ゲヘナに漂うお茶の味   作:Mrふんどし

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朝宮サエの日常17 ★

学園生活が再開してから数日、久しぶりに集まる事になった私とフウカさんは現在茶室にてそれぞれの夏の思い出を語り合っていました。

 

当然夏休み期間中であっても食堂の運営を止める事が無かったのもあり、私の正面に座るフウカさんはこれまでに起こった事に対する愚痴を話しては溜息をつきながらお茶を飲んでいます。

 

牛牧さんと調理器具の新調で買い物に出かけた話や生徒達の食事の量や味に対する文句を言われた話、ハルナさん達に突然トラックを持っていかれた時の話などなど...中々に濃い夏休みを過ごしていたようです。

それでもいつもに比べればまだ大人しい方だったと半分死んだ目で語るフウカさん、彼女も既に悪い意味で慣れてしまったのでしょう。

 

そうこうしているうちにフウカさんは食材の準備の時間に、私はもうすぐ宇治さん達が来る時間が迫ってきたので解散する事に。

今度は牛牧さんも連れてくると言って部屋を出ようとした彼女でしたが...扉を開けた瞬間、そこにはニコニコととても良い笑顔を浮かべているハルナさん達が立っていました。

 

なんだか前にも同じ様な事があった気がしますが一応話を聞いてみると、どうやら前から探し求めていた伝説のタケノコを見つけたそうで、是非ともその調理をフウカさんにお願いしたいとの事。

....え、私もですか?タケノコの皮を使ったお茶を作ってほしい?

いえ、確かに作る事はできますが...あ、もう強制なんですね...

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

現在私は全速力で保健室への道のりを走っていました。

その理由は一つ、私の携帯に狭山さんが突然倒れたという連絡が入ったからです。

 

今日もいつも通り先に茶室で三人を待っていた最中の出来事、私は途中まで淹れていたお茶を放り出す勢いで茶室を飛び出して行き、その勢いのまま保健室の扉を開きます。

 

そして私の目に映ったのは....ベッドに寝ている狭山さんが注射器を片手に迫るセナさんを震えながら必死に止めている光景でした。

少々予想外の事態に一瞬固まってしまいましたが、狭山さんが小さな声で助けを求めているのを聞き慌ててセナさんに声をかけると、振り返った彼女は何があったのかを話してくれました。

 

どうやら狭山さんが倒れたのは栄養失調が原因で、先程はビタミンなどを含んだ栄養注射を打とうとしていたそうです。

狭山さん曰く最近宝くじを買いすぎたせいで食べる物がなく、茶室のお茶菓子でなんとか凌いでいたのですがとうとう限界がきたとの事。

 

確かにここ数日お茶菓子の減りが早いとは思っていましたがそういう理由だったのですね...というか最近は狭山さんの浪費癖も改善してきたと思っていたのですが....これは彼女の為にも暫く監視した方がいいでしょう。

 

ひとまず嫌がる彼女を宥めて注射を打ってもらった後、今日は保健室で過ごさせて貰えるとの事だったので、私はセナさんと少し話をしてから一度茶室に戻る事になったのでした。

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

今日は休日で特にする事は無かったのですが、それを見透かしたかの様に棗さんとイブキさんが茶室へ訪ねてきました。

 

どうやら昨日イブキさんが綺麗な紅葉を見たいと話していたらしく、それを叶える為に紅葉狩りに出掛ける算段を立てた棗さんが折角なら私も一緒にどうかとの事。

紅葉のシーズンには少し早いですが場所によっては色づいている所も見つかるでしょう、話を受けた私は二つ返事で彼女達に同行する事になりました。

 

暫く車を走らせた先に広がっていたのは綺麗に紅葉で彩られた山の表面、近くに車を止めて山道を歩いていく度に映る目の前の光景にイブキさんは大喜び。

私と棗さんはそんな彼女を見守りながら周りを囲う紅葉を堪能していたのですが、不意に視界の先に佇む一人の人影を見つけました。

 

この辺りでは珍しい白色の制服を見に纏っており、紺色の髪を風に靡かせながら優雅な雰囲気を醸し出している少女...ゲヘナでは見た事が無い子の様ですが、それよりも気がかりだったのは彼女が立っている場所。

 

彼女の数歩先には少し急な坂ができており、上を見上げながら歩くのに夢中になっている少女はそれに気づいていない様子。

私は大きな声でその場に立っている少女に呼びかけると彼女は私の声に驚いた様子で飛び跳ねました...が、そのままバランスを崩し悲鳴と共にゴロゴロと坂を転がり落ちてしまいます。

 

これは不味いと思い慌てて坂を降りて駆け寄りますが、目の前の少女はピクリとも動きません。

どうやら転がった先で木の幹にぶつかり気絶してしまった様です、そしてふと彼女の制服の襟を見てみるとそこに描かれていたのはなんとトリニティの校章。

 

つまりこの方はトリニティ総合学園の生徒という事で.....あれ、もしかして私とんでもない事をしてしまったのでは?

 





今回また新しいオリ生徒が登場しました。
ひとまず登場予定のオリ生徒はこれで最後の予定です。
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