ゴブリンスレイヤー【魔法剣士の異聞録】   作:星屑の騎士

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今回は短いですが更新させていただきます!少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです!

↓この作品に関係ないのですが、活動報告にて実施している募集などにも参加していただけたら幸いです。

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冒険者を志したなら

 

 魔法剣士たちが多少のトラブルはあれどこれぞ冒険といった採取依頼を終え、錬金魔術師と出会った日の翌日のことだった。

 

「──しかし、この前は依頼どおりに終わったがなんか落ち着かないな」

 

「あはは……思えば最初のゴブリン退治から始まっていろいろありましたもんね」

 

 魔法剣士の言葉に女神官が苦笑気味に応じた。

 

 ゴブリン退治の最中にトロル、片付け依頼の最中に破落戸たち、採取依頼の帰りに冒険者落伍者、といった具合に予期せぬ事態ばかりだった。

 

「竜と偶発的遭遇、なんて教訓もあるとはいえ、よく俺たち生き残れたよなぁ」

 

「わ、わたしもそう思います……」

 

 思わず遠い目になる魔法剣士と女神官。

 

 そう考えるとこれまでに比べれば採取依頼の帰りに豪雨に遭うなど、外での依頼では珍しくもないことだった。

 

 実際、依頼達成を報告したときは、受付のお姉さんもどこか拍子抜けしたような、安堵したような表情を浮かべるほどだった。

 

「以前にもお聞きしましたが、私たちが加入する前にそんなことがあったんですね」

 

「……あなたたちは……まったく、パーティを組んでいる身としましては、いつ我が身かと思うと若干の不安を覚えるわね」

 

 ふたりの会話に賢狼剣士はどこか闘争心を刺激されたような顔になり、銀髪魔法士がふぅ、と小さく溜め息をつくが拒否感はなく、そのときはともに乗り越えれるよう努力しようという気概が見え隠れしている。

 

 そちらを見つめる女神官が思わずといった様子でひと言。

 

「──慣れますよ」

 

「……そう」

 

 透き通るような瞳の女神官に、やはり明日は我が身かと、銀髪魔法士は天を仰ぐが人生を捧げるほどに信仰していない神々は応えてくれない。

 

「そのときは私も力いっぱいがんばらせてもらいます!」

 

 賢狼剣士は、やる気を漲らせていた。

 

 戦うのが好きなのだろうか、尻尾や耳がピクピクと動いている。

 

 賑やかに談話する魔法剣士たちがいま居る場所は、冒険者ギルドの一角。

 

 最近少しずつ彼ら一党の定位置にもなってきた、壁際の席だ。

 

 いまは、朝の依頼貼り出しの時間を待っている些細な、しかし一党としては大事な交流の時間だ。

 

 もちろん、冒険者をやっていればいずれ記憶と時間に埋もれる一幕だが、そこまで続くためにも欠かせないことだ。

 

 そして、そんなこと意識せずとも四人は、こうして会話する時間が好きだった。

 

 そうこうしているうちに朝の依頼貼り出しの時間となった。

 

 コルクボードの前に冒険者たちが我先にと群がり、いい依頼の争奪が始まる。

 

「……行ってくる」

 

 戦地に赴くかの様子の魔法剣士に女神官たちは、心配しながらも見送るのだった。

 

 

 

 

 

       §

 

 

 

 

 

 依頼争奪戦を無事に乗り切り、北のほうへと採取に赴いた魔法剣士率いる一党は、無事に採取を終えて帰路へと着いていた。

 

「今回も無事に終わってよかったですね」

 

「私たちも採取にも慣れてきましたね」

 

「……だからといって油断は禁物よ? なんでも慣れてきたときが一番危ないのだから」

 

 女性陣が和気藹々と話しているのを聞きながら、魔法剣士は周囲を警戒し、賢狼剣士に視線を向ければそれに気づいた彼女は問題ないと頷く。

 

 遠回りすることになっても獣の縄張りを避け、進む仲間へ魔法剣士は声をかける。

 

