ゴブリンスレイヤー【魔法剣士の異聞録】   作:星屑の騎士

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今回は、作者考案の受付嬢キャラが登場しますのでよろしくお願いします。

ただ、外見イメージをどっちにするかで悩んでるので、どちらにも取れるような言動にしてるんですよね。

そのためアンケートを設けているのでご協力のほどよろしくお願いします!


第一章:辺境の街のアドベンチャラー
冒険者登録


 

 

 ありふれた話だ。

 

 この四方世界に生きる只人ならば十五歳の誕生日は、成人し、道を選ばねばならない日を意味する。

 

 生まれや育ちによっては、選択の余地なしだが、少なくとも少年には選べる自由があった。

 

 少年は、かねてからの夢であった冒険者を目指して知識神の文庫を旅立ち、ここ西の辺境の街にまでやってきた。

 

 街の入口、そこに目的地である冒険者ギルドがあった。

 

 冒険者ギルド──かつて勇者を支援するべく、酒場に集った者たちが始まりであったという。

 

 他の職業組合とは異なり、冒険者ギルドは互助会というよりも斡旋所といったほうがいいだろう。

 

 延々と繰り広げられる〝言葉持つ者〟と怪物どもの戦いで、冒険者は傭兵のような役割を担っている。

 

 きちんと管理されていなければ、どうして武装した無頼漢たちの存在が許されるのだろうか。

 

「ここが西の辺境の街かぁ」

 

 知識神の文庫を出て初めて見る街の大きさに少年は、目を輝かせている。

 

 この光景を見れただけでも少年にとっては冒険であり、文庫を出た価値があった。

 

(って、そんなことで満足してる場合じゃないだろう! まだ冒険者にすらなってないんだぞ!)

 

 少年は、自らを叱咤すると修道女たちにした約束を守るため、多くの未知を体験するため、自らの力で立身出世するために頑張ろうと決意を固める。

 

 街門を入ってすぐのところに建つ大きな支部を前に思わず挑むように見上げる。

 

 ここから冒険者としての自分を始めるのかと思うと、期待と不安に胸が高鳴り高揚する。そう思えば不思議と建物が大きく、輝いて見えた。

 

 冒険者になるための最初の一歩を踏み出す──その瞬間だった。

 

 風の精霊の悪戯か、交易神の祝福か、一陣の風が吹き抜けた。

 

「……ん? あれは……」

 

 吹き抜けた風に乗って飛んできた何かを少年は、右手で受け取った。

 

 ふわりと手のなかに舞い落ちたのは、清潔な白い帽子だった。

 

 少年は、辺りを見渡して持ち主を探す。

 

 持ち主らしき人物はすぐに見つかった。

 

 長く綺麗な金色の髪を風に靡かせ、息を切らしながらこちらへと駆けてくる、同世代に見える神官衣の少女だ。

 

「……っと、これはキミのか?」

 

「え、あ、は、はい! ありがとうございます!」

 

 やはり持ち主だったらしい少女は、乱れた呼吸を整えるのも後回しにして慎ましい胸元を押さえながらぺこりと頭を下げた。

 

 少女の性格の良さを窺わせる様子に少年は、口元に微笑を浮かべて帽子を差し出した。

 

 少女は、帽子を受け取ると走って乱れた髪を手櫛で直して被る。

 

「本当にありがとうございました」

 

「いや、偶然だから気にしなくていい」

 

 少年は、改めて頭を下げる少女にそう返した。

 

「あの、あなたも冒険者に?」

 

 少年が小剣と盾を装備しているのを見て、少女がそう訊ねた。

 

「ああ、まあな。──って俺もってことはキミもか?」

 

 少年は、頷きながらも意外そうに訊き返す。

 

 綺麗な金色のロングヘアーと愛らしい碧眼の美少女。これだけなら場違いだが、その身に纏うのは地母神に仕える巫女の神官服、手にした錫杖は、駆け出しの聖職者然としている。

 

「あ、は、はい! 成人しましたので、神殿から出て冒険者さんのお役に立ちたいと考えまして……」

 

「なるほどな。俺も先日十五歳になったから、憧れていた冒険者になりたくてね。今日この街に来たばかりなんだ」

 

 と、少年と女神官は十五歳になったばかり、同じ日に冒険者になりに来たとあって比較的打ち解けたのかそんな会話を交わす。

 

