Re:ゼロから始める青春物語   作:カピバラバラ

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『リベンジマッチは完勝で』

 

 

 

「────ふざけんな」

 

 

何が起きたのかを脳は理解していた。何があったのかを身体が遅れて理解して、尋常ではない汗が湧く予兆が神経を駆け巡っても、免疫の働かない今のスバルは生唾を飲むばかり。

 

その場で膝を折って崩れ落ちることだけは耐えて、スバルは荒い息を吐いて感情を冷却する。

背後、スバルに付き添う形でムツキが、憂うような視線を送ってきている。点滴を打っている様な人間が唐突に苦しむ姿を見せたのだ、妥当な所だ。

 

苦し紛れに「ふざけんな」と重ねて不服を漏らす。スバルの何もかもを馬鹿に、無下にされた気分で──。

 

 

「スバルきゅん…?」

 

 

「…キレてる場合じゃねぇ、俺の苛立ちなんてどうでもいい。今はそれよりもアレの対処をしないと…」

 

 

アリウス生徒は自爆した。スバルの目に映ったあの爆炎と灼熱は、彼女らの身体を内側から破壊しつくして、肉片となると共にスバルの命まで奪ってきた。

殺意の理由も身を呈して殺される理由も思い当たる節は無いのだが、ナツキ・スバルという存在が向こうにとってどこまで大きくなっているのかが嫌でも理解させられる。

 

自爆だって…全部、身体に身につけたものはホシノが外していた筈。ボディチェックは入念に行われた上で、あの自爆は……──、

 

 

「体の中に爆弾仕込んでた」

 

 

──ベアトリーチェ。

 

ベアトリーチェ、ベアトリーチェベアトリーチェ。死ぬ直前に聞いたあの音。あの音が、彼女らの身体に悪夢を詰め込んだ諸悪の根源か。

 

 

「──スバル」

 

 

「っ」

 

 

「大丈夫〜?なんだか、すっごく怖い顔してるよ?スバルきゅんの面倒見といてって言われてるからさ、体調が悪くなったらすぐ言ってね♪」

 

 

「…大丈夫、モーマンタイだよムツキ」

 

 

──猶予が無い。かつてこれほど、『死に戻り』と死亡時間が近かったことがあるだろうか?数時間から数日、アビドス高校に到着してからは数日の間に最善手を見つけてきた。

 

だが今回のセーブポイントには、丁度数分、数十分。その程度で死の機会が訪れる。

 

たったの十五分で、スバルに何ができる。

 

悩む間にも時間は過ぎる。

今回の場合、単純に死亡を避けてヒカリを救うのなら簡単な話だ。スバルがあの爆発に巻き込まれなければいい。あの行動、あの死亡が自爆でしかないのなら、その機会さえ奪えばいい。

 

自分だけが助かるには、それでいいんだ。その行動の結果がどうなろうと、あの少女達は必ず死亡するだけで。

 

 

「止め…れるのか、俺に。アイツらに対して、俺は何が出来る」

 

 

命を救うべきか、その罪の話をするのなら、彼女らを救う意義は既に無い。

自害を阻止し、捕縛で済ませ、この場における命への配慮を済ませた上で自爆を選んだ彼女らは、文字通り『スバルが救う必要の無い命』。

シロコの言葉を嫌でも実感する、どうして、同じ『生きる』という路線を歩むものであるのに、あそこまで尊厳を蔑ろに出来るのか。

 

ベアトリーチェ、単語だけの意味を汲み取るとダンテの『神曲』に出てくる案内人にして、永遠の淑女と言われる女性の筈。けれどアリウスの生徒が急に音楽の魂に目覚めない限り、今際の際で『様』を付けて名を呼ぶ事は無い。

 

捕まったら自爆しろ、とでも命じていたのか。

自分の命は、使い捨ての爆弾程度にしか過ぎないのだと、ベアトリーチェはそう教えていたのか?

