一瞬目を離した隙に無くなっていたのは若干恐ろしさを感じましたね...彼女のお腹は一体どうなっているのか不思議です。

 

その後ハルナさん達はこのまま別の場所に向かうとの事ですぐに別れる事になりましたが、そんな彼女達が乗り込んでいたのは給食部のトラックでした....ハルナさんが言うにはちゃんとお借りしたものだそうですが...学園に戻ったらフウカさんを労うとしましょうか。

 

まあ色々と予想外な事もありましたが、全体を通して見れば宇治さん達と一緒に海で楽しむという目標以上に楽しい時間を過ごせたと思います。

....また機会があれば今度も皆さんと一緒に別の場所に遊びに行くのもいいかもしれませんね。

 

楽しそうに話す三人を見ながらそんな気持ちを内心思い浮かべていた私は、それから彼女達に声をかけ車に乗り込むとゲヘナ学園までの道のりを走らせていったのでした。

 

 

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