ゲヘナに漂うお茶の味   作:Mrふんどし

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朝宮サエの日常21 ★

いつもの様に彼女達が来るのを茶室で待っていた時の事。

不意にバァンと勢いよく襖が開かれ、そこから頭に狼耳のカチューシャを身につけたキョウカさんが現れました。

 

彼女の格好に首を傾げていた私でしたが、続いて現れたお二人の格好、それに加えてキョウカさんの『トリック・オア・トリート』という言葉を受け今日がハロウィンである事を思い出しました。

 

成る程、確かにそれなら彼女がやる気になるのも納得です

いいですね、是非楽しんできてください。

 

私は行かないのか?生憎仮装出来る様な服を用意してなかったもので....

私の言葉を聞いてどこか考え込むアサリさん達...何でしょう、何故か嫌な予感がするのですが。

 

え、すぐに用意出来る仮装がある?それに一度着た事があるもの?

 

.....待ってください、まさかあの時に着たコスプレとは言いませんよね?

あの、皆さん何故じりじりと迫ってくるのですか...?

あ、ちょっ......!

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

時が経つのは早いものです。

季節は11月を迎え、日中吹き付ける風の冷たさから冬の訪れを感じられる程になりました。

 

楽しい事も沢山ある時期ですが、それと同時に寒さ対策についても考えなくてはなりません。

普段私達が過ごしている部室棟はその名の通り部活動の為の場所、しかし部屋の殆どは自由なスペース代わりと使われているのが現状です。

 

それもあってか重要度が低いという理由で暖房設備などにあまりお金がかけられておらず、冬は中々に厳しい環境となっていました。

 

一応畳のある茶室はそれなりに暖かいのですが、それでも今以上に寒くなれば不十分と言わざるを得ません。

万が一にでも風邪を引かせてしまったら申し訳ないですし...

 

その時ある案を考えた私は放課後一人郊外へと出向き、そこで一つの炬燵を購入したのでした。

 

サイズは少し小さめですが、これなら一応四人で暖まる事が出来ますし問題ないでしょう。

ふふ、皆さんの反応が楽しみですね。

 

 

.....が、私は甘く見ていたのです。

炬燵の持つ魔力を。

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

本格的な冬に入れば移動も困難になってしまいます。

そう考えた私は折角だからと久々に百鬼夜行へとやって来ていました。

 

ゲヘナとは違った雰囲気を持つ空間に改めて惹かれながら歩いていると、見覚えのある人物が必死に荷物を運んでいる姿を見つけます。

 

あの方は...確か百夜堂の看板娘の河和さんだった筈です。

そう思い私は近づいて声をかけると、彼女は驚いた顔をしながらも元気に挨拶を返してくれました。

 

どうやら彼女の方も何度かお店に来た事のある私を覚えていたようです。

彼女曰く今はお店のイベント準備中らしく、お客さんも大勢やって来る為これから大忙しなのだとか。

 

そんな話を聞いていた時、突然横から別の店員らしき二人の少女が駆け寄ってきたのですが、その顔はどこか深刻そうです。

何でも予定していた人数から大幅に増えてしまったらしく、食材の運びやら料理の作成の手が足りないのだとか。

 

今更イベントの時間を遅らせる訳にはいかないので、彼女達の言葉に唸ってしまう河和さん。

 

 

......河和さん、少しよろしいですか?もし良かったらなのですが....

 

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