 もちろん冒険者という職業が世間一般的に思われているほど楽ではないことは、ふたりもよく知っている。

 

 少年は冒険者というのを文庫に泊まりにきた冒険者から聞いていたし、勉強だってしている。

 

 女神官も神殿に癒しを求めて訪れる、傷ついた冒険者たちの姿を間近で見てきた。

 

 だがしかし、それでもと言う思いがふたりにはある。

 

 少年は道がそう多くなかったという一割の理由と、九割の冒険者への憧れがあり、女神官は地母神の教えとして傷ついた人々に癒しを与えたい。

 

 そのために危険へ身を晒すことを、どうして厭うことができよう。

 

 少年は捨て子だった自分を引き取り、育ててくれた文庫の修道女たちに立派な姿を見せたい。

 

 女神官は孤児として神殿に救われたのだから、今度は自分が恩を返すべきだと。

 

 ふたりの決心は強く、固かった。

 

 それは尊く、誰かにバカにされたり、汚されていいようなものでは断じてなかった。

 

「そうだ、これも何かの縁だ。よかったらこのあと一緒に組まないか?」

 

「それってパーティを、ですか?」

 

「ああ。俺は前衛だし、キミは後衛だろう? ありふれているが、だからこそいい組み合わせだと思うんだ。ひとりよりふたりのほうが色々できることもあるだろう。もし不安なら簡単そうなクエストをこなしてみて、合わなければ解散してもいい」

 

「……なるほど、確かに」

 

 少年の誘いに女神官も納得する。

 

 元より自分とて、ひとりでなんでもできるなどとは考えていない。

 

 聖職者の単独行など自殺行為。いずれ一党を組まねばならないのだ。

 

 見知らぬ人と行動をともにするのは、やはり不安が大きい。

 

 それなら、まだ誘ってくれた人と一緒に組んだほうが安心だろう。

 

 ましてや、それが偶然とはいえ帽子を拾ってくれた同い年で、同じ日に冒険者になるという不思議な縁がある相手ならば尚更だ。

 

 男性に誘われるというのは初めての経験だが、短い間のやり取りで悪い人でないことはわかる。

 

 向こうもそう思ってくれている、はず……。

 

 それにこうして縁ができたのなら──

 

(──なら、いいですよね)

 

 女神官は、内心で頷くと少年に微笑を向ける。

 

「わかりました。……わたしなんかで、よろしければ」

 

 ややあって女神官が素直にこくんと頷くと、女性を誘うという初めての経験に強張っていた少年も笑顔を浮かべる。

 

「ありがとう。見知らぬ土地で、正直、ひとりだと少し不安でな」

 

 と、苦笑いする少年に女神官も小さく笑う。

 

「改めてよろしくな」

 

「はい、こちらこそよろしくお願いします」

 

 互いに笑い合っていた少年少女は、そう言って握手を交わした。

 

 差し出された少年の手を握った女神官は、その鍛えている者特有のゴツゴツとした男の手に驚きと少しの胸の高鳴りを覚え、少年もまた自分とはあまりに違う少女の小さく可憐な白い手の感触に照れと胸の高鳴りを覚えた。

 

「よし、なら行こうか」

 

「はい!」

 

 少年と女神官は、ふたりで一緒に踏み出しギルドの自在扉をくぐってロビーに入ると、話し込んでいたため昼に差し掛かってきたこともあって冒険者や依頼人は疎だが、それでも充分な熱気に、自分たちもまたここに加わるのかと思うと興奮が不安を上回る。

 

 大きな宿屋と酒場──大概は一緒なのだが──それと役所を組み合わせたかのような施設。

 

 実際、その三つが合わさっているのだから、当然のことなのだが。

 

 鎧を纏った只人が居れば、杖を持ち外套を着込んだ森人の呪文遣い。

 

 視線を移せば斧を携えた髭面の鉱人。小柄な草原の民、圃人も確認できた。

 

 さまざまな武装、さまざまな種族、さまざまな年齢の男女が思い思いに談笑している間を縫って、ふたりは受付へ。

 

 その際に自分たちと同じ歳頃の新人らしく武具防具に傷がない少年少女たちもちらほらと居て、みな、一様に夢や期待、不安や興奮に満ちていて冒険者としてふたりより先に旅立っていった。

 

「……いつかは俺も……」

 

「……これからわたしも……」

 

 と、自分の呟きと同時にすぐ隣から聞こえてきた言葉に少年が振り向き、向こうもまたこちらを振り返っていた。

 