 

 

「……ムツキ」

 

 

──守る為じゃなくていい。

 

スバルが、そのベアトリーチェとやらに負けるのが嫌だからでいい。

ベアトリーチェの教育方針が、勝つにしろ負けるにしろ実現してしまう事が嫌だ。彼女らを死なせた時点でスバルは、ベアトリーチェに根本的には敗北したと言えてしまうから。

 

 

「俺に──」

 

 

ついてきてくれ、全部信用して、そう言葉を伝える直前で、スバルの足元が大きく揺れだした。

 

 

「スバルきゅん!」

 

 

ただでさえ点滴台に重心を任せているというのに、地盤を揺らす様な地鳴りに耐え切れる筈もなく転倒してしまう。

危急の事態が目の前にあると分かっている以上、不測の事態が起きようと一丸となって行動する事が、戦力の面で見ても残当。

 

すぐにでも立ち上がって、先程の様に全員を招集しようと──、

 

 

 

「───嘘だろ」

 

 

 

鉄が莫大な重量に耐えきれず、赤熱しながら焼け折れる音がする。

頭の中に響く破壊音と目の中に入ってくる砂粒が、あの記憶を呼び覚ます。

体育館の天井が無常にも、台風が通った後のように吹き飛んで、

 

 

「ビナー…!?」

 

 

絶望の福音が、すぐそこにまで迫ってきた。

 

無理解、無機質な存在。感情を持っているのか、心があるのか、何を基準として生きているのか、そもそも生きているのかすら分からない大蛇は、食い破った天井の隙間から顔を覗かしている。

 

何の予兆も無かった、そもそも死に戻った後はコイツが来るなんて事も無くて、この状況は有り得ない現実だ。

 

 

──だというのに、その視線が、確かにスバルへ向いている事に気がついた時。

 

 

「─────────!!!!」

 

 

「ぁ……」

 

 

大蛇の絶叫がその場にいた全員の内臓を再度揺らす。

スバルが『いる』事を認識した大蛇は、口に微光を集めていく。世界が傷んでいくようなエネルギーの塊が徐々に空気を割いて、その余波で体が今すぐにでも吹き飛びそうなのに、アレはまだ『発射』にすら至っていない。

 

怖い、恐怖している、あの砂嵐が肉体を削り殺した感覚が甦ってくる。

思考の停止は、すべき行動へ辿り着くまでを遅らせる、淡い橙色の光がスバルの記憶を緩やかに解凍した。

 

即ち、スバルの死が決定づけられた訳で───。

 

 

「────」

 

 

悲鳴も嘆きも喉から出る前に、世界が焼ける熱量───を。

 

 

「任せて、スバル」

 

 

その身一つで受け切る少女に、空いた口が塞がらなかった。スバルの目の前に展開される大盾と、大盾を構える少女は、背後に居るスバルへ一切の破壊を届かせない。

──逆に、押し返し始めた。あまりにも常世離れした光景に、再度思考がフリーズ。死の恐怖に凍りついていたスバルは、小さな背中があのエネルギーの奔流をその身一つで押し返す彼女はこの世の理から外れた存在に見えた。

 

あれだけの死に戻りを繰り返して尚、小鳥遊ホシノを過小評価していた事実。彼女が守ってくれる限り、恐怖を抱く必要は無い、怖くなんてない、のに、

 

 

「────────!!」

 

 

体育館が混乱に包まれても、あの大蛇はスバルを見つめていた。

こちらを向いているかどうか分からない程、大きいのに。まるで象がたった一匹のアリを執拗に、執念を持って殺しに来ている。

 

 

「なんッ、なんだよ!マジでお前は!」

 

 

「スバルきゅん!背負うから掴まっててね!」

 

 

「頼んだ!っ…───シロコぉぉ!!!アル!セリカ!!」

 

 

叫ぶ名前は、スバルの意図を汲み取らずとも動ける者達。カヨコやアヤネは自分の考えで行動できるからこそ、スバルの指示が必要なのはその三者だ。

指示は短く的確に、何をして、何を成すのかを口にして、

 

