【本編完結】山田リョウを餌付けした未練タラタラな元カレくん   作:SUN'S

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愛するのは必然で

ようやく仲直り出来た。

 

まあ、実際は私の勘違いによる小競り合いだけど。リキともう一回付き合えるようになり、最近の私は頗る調子も良く、郁代も楽しそうにギターを弾いている。

 

私とリキが仲直りした次の日に土下座しながら「ギターを弾けるってウソ吐きました、ごめんなさい」と謝られ、しっかりとギターを弾けるまで、郁代の代役を務める後藤ひとりというピンク色のジャージを着た女の子を私と虹夏は提供された。

 

「ふへっ、よ、よろ、よろしくぅ…!」

 

キョロキョロと視線を逸らそうと躍起になっている後藤ひとりの視線の先に回り込み、サッと視線を逸らしたら真逆の方に回り込み、だんだんとタイマンのカバディみたいになってきた。

 

虹夏は虹夏で「この子で大丈夫かな?」なんて呟いているし、私達のライブハウスデビューは中々に波乱万丈になりそうだと私は思う。

 

「とりあえず、練習しようか」

 

「アッ、アッ、ハイ」

 

コクコクと何度も頷きながら私と虹夏に着いてくる後藤の無警戒さに少しだけ不安を抱きつつ、私はボソッと後藤を見ながら「なにあれ可愛い」と呟く店長の声を聞いた。やっぱり店長は百合の住人?

 

そんなことを考えながら虹夏にも「また可愛いとか言ってるよ」と伝える。ビミョーそうに顔をしかめて、私達を引き連れて防音室に向かっていく。

 

やはり年の差恋愛はイヤかね?

 

私の思考を読んだのか。

 

ぎろりと二人に睨まれ、ちょっとだけビビる。最近の虹夏は私とリキが付き合い直したから不服そうで、なんだか不満そうだ。

 

べつに私達が付き合っていることで虹夏に迷惑は掛けていないと思うんだけど。………ひょっとして、ほんとにリキのことが好きだったとか?

 

それこそ有り得ないね。

 

虹夏の趣味は店長と同じだし。

 

「リョウ、ちょっとこっち来てー」

 

「ん、どうかしたの?むぶっ」

 

「また変なこと考えてるでしょ?」

 

「ふぁんふぁえへ、なひよ?」

 

うりうりと私の頬っぺたを弄くりまくる虹夏に呆れながら、私達のやり取りに困惑している後藤に「いつものことだから」とだけ伝えて、虹夏は怖い人じゃないと優しく諭してあげる。

 

ふっ、私は優しいからね。

 

「虹夏、疎外感を感じてるよ。早くなんとかしてあげなよ」

 

「うぇっ、私がやるの!?ま、まあ、一応バンドのリーダーだからメンバーのメンタルケアするのは当たり前だよね」

 

「うん。あ、ついでに私もメンタルケアして。最近、リキと付き合い直したから幸せ太りしちゃったんだよ」

 

「それは自分で解決してくれる?」

 

にっこりと微笑んだ虹夏は、とっても怖かった。

 

ともあれ、私達は何とかバンドを続けられそうだ。

 

 

 




今回のお話で、最終回です。

読んでくれてありがとうございました。
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