 只人の少年と少女は、顔を見合わせて小さく笑い合う。

 

「頑張ろうな」

 

「は、はい、頑張りましょう!」

 

「──次のかた、どうぞ」

 

 そうこう話しているうちに列がはけ、先に並んでいた少年の番が廻ってきた。

 

 またあとで、と言い残して少年が受付に進み出る。

 

「はい、本日はどうなさいましたか?」

 

 応対してきた受付嬢は、淑やかな微笑を浮かべた年上の女性だった。

 

 豊かすぎる胸に押し上げられているが清潔感溢れる制服をきっちりと着こなし、金色の長い髪を一部結い上げている。

 

 けれども冒険者ギルドの受付といえば激務であることは、このホールを見れば一目瞭然。

 

 なのに才女特有の張り詰めた雰囲気を纏っていないのは、己の仕事を理解している証だろう。

 

 少年は、すっかり平常に戻ったのか、緊張もなく、ただし礼儀を欠かない程度に言う。

 

「はい、冒険者になりにきたんですが」

 

「はい、かしこまりました。では、文字の読み書きはできますか?」

 

「はい。文庫で教わりましたから、ある程度ならできます」

 

「では、こちらに記入をお願いします。わからない箇所があったら、聞いてくださいね」

 

 冒険記録用紙。薄茶色の羊皮紙には、金の飾り文字が躍っている。

 

 名前、性別、年齢、職業、髪、目、体格、技能、呪文、奇跡……。

 

 記入事項は実に簡素なものだ。

 

 これだけでいいのかと、思わなくもないが考えてみれば冒険者は教養がない者のほうが多い。

 

 そう考えればあまり細かな記入事項は、登録のうえで弊害になるのかもしれなかった。

 

「あ、技量点と、冒険履歴のところは空けておいてくださいね。そこは私たちで査定しますので」

 

「わかりました」

 

 頷き、緊張もなく手でペンを持ち、インク壺に浸すと、少年はなかなかに綺麗な文字を綴った。

 

 書き上がった記録用紙を差し出すと、受付嬢──職員でも取り分け親しみさのある受付のお姉さんは、逐一頷きながら確認し、銀の尖筆を手に取る。

 

 それを用いて彼女は白磁の小板に、柔らかな筆致の文字を刻みつけていった。

 

 少年が手渡されたそれを確認すれば、細かい文字で記された、冒険記録用紙と同じ内容。

 

「それはあなたが白磁等級の冒険者である証明であると同時に身分証も兼ねています。いわゆる能力査定というものですね」

 

 尤も、見たとおりのことしかわからないですけど。そう、彼女は悪戯っぽく付け加える。

 

 意外そうな視線を向ける少年に、受付のお姉さんはくすりと声を漏らした。

 

「何かあったときに、身元を照合するのにも使いますから、なくさないようにお願いします」

 

 しっかり言い含めるかのような言葉に、少年はわかっているとばかりに頷く。

 

 身元を照合せねばならないときとは、つまり、二目と見られないような死に方をしたときだ。

 

「でも、これで俺も今日から冒険者なんですね」

 

「はい、あくまで冒険者になっただけ、ですが」

 

 曖昧な表情。心配されているのか、或いは諦観。少年には、判別がつかなかった。

 

「冒険者になるだけなら簡単です。そこから先……進級には倒した怪物、社会貢献度、人格の査定がありますから、なかなか厳しいですよ?」

 

 そもそも冒険者は十段階の等級に分けられる。

 

 史上数人しかいない白金を最上位とし、国家規模の難事に関わる金等級。

 

 事実上在野最上位である銀等級。

 

 同じように実力と信用を兼ねたベテランの鋼等級。

 

 中堅である紅玉、翠玉、青玉。

 

 さらにその下の鋼鉄、黒曜、白磁だ。

 

「人格査定、ですか?」

 

「はい、そうです。冒険者は腕っぷしがある、なんていうのは、冒険者ならほぼ大前提。それ以外の何かがあるヒトが上に行くんです。力自慢に採取や護衛は任せられないですからね」

 

 だからといって力がなくていいというわけではないですけど。

 

 そう呟くとき、受付のお姉さんの表情が曇ってふぅ、と溜め息をつく。

 

 それは多くの冒険者に関わってきたからこそ、昨今の冒険者たちに思うところがあるのだろう。

 

 苦労しているんだな、と少年は思う。

 

