【本編完結】山田リョウを餌付けした未練タラタラな元カレくん 作:SUN'S
私の追っかけ、喜多郁代はごく稀に光る。
「リョウ先輩!」
しかも私と出会ったり話しているときに、よくキターン!と目映い陽キャオーラをフル活用して発光している。リキが居たら警戒したり、なぜか敵対心をむき出しにしているのも不思議だ。
「虹夏はどう思う?」
そうリキの作ってくれたお昼ごはんの唐揚げのお弁当を食べながら、私は率直に虹夏の教室で一緒に昼食を楽しんでいる途中に訊ねてみた。
虹夏は面倒臭そうに視線を逸らそうとする。でも、その程度の動きで私から逃げられないのは分かっているので、すぐに深い深い溜め息を吐いた。
「ほら、喜多ちゃんはリョウが好きでしょ?」
「うん。リキもまだ私が好き」
「……喜多ちゃんはリョウを取られたくないわけで。リキくんもリキくんでリョウへの未練を断ち切って、次の恋を探すべきだと思うんだよ」
「虹夏、私は百合は肯定するけど。ナマモノのカップリングを押し付けようとするのは止めよう。私と郁代は普通の先輩と後輩、あと個人的に悲しくなるから元カレと親友が付き合うのはナシだね」
私の言葉にクラスメートの男子がガタガタと音を立てて起立したかと思ったら、またすぐに着席した。お前ら、乙女の会話に聞き耳を立てるなよ。
「ぶーっ、別に良いじゃん。もうリキくんとは別れてるでしょ?」
「まあ、そうだけど」
それでも虹夏とリキが付き合うのはモヤモヤする。
「そもそもリョウも変だよ。彼氏と別れたら疎遠になるのに、ずっと仲良くしてるしさ」
「ふっ、それだけリキが私を好きなのだよ」
「なんかムカつくぅ~!」
「むぎゅっ」
プンプンと怒った虹夏は私の頬っぺたを引っ張ってくるけど。あまり力を込めておらず、そこまで痛いとは思わないものの。ちょっぴり擽ったいぐらいかな。
そんなことを考えつつも虹夏が手を離したら、さっきと同じようにリキの作ってくれた唐揚げを齧り、モグモグと冷えてても美味しい彼のお弁当を堪能する。
「あっ、そういえば喜多ちゃんはどうなの?」
「郁代?今日もダメだって。アルバイトには来てくれるのに、練習の誘いは用事やアルバイトがあるって不思議だよね」
「えぇ、不思議で済ませるの?」
「郁代が熱心に練習しているのは手を見れば分かるし。そもそも私達と通ってる学校も違うから、そういうのも考慮してあげよう」
「なんか喜多ちゃんに甘くない?」
「ううん、そうでもないよ。たぶん私は郁代に期待している分だけ、裏切られた時に受けるショックは虹夏より大きいと思う」
「あ、あー、確かに」
私の言葉に苦笑いを浮かべながら納得してくれた虹夏のお弁当箱から玉子焼きを拝借し、最近は家庭菜園にもハマっているリキのプチトマトをプレゼントしてあげる。
「うん、美味しい」
「私の玉子焼きじゃん、それ!!」
はて?
もう私の玉子焼きですが?