商店街の会長さんとお茶の交流会の日程などを打ち合わせした帰り道、街中に突如として轟音が鳴り響きました。
普通の暴動程度ではあり得ないような事態に慌てて向かった私でしたが、辿り着いた現場にて視界に映り込んだのはもくもくと立ち昇る煙と、地面に大きく開いた巨大な穴。
その時点で私の脳内には以前学園でも似たような事があったなぁと若干嫌な予感を覚え始めていましたが、その考えは煙の中から聞こえてきた高笑いと共にほぼ確信へ変わります。
どうか予想が当たらないで欲しい...そんな願いは虚しく煙が徐々に晴れ中から現れたのは当然温泉開発部のカスミさん、更に今回は彼女だけでなくメグさんまでいらっしゃるようです。
目の前の事実に思わず頭を抱えて立ち尽くしてしまいますが、そんな私にお二人が気がつき声をかけてきたので溜息混じりで何をしていたのかを尋ねてみると、案の定温泉を探し求めていたとの事。
それで、温泉は見つかったのですか?....あ、失敗だったと、そうですか...
温泉が出なかったにも関わらず特に悲観する素振りを一切見せない彼女達。
計画が失敗しそうとわかった時点で止めるのが普通ですが、その常識が通用しないのが”温泉開発部”です
温泉が出そうなら当然爆破、出ないとわかっても問答無用に爆破...どんな状況でも(温泉開発する事を)諦めない、それが彼女達なのです。
その努力をもう少し他の部分に向けられればテロリスト扱いされないと思うのですが....空崎さん達も苦労するわけです。
その後カスミさん達と軽く話した後、次の温泉ポイントに向かうと唐突に言って、何事もなかったかの様に去っていきました。
え?温泉が出たらお茶風呂にでもしていい?
何を言っているのですか、流石に私もそこまでは考えてませんよ。
確かにお茶風呂自体は存在してますが....
........
.........
.........っ!いけませんよサエ、惑わされては駄目です!
...とりあえず用事も済みましたし、学校に戻りましょうかね。
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いつもと変わらずアサリさん達と茶室で過ごしていたある日、もう少しで本日の活動が終わる時間に差し掛かったタイミングでふと私の携帯に着信が入りました。
三人に断りを入れから廊下に移動し確認してみると、なんとそのお相手は本山さん。
何かあったのかと思い電話に出てみると、いきなり彼女が今度のお休みにデートをしないかと提案してきました。
突然の発言に困惑し固まってしまいましたが、要は最近話せていないので今度直接会わないかとの事。
どうやら先程の発言は最近見ているテレビの中で出てきた台詞回しをしてみたかったそうです。
まあ特にやることも無いので二つ返事で了承し、集合場所と時間を決めて電話を切ってから茶室へと戻り時間まで雑談をして過ごした後、そろそろ帰ろうかといった所でアサリさん達に先程の電話の件について尋ねられました。
私は素直に答えようとしたのですが、それを寸前で止めある事を考えます。
以前本山さんと話をしていた時、私は少し真面目に考えすぎだと言われた事がありました。
...確かにこの前の夜桜さん達とのカラオケでも気楽さが足りないと自覚する部分もあったのは事実です、ふむ...こういった時も冗談で返した方がより良いコミュニケーションを取れるのかもしれません。
そう考えた私は本山さんの発言を真似し、次の休みの日にデートに誘われたと冗談めかして話しながら三人に別れを告げ寮へと歩いて行ったのでした。
ふふ、私もやればできるものですね。
今度からこういった言い回しを学んでみるのも良いかもしれません。
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本山さんと会う約束をした当日。
ゲヘナ郊外の待ち合わせ場所へ向かってみると、目元にはサングラス、口元には顔の半分を隠すほどのマスクに全身を覆う黒のコートを羽織ったいかにも怪しげな少女が立っているのがわかりました。
相変わらず別人と思うくらいの変装ですね...え?今度は頭に角のアクセサリーでもつけてくる?
さ、流石にそこまでするともう何がなんだかわからなくなるのでやめた方が....
これ以上本山さんが変人化するのを押さえつつ、その後周りの好奇の視線を浴びながら彼女と向かったのはごく普通の喫茶店。
そのお店に入り軽く注文を済ませた所で、本山さんの口から最近の彼女の紅茶事情についての話が波の様に飛び出し始めました。
きっと早く誰かに話したくて仕方がなかったのでしょう、語り続ける彼女の口ぶりからは嬉しさが滲み出ているのがわかります。
それから暫く本山さんの話を聞き続けている内にやがて私の話となり、その中でアサリさん達を名前で呼び始めた事を知った彼女が自分も是非名前で呼んで欲しいと詰め寄ってきました。
なんでも″互いを認め合ったライバルは名前で呼ぶもの″というのが常識だそうです。
....おかしいですね、彼女とライバルになった覚えが全くないのですが...けれども本山さんはこちらを期待する様な目でじっと見つめてきています。
まあライバルの話を抜きにしても名前で呼ぶ事に関しては別に問題は無いので彼女の提案に乗ると、彼女はより一層目を輝かせておかわりを注文し始めました。
......どこからか視線を感じた様な....気のせい、でしょうか?