【本編完結】山田リョウを餌付けした未練タラタラな元カレくん 作:SUN'S
今日はリョウとデートをする。
元カレ・元カノの関係でデートと例えても良いのかと不安になるが、俺がデートだと言ったらデートなんだとマインドコントロールを繰り返しながら、リョウの古着屋巡りに俺は着いていく。
「リキ、似合う?」
「ああ、最高だ!」
「じゃあ、これは?」
「そっちも最高だ!」
グッと親指を立ててリョウを称賛する。
やっぱり俺の元カノは何を身に付けても最高に可愛くて美人だと思っていると。なんだか不服そうに眉間にシワを寄せて、ジトッとした眼差しを向けられる。
そういう目も出来るのかと新たに知れた一面にトキメキを感じる。
「リキってさ、私のこと好きすぎるよね」
「……確かに俺の生活の大半はリョウを第一と考えて費やしているような気もするけど。そこまで好きすぎるように見えるか?」
「そう見えるよ。べつにイヤな訳じゃないけど、あんまりヨイショってされるのは好きじゃないかな。それに、リキだったら私のダメなところは叱っても良いよ?」
そう言って俺を見上げるリョウの顔は何処か男を惑わす妖艶さを纏い、傾国の美女とかそういう感じの怪しげで、この世の何よりも美しい存在に見えてしまった。
「わ、わかった、善処してみる」
「うん、期待してる」
やっぱ、俺の元カノは可愛すぎる。
そんなことを考えながらリョウの選んだ古着を購入し、彼女の代わりに荷物を持って次のお店に向かう。一応、リョウに「私の荷物だし、私が持つよ」と言われたが、俺はリョウの荷物持ちになりたい!
「………また変なこと考えてる?」
「なんも考えてないが?」
「ホントにぃ?」
じろりと俺を見据えるリョウ。
美人って目元を鋭くしても綺麗なんだなと想いつつ、リョウのためにフルーツ全乗せクレープを献上し、美味しそうにホイップクリームとスライスバナナ、チョコを食べる彼女の顔の良さに心臓が痛くなる。
俺は幸せで死ぬんじゃねえかな?
「ねえ、リキって私以外に好きな子っているの?」
「リョウ以外に好きなやつ?………いや、俺って初めての彼女が最高すぎるせいなのか。未だに未練タラタラだから、好きなヤツはいないな」
「ふーん、そうなんだ」
謎の問いかけをしてきたかと思ったら、ニヤニヤと楽しそうに笑みを浮かべるリョウに俺は首を傾げる。しかし、まあ、リョウが楽しいなら俺も満足だ。
「あ、虹夏はダメだよ?」
「何故、そこで虹夏が?」
リョウの注意と共に差し出されたクレープを一口だけ齧り、芳醇なクリームの甘さを堪能しながらリョウの「虹夏はダメだよ?」の意味を考える。
が、とくに意味は分からないままだった。