【本編完結】山田リョウを餌付けした未練タラタラな元カレくん   作:SUN'S

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ロールキャベツに可愛さを

本日中「STARRY」のアルバイトはお休みらしく、リョウは元カレの俺の部屋でまったりと本を読んだり、スマホを弄ったり、勝手にラジカセを掘り出して、なにかしらのCDを聴いている。

 

「ロールキャベツ」

 

「あ?」

 

「ロールキャベツを所望する」

 

パタンと本を閉じて、ラジカセを止めるリョウ。

 

お前は何を聞いていたんだ?と思いながらラジカセに視線を向けると、そこには親戚のオッサンの置いていった秘蔵のコレクションという名の「ヤンデレ妹」のCDがあった。

 

そういやロールキャベツの話をネットで見たような、見なかったような気がする。まあ、とりあえず、ロールキャベツを作れば良いわけか。

 

エプロンを身に付けて、冷蔵庫から昨日のハンバーグ作りでちょっとばかり余ったミンチを取り出す。キャベツは半玉残っており、これだけあればロールキャベツを作る分は十分にある。

 

深めの鍋と水を用意して、ガスコンロの火を点ける。グツグツと煮え立つ前に包丁を使ってキャベツの芯を切り、キャベツの葉を一枚ずつ丁寧に破かないように剥がしていく。

 

二人分のキャベツの葉を鍋に入れて塩をふり、キャベツの葉を軽く茹でて、サッと取り出してまな板のうえにキャベツを広げ、キャベツの葉と芯を切り分け、刻んだキャベツの芯をミンチと合わせる。

 

そして、小麦粉を少量ほど振ったキャベツにスプーン二杯分のミンチを乗せて包む。さらに両端を折り畳んで、くるりとミンチを完全にキャベツで包み込む行為を、数回ほど繰り返す。

 

「あとは煮込めば良いけど。もう一品加えるか」

 

俺はジャガイモの皮を剥いて、リョウの小さな口に合わせた一口サイズにカットし、グツグツと煮えるロールキャベツの鍋の真横にフライパンを置く。サラダ油を垂らして、ベーコンと一緒に炒める。

 

「ベーコン好き」

 

「俺も好きだよ、ベーコン」

 

「燻製にしておつまみ」

 

ゴクリと喉を鳴らすリョウに「ここら居酒屋じゃねえぞ」と文句を言いつつ「確かにベーコンの燻製は美味しいよな」と思う。

 

………今度、俺でも使えそうな燻製器でも買ってみるか。

 

「っと、出来上がりだ」

 

ちょうどロールキャベツも内部のミンチに熱が通り、キャベツの爽やかで甘い風味の混ざった湯気を出しており、ずっと吸引していたい気持ちになるが、トングを使って壊さず丁寧にロールキャベツをお皿に盛り付け、ジャーマンポテトも別の皿に添える。

 

「良い香り…」

 

「お望みのロールキャベツだ」

 

「ありがと、リキ」

 

そんなことを話しながら俺はリョウにお箸を差し出して、ついでにご飯もお茶碗に装う。そろそろ炊飯器もグレードアップしてパン作りしてみようかな。

 

「「いただきます」」

 

今日もリョウと一緒に言葉を呟く、すごく幸せだ。

 

ロールキャベツに箸を当てた瞬間、ふわりとキャベツの繊維と中の具がほどけるように割れ、ジュワアァッ…!とキラキラしたミンチから漏れ出すエグい美味さの詰まった油がスープに浸透する。

 

「あふっ!?あむっ、おいしい」

 

お箸を握った手を口許に当てて、ちょっとだけ恥ずかしそうにしながらロールキャベツを食べているリョウの可愛さに思わず、見惚れてしまう。

 

俺の元カノが可愛すぎて、今日も心臓がやべぇ…!!

 

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