 

()()()()()()!そいつはホシノが相手するから、ヒカリを救ってくれ!!」

 

 

この声が三人に伝わったかどうかは分からない。天井の崩落から、身を避けることでいっぱいか、それとも突如入られた大蛇に唖然としたままか、この鍔迫り合いと騒動の雑音で打ち消されたか。

 

いずれにせよ、スバルがここに留まれる時間は無く、ムツキに背負われて体育館を飛び出した。点滴を引きちぎり、世界の全てが崩落する前に抜け出し──、

 

飛び出して、瞬間。

 

 

 

「………!!?」

 

 

 

事態は、まだ最悪の方向に転がっていないことを。そしてまだ最善へ滑り込めるのだと、スバルの真上。

 

──燦々と輝く太陽が証明していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アロナ!」

 

 

《了解致しました!》

 

 

砂嵐の消失、それはアロナが全身全霊を発揮できる状態になった合図だ。恐らくではあるが、砂嵐はビナーが巻き散らかしていた。それが今止んでいると言う事は、砂嵐の展開と戦闘は同時に出来ないか、ホシノに集中して砂嵐という攻撃方法を止めているだけなのか。

 

 

「スバルきゅん、あの機械に顔覚えられるようなことでもした?」

 

 

「いんや全く!街中で肩ぶつけられた覚えもないし、多分詐欺方面で吹っかけられてる!ちなみに何でそんな質問──」

 

 

「後ろ後ろ♥」

 

 

「─────」

 

 

──背後、ホシノがビナーの口に盾を突っ込んで顔面を馬乗りにしながら、暴れるビナーと共にグラウンドへと墜落していく光景が見えた。

更に言えば、ホシノと争っているというより、スバル目掛けて全力で進むビナーを食い止めている様に見える。

 

余程の執着心があるのか、さしものホシノもビナーの巨体に押されているが、

 

 

「…逆になんで拮抗出来てんだよ」

 

 

「くふふ〜、流石だね!外もなんでか晴れてるし…街まで逃げちゃう?風紀委員の車を借りたらいけるけど…スバルきゅんに任せるよ」

 

 

「街中まで……──は、駄目だ。今ホシノ達をここに置いてけねぇ、それにムツキに頼みたい事もある……ムツキ、何も言わず、力を貸してくれ」

 

 

「勿論だよ、スバルきゅん。くふふ、アルちゃんにも何か…大切っぽい事言ってたみたいだし、今は何が狙いかな?言ってみて?」

 

 

「──その代わり、期待を裏切らないでよね、スバルきゅん」

 

 

「はッ、負け戦なら百戦錬磨!任せとけ!」

 

 

非日常に慣れすぎているのも難儀なものだ、この状況においても冷静で、それでいて指示を仰げる余裕がある。

この中に紛れてスバルが冷静で居続ける為に、どれだけ積み重ねてきたか。

 

今、肌に当たる砂粒にさえ微弱な恐怖を抱いているのに。

 

 

《解析と周囲の分析終了致しました、スバル様。ビナーの活性化と共に校舎内のアリウス生徒もノゾミ様を抱えて移動中です!恐らくは…現在察知した外部からの侵入者と共にこの場を立ち去ろうとしています…!》

 

 

《同時にビナーの武装も判明、口内から発射されるビーム兵装に加え、人工的な砂嵐の発生とその威力の増強を体内を通して行っています。更にはビナーの権能として『物質の分解』が見られました、木材から鉱石に至るまで現存文明のあらゆる物質をマイクロサイズにまで分解が可能かと》

 

 

「なら、ホシノがそうなって無い理由は!」

 

 

《分解が可能なのはあくまでも物質であり、ホシノ様が纏っている『神秘』に効果が阻まれています。逆にスバル様が射程距離に入ってしまわれると、物質との境界が存在しないスバル様は……》

 

 

「言われずともその先は『経験済み』!アロナ、救出か援護か、どっちだ!?」

 

 

《──救出を優先しましょう》

 