 見られていることに気づいた受付のお姉さんが、慌てて「こほん」と咳払いをひとつ。

 

「依頼は、毎朝あちらに張り出されます。いい依頼は早い者勝ちで、等級に見合ったものを選ぶのが基本ですが……」

 

 と、示されたのは、ひとつの壁を埋め尽くすように据えつけられた、巨大なコルク板だった。

 

 話し込んでいたため時間もまだ早いが冒険者としては遅いため、大量にあったであろう依頼書は、千切って持って行かれたためにだいぶ疎らではあるが……。

 

 あの大きさの掲示板が必要になるということは、それだけ世に冒険の種は尽きまじ、ということだろう。

 

「ですが、個人的には下水道やドブさらいで慣れていくことをお勧めします。巨大鼠狩りも、立派な怪物退治で、社会貢献ですからね。あとは、ベテランのかたに同行する、あるいは同行してもらうといった感じでしょうか」

 

「なるほど、ありがとうございます」

 

「はい。──では、これで登録は終わりです。今後の活躍をお祈りしていますわ」

 

 とりあえず受付のお姉さんのアドバイスを脳内に書き留め、少年──冒険者となった魔法剣士は頷き、首から白磁の認識標下げ、その場を離れるとコルク板近くで待機する。

 

 何をするにしてもまずは女神官の登録が終わってからだ。

 

「お、お待たせしました!」

 

 待つこと数分、女神官がやってきた。

 

 彼女も同じように白磁の認識標を首から下げている。

 

「いや、気にしないでくれ。逆なら俺がキミを待たせていたんだからな」

 

 そう言って気さくに笑う魔法剣士に女神官も柔らかな微笑を浮かべる。

 

 偶然から結成された急拵えな一党だが組んでよかったと思えた。

 

「そ、それでこれからどうしましょうか? 受付さんには、新人は下水道やドブさらいで慣れるようにと言われたのですが……」

 

「それは俺もだ。聞いた話ではギルドの二階は、駆け出し冒険者向きの宿泊施設になっているらしいから、ひとまずは部屋を確保してから改めてここに集合して、依頼を確認してみないか?」

 

「あ、確かに、手荷物は置いてきたほうがいいですよね」

 

 女神官の手荷物といえば、聖印を兼ねた錫杖、着替えなどの私物に幾ばくかの金子のみだが、冒険に必要ないものは置いておくべきだろう。

 

 どんな依頼であれ体を動かすからには、身軽なほうがいい。

 

 魔法剣士も着替えなどの私物は置いておきたいし、いくらかある資金で依頼に合わせた装備や道具を購入しておきたい。

 

 ふたりの意見が一致したところで部屋を取り、金目の物以外の荷物を置いて改めてコルク板の前に集合し、貼り出された依頼を確認する。

 

 やはり無難に下水道関係か、あるいは配達というのも悪くないかもしれないと未熟なりに話し合う。

 

「やっぱりゴブリン退治じゃないか?」

 

「で、でも受付さんは、オススメしていませんでしたよ?」

 

 魔法剣士の言葉に女神官は、少し怯えたような瞳で上目遣い気味にそう返す。

 

 ゴブリン──それは数ばかりが取り柄の、持った弱いとされる怪物だ。

 

 背丈は子供並。膂力も、知力も同様。しいて言えば、夜目が利くというあたりが特徴か。

 

 それ以外は人を脅かし、村を襲い、女を攫い、とまあ怪物らしい行動を取ることに変わりない。

 

 だが、魔法剣士は受付のお姉さんの話を聞いて考えたうえでの意見を口にする。

 

「そうだけどさ。冒険者になってまでドブさらいやネズミに蟲退治っていうのはなぁ……それに収支を考えたら、どれだけ下水道に潜ればプラスになるかわかったもんじゃないぞ? それと見た感じ数も多くないから、ふたりでならいけるんじゃないか? 俺もキミも術の心得だってあるしさ」

 

「そう、でしょうか……? 確かに治癒と光の奇跡は授かっていますが……で、でもたった三回ですよ?」

 

「いや、新人で三回なら凄いって。俺なんて二回だしな。まあ、剣の腕には自信あるから安心してくれよ」

 

(確かに下水道探索では、生活がままなりませんよね……)

 

 女神官は、魔法剣士の話を聞いて悩んだが納得する。

 

 下水道は、一回の依頼で金貨一枚がせいぜいだ。

 