「──たしか近くに村があったはずだ。そこに寄って一度休息するぞ」

 

 頭目の指示に各々が応じたときだった。

 

「──止まってください」

 

 先頭の賢狼剣士が足を止め、鋭い視線と声音で告げた。

 

 魔法剣士、銀髪魔法士が賢狼剣士とともに三方を囲み、中心の女神官がしっかと錫杖を握り、各々警戒態勢に入る。

 

「……どうした?」

 

 先日の遺跡調査で破壊されたことで新調した円盾を構え、腰の小剣の柄に手をかけながら魔法剣士が鋭く問いかける。

 

 賢狼剣士は、目を瞑って鼻や耳に意識を集中すること数秒。スッと目を開いた。

 

「……戦闘音です。かなり激しいですが、この感じだともうすぐ決着すると思います」

 

「戦闘……数や敵はわかるか?」

 

「数は……すみません、猥雑としていてわかりません。多いとしか。ただ敵は、おそらくゴブリンですね」

 

「そうなると、戦っているのは冒険者か……」

 

「おそらくは」

 

 賢狼剣士の言葉に魔法剣士は、面倒なことになったと思う。

 

 せっかく最近は、装備や道具に消耗なく依頼をこなせているのだ。

 

 ただでさえ報酬が安く、それ以前に依頼を請けてもいないのにゴブリンに関わりたいとは思わない。

 

(……迂回するべきか)

 

 そう思案しながら魔法剣士は、賢狼剣士に訊く。

 

「……接敵するのか?」

 

「いえ、どうやらひとつどころで戦っているようです。見えますか? あちらです。あの村です」

 

 賢狼剣士の示す先には、森を進んだ遠間に木々でできた農村らしきものが只人の目にはかろうじて確認できた。

 

 たしかに耳を澄ませばゴブリン特有の下卑た声が聞こえてくる。

 

(見つかる前に立ち去るか……いや……)

 

 魔法剣士は、依頼でもないのに戦う必要はないと思うが、すぐに思い直した。

 

 好き好んで冒険者になどなったのだ。それは、生きて普通とは違う何かを見いだすためだった。

 

 効率を考え、利口に生きるのなら農夫なりなんなりをやったほうがいいのだ。

 

 依頼を請けていないから関わらないなどというようなのは、冒険者の風上にも置けないだろう、と魔法剣士は思う。

 

 それに、と魔法剣士は、一党の仲間たちを見やる。

 

 女神官は、錫杖をしっかと握って助けに行きたいと顔に出ていた。

 

 賢狼剣士と銀髪魔法士は、魔法剣士の判断に任せると態度に示していた。

 

「……よし! 助けに行くぞ!」

 

「「「はい!」」」

 

 魔法剣士の決定に異論なく、凛と応える女神官たち。

 

「だが、極力安全に、だ。ひと当てして無理そうなら撤退する。自分たちの命あってこそだからな」

 

 そう、助けたいという思いは尊い。だが、それだけで勝てるなら苦労はしないだろう。

 

 思いだけでドラゴンやオーガに敵うわけがないのだ。

 

 相手がゴブリンだからと侮っていい理由にはならない。その侮りこそが命取りになるのだ。

 

「俺が先頭を行く。感知は頼む」

 

「はい、お任せください!」

 

「ふたりは、俺たちのあとに続け」

 

「はい……!」

 

「……わかったわ」

 

 指示を出し終えた魔法剣士は、先頭を駆け出した。

 

 

 

 

END

 

 

 

 

 

       

 

 

 

 

 

 




やっぱり女神官ちゃんは書いてるの楽しい。漫画やアニメの名台詞?も言わせられましたしね。原作小説だと言ってないんですがね。

本編と関係ない話ですがグランドセイバーは、うちは沖田さんにしました。育成楽しいですがとにかく万年QP不足が酷いうちのカルデアです。

それではまた次回!

受付のお姉さんの外見のイメージは……

  • エノメ(不徳のギルド)
  • ルナ(このすば)
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