 

「──分かった、信じる」

 

 

アロナの指示はそのままスバルの口から、ムツキの耳へ。

了承を得て校舎へ突入する、以前よりも効率的で、以前よりも素早く、アロナの誘導が最速最短の到着へと導く。

 

薄暗い色をしていたはずの世界は、太陽が照らす事で別世界へと生まれ変わる。鬱々としていた長廊下は、ムツキの歩みを祝福するように太陽が照らし出す。そして目的地に追いすがる先、突如ムツキの一歩先の地面が陥没し、スバルの視界が泥に覆われて──。

 

 

「あぶぶぶぶっ!?なっ、なん──」

 

 

「わぉ!!」

 

 

「ごめん!結構余裕無いかも!ムツキちゃん、スバルの事頼んだよ…!」

 

 

ビナーの巨体が、アビドス校舎に叩き付けられる。ビナーが触れるその全てが砂塵へと変わっていきながら、校舎は本来の形を失っていく。

しがみついているだけで精一杯のスバルにとって、泥の一跳ね、自分へ向かってくる少しの重量が致命傷になりかねない。

 

スバルがまだ生き残っているのは一重に、ムツキとホシノが全力で意識を向け、スバルに飛来する物体を遮っているからだ。

状況はスバルの少しの動作で変化する、アロナが指揮するホシノは無敵を誇るが、

 

 

「っ、見つけた…!」

 

 

──対処すべき事案が増えれば別の話。

今まさに、裏口から外へ出ようとしている偽ヒカリを見つけてしまう。

 

取れる選択肢は二つ、ビナーを排除してから追跡するか、この場で追い付いてノゾミを取り返すか。

死の記憶が、どちらかを選ぶ手の首を握りしめる。万物一切合切が、身体のすぐ側で灰燼となって行く恐怖。

 

選択肢を間違える恐怖、蛇の身体がスバルを押し潰しに来る恐怖、飛んでくる飛沫の一片が命を奪う恐怖。

ムツキの一歩先が崩壊し、ホシノが巨躯に吹き飛ばされ空を舞い、割れた窓ガラスの破片がスバルの頬を傷つけて、数ミリの間違いが命を失う状況でスバルは自分を信じれるほど驕っていない。

 

 

ならば、今信じる相手はただ一人。

 

 

《──調整、完了》

 

 

《スバル様、特定の位置まで移動後、射撃体勢を取って下さい》

 

 

「アロナ」

 

 

《私がノゾミ様を救って見せます》

 

 

──アロナの声が、脳髄を伝い神経の奥深くにまで染み渡る。

救うと発したその名前は、スバル以外の誰かの名前で、それはきっと素敵な事なんだろう。

 

 

「──────」

 

 

「ムツキ!とっくに分かってると思うけど、無茶苦茶を承知で押し貫く。ひとまず、ホシノの邪魔にならないように校舎から出て欲しい。そしたら俺を放り投げてホシノの援護に回ってくれ」

 

 

「ほんっとに無茶じゃん!今の、状況……──分かってる!?」

 

 

「死にかけだな、それにムツキに運ばれてないと一瞬で死ぬ、俺は必死にしがみついてるだけで精いっぱい」

 

 

スバルの容態を見る余裕すらなくなってきたムツキが「それから!」と、スバルが求めていることを引き出そうと声を張り上げる。

 

 

 

「──それから、今から一人でアリウスの相手をする」

 

 

 

「………!勝算は!」

 

 

 

「可能性なら胸いっぱいに抱き込んでるから、あるって断言しとく!」

 

 

どうしようもない人間を背負ってしまった、そんな風に思われてそうだなと内心自虐する。そんなどうしようもない人間の望みを必死に叶えようとしてくれている事実が、スバルの決断を後押しして──、

 

 

「絶対生きて帰ってきてよスバルきゅん!勝手に死んでウチの社長泣かせたまま地獄に行ったら追いかけるから♪」

 

 

