──神秘と銃火器が蔓延するキヴォトスにおいて、最強とは何か。
戦車が道路を横行し、戦闘ヘリが学生同士の争いに持ち出され、ロケットランチャーすら決め手と言えない世界で最強とは何なのか。
戦車を破壊出来たら最強か?ヘリを撃ち落とせたら最強か?ロケットランチャーを無傷で受け止められる存在が最強か?
「──ここまで」
「……ここまで全部、連邦生徒会長の思い描いた通りなら…あの予言も信じるべきなのかも」
答えはある。
条件があった、最強である条件が。戦車を破壊出来なくてもいい、出来てもいい。ヘリを撃ち落とせなくてもいい、撃ち落とせてもいい。ロケットランチャーで傷を負ってもいい、負わなくてもいい。
「小鳥遊ホシノ、私は貴方に憧れていた。でも今は……何一つ、貴方から得るものは無いわ」
問題は何が出来るかどうかではなく──何でも出来る存在が居たとして、その『何でも』が他者の思う『何でも』を超越し続けなければならないということ。
──武力を行使する事で、立ち塞がる数多の敵を撃滅する。
それが最強の条件。戦車でもヘリでも、ロケットランチャーでもミサイルでも、何でも持ち出していい。想像力の限界まで最強に対し策を、攻撃を仕向ければいい。
思考の奥底まで絞り出して──最強は尚もそれを超えてくるだろうから。
「────」
「そ…空崎ヒナ…さん!?」
「…奥空アヤネね、貴方にも一目会いたかった。貴方のアビドスへの献身と、送られてきた手紙は私も見させてもらったから」
「……!」
「よく、頑張ったと思う。ここは私に任せてくれる?」
「──はい!」
彼女の発言で理解する。
あの手紙を、あの救いの声を聞いてくれたのはスバル一人だと思っていたけれど、彼女も聞いたというのなら…きっと、彼女もスバルに関わりのある人間だと思うから。
自分より一回り小さい少女に道を譲る。どれ程強いのかは分からなくとも、ゲヘナ風紀委員会委員長空崎ヒナ。その名はキヴォトスにおいて畏怖される名だ。
名実共に、最強。
自分の先輩の強さを疑った事は無いけれど、最強とまで呼ばれる相手がどれだけのものなのかは、理解していない。
「…砂狼シロコ、貴方が手を伸ばそうとしてたモノは…恐らく、決して良いものとは言えないと思う。スバルを悲しませたくないなら…アレはこれからも止めておきなさい」
「──貴方も、アレが分かるの?」
「勘、それ以上でもそれ以下でも」
「……ん」
──砂狼シロコは一目見て格の違いを理解した。
外見から見て取れる肉体の情報には、彼女の強さを推し量れるものは無い。シロコが見たのは彼女の『自然さ』だ。
全長目測120㎝重量は25kgを超えるか否かの魔改造。マガジンを巨大化させ一度に発射できる量を底上げした、凡そ人の手に扱えるものには見えない怪物銃。
それを握る空崎ヒナに、重心のブレは一切見当たらない。
まるで自分の手足だと言わんばかりの自然さ、いや、彼女の中では本当に手足のようなものなのかもしれない。
自身の身長、体重に迫る武具を身に付けておきながら、あまつさえそれを運用する存在。シロコはその姿を、その自然さを見たことがあった。
先輩だ。小鳥遊ホシノ。同じく彼女も、あの大盾を手足のように扱っている。
「…………ユ……メ…」
「喋れるのね、寝たままだと思っていたわ」
「先……輩…」
「──過去に殺される前に、目覚めさせてあげる」
亡霊、そう呼ぶに相応しい幽鬼がフラフラと、自身の先輩の名前を呼び続ける。何度も、何度も何度も何度も。
追い縋るように、追い求めるように、追い続けるために。
「…………」
「………わか……らない」
「わたしの」
「苦しみは……だれにも」
