【本編完結】山田リョウを餌付けした未練タラタラな元カレくん 作:SUN'S
初めての彼女は虹夏ちゃんだったIFルート!
本編はリョウちゃんともう一回付き合えるようになるまで、だったけれど。
こっちはダダ甘さを全開だよ!
小悪魔な君にトキメキを
俺の彼女は小悪魔だと思う。
鮮やかな金色の地毛を揺らして、俺の前を楽しそうに歩く下北沢高校のマドンナこと伊地知虹夏。彼女と付き合って半年ほど経過し、俺の人生は毎日のように最高潮を更新し続けている。
「リキくん、今日は何をしようか?」
「虹夏、俺とデートしてくれるのは嬉しいけど。リョウと始めたバンド練習は大丈夫なのか?」
「むっ。リキくん、彼女の前で友達とはいえ別の女の子の名前を出すのは禁則事項なんだよ?私だったから良かったけど。もしも他の子だったら、すっごく怒ってるからね?」
「そうなのか?」
「そーなんだよ!」
そう言って虹夏はプンスコと頬を膨らませて、如何にも「私は怒っています」というアピールを俺に送ってくる。くっっそ可愛すぎるだろと叫びそうになる。
が、なんとか俺は堪えることに成功した。
「リキくん、リキくん」
「なんだ?」
クイクイと制服の袖を摘まんで俺の注意を引こうとする虹夏に釣られて、彼女の方を向けば「君にコレをあげよう」と虹夏に何かを手渡された。
………なんだこれ。
「ねえねえ、なにか分かる?」
「すまん、ヒントくれ」
「なんと正解はドラムスティックでしたぁー!」
「?」
ひょっとして捨て忘れたゴミを渡してきたのか?
そう訝しげに虹夏とドラムスティックを交互に見比べてみるが、彼女のステキな笑顔によって俺の意思は完封される。
「ふふ、私とお揃いだね」
「お揃い」
「ドラムのスティックは二本一組。もし良かったら、このスティックみたいに、これからも私と一緒にいようねっていうお誘いとお守り♪︎」
「おいおい、神アイテムじゃねえか」
よく見ればスティックの片方に金具があり、まさかと思って虹夏に視線を向けるとシルバーのチェーンを持って、にっこりと笑っていた。
「なんだか照れるね」
「幸せ極まって感無量…!」
「お、大袈裟だよ、リキくん」
俺の言葉に赤面する虹夏の可愛さに再びノックアウトされ、ふと気がつけば俺は虹夏と手を繋ぎ、いつものように下北沢デートを楽しみつつ、彼女と一緒に「STARRY」へと戻った。
もうちょっとだけデートを楽しみたかったが、虹夏のお姉さんは恋愛に厳しく、少しでも門限を過ぎたら過干渉を通り越す勢いで連絡を取ろうとする。
まあ、虹夏みたいな妹がいたら、そうなるのは仕方のないことだと俺は理解している。だが、しかし、俺はもっと虹夏と過ごしていたい。
「ほ、ほんとにするの?」
「虹夏と一緒にいるためなら俺に悔いはない」
そう言って俺は「STARRY」のホールで虹夏とイチャイチャするという素晴らしすぎる作戦を決行し、1週間ほど虹夏とデートするのは禁止された。
「なぜだ?」
「仕方ないよ、リキくん」
おのれ、恋愛弱者め!!