「地獄行きは確定なのね!?──勝つさ!勝って、生きて帰ってくる!!」

 

 

「それじゃ──行くよッ!!」

 

 

ムツキの身体に硬く腕を回し、最後の加速を身に味わう。キヴォトス人の本気の加速は、ヒナと共に味わって以来の浮遊感だ。

仮にスバルの望む過程を全て踏めたとしても、結果を出せるかは全て自分次第。

 

 

「──」

 

 

尚更燃えてきた。スバルが結果を変えてきた、ナツキ・スバルが未来を操ってきた。それでも、ナツキ・スバルが一人で十全であるかどうかは、語るまでもなく。

結果を出して、初めて努力は成果になって、実らなければ全て徒労とはよく言ったもので、余りにも残酷な事実に過去の己は心を折って引きこもった。

 

今や銃を握り、テロ組織との真っ向勝負に挑む人間になっているのだから、ああ、全く、努力とは素晴らしい。

 

校舎から抜け出して、ムツキが跳躍する。スバルを地面すれすれで着地させ、振り返らずにビナーの元へ。

転がりまわって三点着地、擦れるでこと膝がジンジンと痛んで肌と地面との摩擦を存分に味わい終わった後、

 

 

 

「その誘拐、待ったを掛ける」

 

 

「──貴様」

 

 

「お望み通り、捨てたきゃ捨てさせてやるよ。ただしその後で、全部拾いなおさせてやるけどな!」

 

 

──機械的なマスクをつけた、スバルが百人いても敵う事のないであろう腕利きのアリウス生。鍛え上げられた四肢は素人目に見ても光輝いて見え、冷酷な目線は殺戮者を相手取る気分、所作の一つ一つに無駄は無く、洗練されている。

 

スバルと傭兵、更には二対一の人質アリ。万が一にも、億が一にも、兆が一にも勝ち目は無くとも、

 

 

 

《────今です》

 

 

 

「喰らいやがれッ!」

 

 

 

「───」

 

 

 

甘い痺れが手を支配する、それは発砲の証であり、一切の迷いのない一筋の希望。

取るに足らない、何の細工も無い発砲を警戒することはなく、マスクの生徒はナイフを振りぬこうとしている。

 

スバルが拳銃を構えて、撃つ。その間に何百回でも殺せる技術はあっただろうに、

 

 

 

「──迷ったな」

 

 

 

「っ」

 

 

 

ほんの僅かにあった、人間性、その機微によって産まれた死ぬまでの0.0001秒以下のラグが、スバルを勝利へと導いてしまう。

放たれた弾丸は、狙ったわけでは無く、アロナが視界に指示する通りに構えて撃っただけであったのだが、その発砲がもたらした結果は──中規模の爆発だ。

 

スバルへの爆風は、丁度目の前のマスク女が防ぎ蓋をする。背後を高熱で焼かれ、驚愕の顔を保ったまま身に受けたダメージの感覚を分析し、気づく。

手榴弾、この痛みはそれに近い。だがこの標的が投擲した形跡は無く、その動きを見せたのなら既に命を奪っているはずで、

 

 

 

「……武装を狙われたか…!」

 

 

「ふばる!わふぁひごとばふふぁふさへなひでほ!!」

 

 

「クレームは後でな!ちなみになんて言ってるかは全然分からん!」

 

 

「もごごごごご…!!」

 

 

 

文句を言い放つ元気なノゾミ(拘束済み)を見て、うんうんと無事であったのを喜び、そして自分が引き起こした爆発の正体を遅れて理解した。

アロナが狙ったのは、偽ヒカリが携帯品として所持していた手榴弾であり、そこだけを狙い撃たせる神業。

 

 

《戦闘開始。スバル様に傷一つ負うことなく、撃退します》

 

 

「リベンジマッチって所だな、今度は全力全開、手加減抜きのパーフェクトアロナだ」

 

 

「……予定とは違うが、ここで殺す」

 

 

「──今の俺は世界最強だぜ?かかって来いよ!マスク女!!」

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