「…ええ。誰も、分からない。貴方の苦しみは貴方だけのものだから。──でも、過去に縋る貴方がもたらした苦しみが、彼女達にとってどれ程のものか貴方も分からないでしょう?」
空崎ヒナの言葉が、今も眠る彼女に届いているかは分からないが。
僅かに、震えたホシノの手がその答えを示していた。
「小鳥遊ホシノ」
「最初から、貴方が目を向けるべきは過去じゃなく、貴方がいる事で幸せを覚えてくれる相手が居る今だった。ずっと前の、貴方の虚無が埋まったあの日からそうするべきだった」
「向く理由があって、向ける相手がいて、向いて欲しいと願われている上で現実を否定するというのなら」
「──私が、貴方の夢を終わらせる」
「あ……ああ…────あああああ!!!」
空崎ヒナの愛銃──終幕:デストロイヤーが胎動する。
淡く、紫色の光を銃身に溜め、その破壊の権化は唸りを上げて。
彼女が築くその夢の、幕を下ろさせるために。
今にも落ちてきそうな空の下、最強が躍動を始めた。
■
──今まで棒立ちを貫いていたホシノが、叫びと共に自ら動き出す。
大盾を置いたある範囲までの防衛行動。シロコ達がたった三人で持ち堪えられていたのは、実の所その活動範囲の限界を見極めていたからだ。
それが今崩壊する。
それは決して言葉による精神の揺さぶりによるものではなく、空崎ヒナを目の前にしてその縛りを続ける事の愚かさを理解しているが故。
「───」
終幕:デストロイヤー。その暴虐は一度シャーレにて発揮された通り、凡そ対個人に放っていいものではない。
空崎ヒナの愛銃がホシノに向けられ、機構の回転数の上昇と共に両者の距離が縮まっていく。
「……来なさい」
トリガーに掛けられた指を引き、紫紺の光が一直線上を焼き払う。
銃口の前方は塵滅され、ホシノが元々立っていた場所は跡形も無くなった。重厚な弾幕を搔い潜ったホシノはヒナに拳銃を向け、肌と肌が触れ合う距離で互いの呼吸が重なり合う。
『破壊兵器』と『殺戮兵器』。引けを取らない両者にも差異はある、ホシノが放つ拳銃の、その弾丸が命中しようともヒナには傷一つ付かない。だがヒナのデストロイヤー、絶大な火力を有するそれが直撃しようものならば、戦闘の継続は不可能になるだろう。
主火力にして切り札、決め手ともいえる掃射をさせずヒナの本領を発揮させない方法をホシノは実行する。
接近戦。デストロイヤーはその巨体により取り回しが効かない───そんな思惑を、ホシノの脳天に鈍器として振り下ろされるデストロイヤーが両断した。
「──」
一閃。残像を纏う銃身が風切り音を伴って到来する。
空崎ヒナに戦いを挑んだ者は皆口をそろえてこう話す『話が違う』と。空崎ヒナを一個人ではなく強力な武器を持った兵器だと勘違いした生徒は、彼女はあくまでも破壊兵器を軽々と扱えるだけの人間であることを失念し、近接戦なら有利等、希望的観測をしてしまうのだ。
「ふッ──!!」
そしてまた、希望的観測による犠牲者が出るかと──思われたのもつかの間、
「……!」
小鳥遊ホシノが、両手で振るわれたスイングを片手で受け止め切る。
それもまたあり得ない光景であった。空崎ヒナの全力の一振り、それをさらに前に一歩踏み込むことで──加速しきる前に受け止め切る。
それがどれだけの技量から成るものなのかを、察知できる人間は受け止められた空崎ヒナただ一人。半身で隠されていた左手から投げられた閃光弾を片眼で追いながら、ヒナは刹那に見たホシノの努力の果てに恍惚とした。
──戦いに意味を見出すことは無い。
空崎ヒナにとって、生徒が言う抗争や戦闘といったものは『業務』でしかなく、そこに求めているものは『終了』であってその他に得られるものは何も無い。