 水薬が一本金貨一枚であることを考えれば、どれだけやったら装備を整えられるかわからない。

 

 しかもそれは、あくまで怪我をしなければの話。

 

 ただの怪我なら女神官にも治せるが、毒でももらえば薬がいる。

 

 つまり依頼を達成しても、また水薬を補充すればプラスマイナスはゼロ。

 

 下手したら赤字にだってなりかねないのだ。

 

「……わかりました。それでいきましょう」

 

「ああ! 安心しろよ。キミのことは、俺が守ってみせるからさ」

 

「は、はい! ありがとうございます! わ、わたしも頑張りますね!」

 

 少し悩んだが魔法剣士の意見に同意し、女神官は微笑を浮かべる。

 

 それに見とれること数秒、魔法剣士はコルク板に残っている依頼を吟味する。

 

 ゴブリン退治の依頼は冒険者たちに人気ないのか、大半の依頼が捌けたあとでも少なからず残っている。

 

 それでも他の新人が請けたあとだからか、残っているのはそのなかでもさらに大したことないものだ。

 

「……これならゴブリンの数も二、三匹のようだし大丈夫じゃないか?」

 

 そのうえで魔法剣士は、慎重に選んだ。

 

 自分だけでなく女神官の身も預かるのだから当然だった。

 

(守るとは言ったが確実性を無視していいわけではないしな)

 

 いくら冒険者が危険を冒す者とはいえ、避けられるリスクは減らすべきと魔法剣士は考える。

 

 そのうえで起こった危険からこそ守ってみせると決意する。

 

「……はい、いいと思います」

 

 依頼書を読んだ女神官も頷いたことで決まった。

 

 魔法剣士は、依頼書をコルク板から引き千切ると受付に向かう。

 

「すみません、受付さん。これ、お願いします」

 

「はい、かしこまりました。──あら、ゴブリン退治ですか?」

 

 受付のお姉さんは、依頼書を確認して眉を顰めた。

 

「はい。あまりいい依頼がなかったので……あ、ただそのなかでもふたりでできそうなのを話し合って選んだつもりです」

 

 魔法剣士の話に受付のお姉さんは、悩んだ末に納得する。

 

 ゴブリン退治のベテランは、他の新人の救援に出てしまった。

 

 他の熟練者のパーティに入るか、同行してもらおうにもすでにみな、仕事に出てしまっている。

 

 さまざまな事情を鑑みて、冒険者が冒険者なりに考えた末の試みならギルド職員は、否やはない。

 

 せめて希望に沿った手続きをするまでだ。

 

「……わかりました。人数は、ふたりですか?」

 

「はい、そうです」

 

「はい、では手続きしますね」

 

 短いやり取りを経て受理の手続きがされる。

 

 そうして手続きを終えた魔法剣士に受付のお姉さんは、せめてもの助けとして言う。

 

「ゴブリンのなかには、毒を使う者もおります。毒消しは、購入されたほうがいいかと」

 

「なるほど……なら一本ください」

 

 装備に資金を回さねばならないため、魔法剣士は金貨一枚で毒消しを一本購入した。

 

 そして魔法剣士は女神官の下に向かった。

 

「よし、装備を整えたら早速出発だ」

 

「は、はい! 頑張りましょう!」

 

 新人冒険者ふたりのありふれた冒険がいま、始まろうとしていた。

 

 しかし、その結末がありふれたものになるかどうか、それは神々とていまはまだわからない。

 

 

 

 

END

 

 

 

 

 

 

 

 

      

              

 




はい、こんな感じで魔法剣士くんと女神官ちゃんの物語が始まっていきます。果たしてありふれたゴブリン退治はどうなるのか?お待ちいただければと思います。

受付のお姉さん、名前がバランス悪いですよねぇ。なんかいい名前があればメッセージで送ってもらえたら助かります。

次にアンケートでいただいたキャラ、みんな銀等級なんですよね。なのでまだまだ駆け出しな魔法剣士くんのパーティではない形で登場させようかなと思います。能力も変更を入れるかもです。

ロクサーヌは、魔法剣士くんのパーティバランス的に適していたので採用させていただきます。原作より少し斥候能力方面を強化するかも?こちらもご協力ありがとうございました!

ご協力ありがとうございました!

それでは、また!

受付のお姉さんの外見のイメージは……

  • エノメ(不徳のギルド)
  • ルナ(このすば)
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