誤字報告ありがとうございます。
夏休みも終わりに差し掛かろうとしていたある日、寮から部室棟へと向かう途中に後ろから声をかけられました。
振り返るとそこにいたのは風紀委員会の天雨さん、彼女とは空崎さんの元へお茶の提供をしに行く際に何度か会ったことはありましたが、実際に話したことはあまりありません。
私は珍しいと思いながら彼女が話すのを待っていると、天雨さんは少し躊躇する様な素振りをみせ、なんと頭を下げてきたのです。
まさかそんな事をされると思っていなかった私が困惑する中、彼女は一緒に風紀委員会の執務室に来て欲しいと言ってきました。
一体何があったのかを尋ねるも見た方が早いと濁されてしまったので、ひとまずそのまま彼女の後ろをついていく事に。
やがて辿り着いた執務室の扉を天雨さんがノックをしてから入ると...そこには机に向かってカリカリとペンを走らせる空崎さんの姿が。
が、彼女の顔を見てみるとそこにはハッキリと見える程のクマが浮かんでいました。
彼女の傍には銀鏡さんと火宮さんが立っており、二人とも休む様声をかけていますが、空崎さんには全く聞こえていない様子。
そこでようやく天雨さんが事の次第を話してくれました。
なんでも最近になってまた風紀委員へと流れ込んでくる仕事が増えているらしく、そのせいで普段よりも休む時間が取れない日が続いているそうです。
特に空崎さんに関しては書類作業の他にも争いごとの鎮圧作業を天雨さん達が止めても率先して向かってしまう為、余計に疲労が溜まってしまう状況との事。
ところで今日私を連れてきた理由というのは....え、そろそろ空崎さんを何が何でも休ませたいからそれに協力して貰いたい?
成る程...それは構わないのですが具体的にどうすれば....そう尋ねようとした時不意にガタンという音が聞こえ、そちらを見ると空崎さんが机に頭をつけて寝息を立てていました。
これは相当重症ですね...わかりました、では私なりに彼女のリラックスプランを考えましょうか。
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今私は郊外の通りを一人歩いていました。
何でも最近この辺りに新しい骨董品屋が建ったとの事で、学校が再開する前に折角ならば見ておきたいという私の好奇心に駆られてやってきた次第です。
そうしてお店までの道を進んでいたのですが、その途中賑やかな音楽や人の声が聞こえてくるのがわかりました。
気になった私がそちらに向かってみると、そこではなんとお祭りが開催されていました。
色んな食べ物や祭り特有の商品が売られている屋台が立ち並び、人々がそれらを見て楽しそうにしている光景はまさに夏を感じさせてくれます。
それと同時に周りを見ていた私はある一画に見覚えのある人物がいるのを見つけました。
それは去年知り合ったアルさん、懐かしくなった私が彼女に声をかけると彼女は驚いた声を上げて振り返り、その声に反応したのかムツキさん達三人も駆け寄ってきます。
その内一人は見覚えがありませんでしたが、どうやら彼女が以前ムツキさんと会った時に聞いた新入社員だそうです。
それから少し彼女達と話をしたのですが、どうやら今回のお祭りで使用するお神輿がかなり貴重なものらしくそれらを狙っている集団の噂もある為彼女達がその護衛依頼を頼まれたのだとか。
便利屋としての職務中であればこれ以上お邪魔するのも申し訳ないですね、そう思い彼女達に一声かけてからその場を去ろうとした瞬間...辺りに銃声が響きました。
突然の事に混乱する人々の前に現れたのは武器を持ちヘルメットを被った集団、彼女達は堂々と名乗りをあげると神輿をいただきにきたと宣言しています。
どうやら彼女達が噂の集団の様です、アルさん達はそれを見て彼女達の元へ出て行きますが相手は中々に人数が多め。
アルさん達が強いのは知っていますが万が一という事がありますし、それに他の住民の皆さんの安全を確保するという意味でも人手は多い方がいいでしょう。
そう考えた私は袖から取り出したハンドガンを手にすると、アルさん達同様に前へと出て行きました。
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とうとう夏休みもあと数日、長かった様な短かった様な...そんな不思議な感覚でしたが、満足のいく時間を沢山過ごせたという事だけは確かです。
そんな事を考えながら今日も変わらず茶室に向かい入り口の扉に手をかけようとした時、横の壁に何やら一枚の紙が貼られているのを見つけました。
それを手に取り見てみると....そこには私達の同好会を正式な部活とするかどうかの確認欄が記載されていました。
...確かに、この同好会も去年私が一人で立ち上げた頃と比べてすっかり大きくなっています。
それに加え最近の花火大会への貢献など、学校に対して寄与する割合が増えてきたのも今回この様な提案がなされた一つの理由なのでしょう。
.....これは、どうするのが正解なのか。
確かに初めの頃は私しかおらず、部とする為にささやかな勧誘活動を続けていたりもしました。
それが宇治さんを始めとし、狭山さんに川根さんが来てくださり成長した今では正直その様な事を考える事は無くなっていました。
....ひとまず、三人が来るまで待ちましょうか。
私は手に取った用紙をもう一度だけ見た後、まだ誰もいない茶室の襖を静かに開けたのでした。