だが今は違う。これは終わらせるべき業務でも、家に帰る為の戦いでもなく、誰かの為の戦いだ。勝者と敗者を決める戦いだ。言い訳の効かない想いの衝突、その是非を問われる戦いだ。
だから、尊敬する。敵は処理すべき許可待ち業務と同じでしか無かった自分へ、小鳥遊ホシノはその枠を超え絶技を自分へと見せつけてくれる。
勝つために『勝利』しよう──それが、自分に許された不純物の無い戦いへの想いだと。
「─────」
炸裂した閃光弾を直視する訳にはいかず、ヒナは目を瞑り爆音が鼓膜を劈くがその程度だ。
しかしホシノの目的は『その程度』の時間にある。ヒナは蛇のように脇腹に滑り込んできた感触に背筋が凍え、両手を使う為にデストロイヤーを手放してまでその感触に抗った。
振り払ったところでまだ閉じた瞼を貫いた白光と耳鳴りが収まらない、目を開けてボヤける視界に微かな桃色を残し、肌が触れ合う感触は首にまで到る。
CQC、接触によるブラフ、状況を把握する前に締め落とす。数秒の間に放たれる必殺の数々は、情報量の暴力によって対応出来ぬ者を圧殺する。
「────」
生徒の身体の強度は個々人によって異なる。首筋の血流を止め酸素の道を断つチョークスリーパーは、身体強度が上の相手に対して効果は薄い。その上でホシノがその一手を選んだということは強度と膂力が互角だと認識したからだ。
しかし光が晴れた頃、シロコ達が目にしたのは組み合う両者。終わりを予感させる一手に対し、ヒナは締め切られる前に手を首とホシノの腕との間に差し込み、呼吸を確保していた。
「────」
背中に張り付く相手へ出来ることは少ない。一手目で距離を詰める選択をしたホシノとそれを許容したヒナ、その時点で両者共にこの状況になる事を了承していた。
抗う余波が大地を割り、風が荒れ吹く。戦いにおいて汗の一つ、傷の一つ、砂の一つすら付いたことの無い両者が、互いの初めてを奪い合い、狭い狭い空間でもつれ合う。
思考能力が『暁のホルス』にまで逆行したホシノは、締めながらもこれで終わらせられる程度の相手では無いのを察知して次の一手を思考していた。
盾を捨て特攻により手にしたこの有利、これを痛い反撃を喰らう前に体力は消費させたと割り切って盾を回収するか、それとも。
「────」
迷い、というより選択の思考。そこへ、こちらへどうぞ、と手を差し伸べるが如くヒナがデストロイヤーを蹴り跳ねた。
空に舞うデストロイヤーは、落下してくるだけでも凶器になりうる。ホシノの思考に割り込むようにソレは、ただ一人の思考に入り込んできた空崎ヒナという変数。
誰も追いつけない筈の少女に、エスコートを差し伸べる者が現れた。
「────」
いいよ。そんな返事を返す様に、ホシノは拘束を解く。
緩まった拘束から抜け出して空から落ちてくるデストロイヤーに向かって跳んだヒナは振り返って、己の誘いに乗ったホシノの解答がどのようなものなのかを目にした。
何かが破裂した音は大地の破壊音で、硬い鉄がちぎれるような音がデストロイヤーを向けるヒナに届く。
視界に映るのは黒鉄一色。投げ飛ばされた『盾』が壁となりヒナに迫る。片手で払うも支払う代償は大きく、鈍い痛みと投擲した盾と同じタイミングで跳躍したホシノから、至近距離の射撃を顔面に喰らう。
そして──、
「────」
射撃によって吹き飛ばされて──先に着地するのもヒナだ。
被弾を犠牲に手にしたチャンスは、小鳥遊ホシノが空中に浮かぶ数秒という隙。
鈍く走る右腕の痛みを振り払い、デストロイヤーの引き金を引く。額から流れる血に久しく感じていなかった負傷という現象を認識して、「流石」とぼそりと漏らす。
だが、ショットガンの一発とデストロイヤーのワンアクションが釣り合う事は無い。空中で、攻撃の為に盾を消費したホシノに出来る事は無かった。
紫の極光がホシノの背後、浮かぶ光輪まで破壊するのではないか、そう思わせる程に迸り、光の奔流は直接上の全てを飲み込み消し飛ばすだけの威力を有し、
「────」
そんな、全てをねじ伏せる暴虐の中を。
『駆けてくる』存在へ、空崎ヒナは心からの賛美を送る。
「───っ」
「───!」
視界が揺れる、ブレ動く。
盤面への一手を指し切った後に待っていたのは、顎への良い一発だった。
顎ごと、顔を砕かれるかと思わせられる一振りを見舞った相手も痛手を負い、暴虐の中を駆け進んだ代償に膝をつかせられる。
両者は一息をつくことを互いに許容し、
「───……」
小鳥遊ホシノは尽きぬ戦意のまま、空崎ヒナは人生で初めて熱されていく思考を抑えることはせず、生徒会の谷の一戦は、佳境を迎える。
■
『ホシノちゃん』
砂が吹き荒れる世界で、枯れて埋もれた遺体から声が聞こえる。
それは救いの声、それは愛しの声、それは癒しの声、それは赦しの声。
死んだ人間の、死なせた人間の、殺してしまった人間からの問いかけ。
『私が、ホシノちゃんの先輩で良かった?』
──存在しない記憶だった。
下らない、赦しを求めるためだけの問いかけ。自分自身への戒めが、こうやって産声を上げている。
『後輩の事、守ってあげてね?』
たのしいバナナとり。
それは、物として残った唯一の遺品だったはずのもの。ユメ先輩が日々の出来事や考えを書き記した手帳は、遺書代わりに探して、探して、見つからなかった。
『きっと、いい先輩になれるから』
探して、探して、探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して────。
ゴミ箱の中から、校舎の隅々まで、砂漠を毎日練り歩いて探したけど見つからなかった。
『ホシノちゃんは────』
彼女の死は悲劇だったのか。
──それは違う。まだ、終わっていない。私が生きている限り、私が存在している限り、梔子ユメは死んでいない。
何処かの誰かが悲劇として消費する前に、私がしようとしていた事の為に、あの手帳を諦めたんだ。
私は、スバルが来なかったら、
『私の、自慢の後輩だよ!』
ナツキ・スバルが、あの日、あの時、アビドス高校に命を懸けてやって来なかったら。
空っぽの私は、空っぽのお墓へのお供えものとして、真っ赤に暁で染め上がった空の下で、この世界への憎しみを口にしただろう。
そして、彼女が赦した全てを、私は赦さない。
──悲劇という結末を、ここで終わる運命を、全てを抱えて道連れにするつもりだった。
だから、だからこそ、だからだからだからだから、
「ぅくっ……──っッ゛!!」
「────」
こんな所で、終わる訳にはいかないんだ。
■
──それはまさしく、神々の戦いに喩えられるものだった。
「────」
「ぅ゛ぁ゛あッ!!」
負けられない、負けてはいけない、負ける事は無い。
不敗、最強、それが『暁のホルス』であり、私がユメ先輩に出来るただ一つの事。
「────」
──空崎ヒナによって、小鳥遊ホシノは神性の顕現を中止させられていた。
その代わりに身体と神秘の反転が始まり、攻撃に不可避の閃撃が混じり始める。過去、死に戻りにおいてアビドスの生徒を一撃で吹き飛ばした爆雷。
一度の攻撃、その威力の差が空崎ヒナの優位な点であったのにも関わらず、その優位さえ覆され始めた。
「────」
「……自然治癒まで…」
神性の顕現が止まったからといって、神性本体の顕現と反転とは結果に左程違いは無い。
世界は滅ぶ、それだけの結論に向けて運命は歩み始める。
手傷の代わりに与えた損傷も塞がり、リソース勝負に持ち込んでいた空崎ヒナの目論見はここにて潰えた。
そして、追い打ちをかける様に───。
「っ」
「…アレまで、相手は出来ない…!」
紅い空から雷雲が落ちてくる。吹き荒ぶ風、放たれる荒ぶる雷鳴。世界を焼き尽くす白光に向け銃を構えたとして、大いなる自然に抗う事は出来ない。
雷鳴は絶望の福音として戦場を彩り、仇敵の存在を感じ取った神々の星座からの来賓。
雷と嵐そのもの、ホルスへの対立を貫くセトの憤怒の顕現が完了する。
「────」
「………」
「───まだ」
世界の終わり、その始まりに立つ少女は「まだ」と述べる。
雷を断ち、神の怒りを振り払い、この世界の枠組みから飛び出そうとする少女と尚も互角に渡り合う少女は、最早常人が辿り着ける限界を超えていた。
凡そ人と人の戦いに見えない勝負は、決着の素振りを見せない。未だ決め手を打ち合えば、互いに敗北する領域にある。
条件が変わった今では、空崎ヒナの方が圧倒的な不利を背負わされていた。己の決め手を打ち込む為には、ホシノの体力を削ぐ必要があるのにそれすら叶わず、一方で暴走を続けるホシノは身体への負荷を無視して動け、尚且つ顕現を始めていたセトの憤怒に気を配る必要が無かった。
世界を守る者と、世界を壊す者。二人の立場の違いが、世界の重みの分ヒナの足取りを重くする。
「───」
「………」
睨み合う両者は一抹の予感を胸にする。
空崎ヒナの一点火力、それだけにおいては反転を始めたホシノより上回る。だから『まだ』であり、そして『まだ』終わらせにいけない事実がそこにはあった。
小鳥遊ホシノは全てを凌ぎきればいい。それは彼女のファイトスタイルにて一貫しており、相手の思考と策が底に達するまでそれは続き、最後にはワンサイドゲームへと終着する。
──観察と膠着。決定打を出し渋り続ける最強と最強の戦い、その結末は互いに最強であるが故につくことは無い。
でも、それも終わりが近いものになった。
あの雷の塊が此方に干渉してきた瞬間、この拮抗は瓦解する。
この盤上に空崎ヒナは一手を差し込まざるを得ず、そして小鳥遊ホシノは凌ぎきらざるを得ず。
両者の覚悟だけが、雷鳴轟く戦場に静かに満ちていた。
「………………はぁ」
「───?」
その緊迫を空崎ヒナが崩す。肩を落としため息を吐き、最後の一手を打とうとする姿勢は解かずにいるが、明らかに『残念』といった面持ちで、
「……残念だけど、私の負け」
「───」
あっさりと、そう宣言する。
唐突な最強の敗北宣言、何を意図しているのかは分からないが、勝ち目が無いと悟ったのかと、
「最初に言った事も守れないなら、負けてるのと同じね」
「─────」
「けど、彼には勝ってもらうわ」
───それが浅はかな勘違いであった事を、覚悟を決めた空崎ヒナの全力掃射によって味わうこととなった。
「すぅ…───」
──誰かの叫び声が聞こえた。雷鳴よりも大きな、腹の底から吐き出した声がデストロイヤーの射撃音を超えてホシノの耳に木霊する。
それを聞いて、身体に到来する破壊を受け止めその場に縫い付けられながら『小鳥遊ホシノ』はある約束を思い出す。
『俺も、ホシノの『責任』を背負わせてくれ』
スバル、ナツキ・スバル、それはただ一人、たった一つの温かい『赦し』。この世界が向けた、たった一人の優しさ。
あの両手の温もりを覚えている。あの言葉の温もりは忘れていない、あ、そういえば────絶対に負けられないとか言っておきながら、
スバルには、簡単に負けちゃったな。
「ホシノォ────────!!!!!」
──最強を下した、とある男が居る。神と神の争いの中、決め手になったのは、そんなとある男との約束だった。