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二次創作をやるにあたり、改めて原作小説や漫画を読み直したりしてますが、リタイアするには惜しい女の子キャラも多いですよね。特に漫画だとキャラデザが好みだったりもしますし。
あとゴブリンスレイヤーTRPGも見てます。わからないこともありますが、世界観が広がりますね。
それでは、本編をどうぞ!
魔法剣士と女神官が初めての冒険を達成した翌日、ふたりは朝食を食べたあと、冒険者ギルドを訪れていた。
如何にゴブリンやトロルを退治したからといって新人冒険者であるふたりは、当然まだまだ金銭的に余裕などない。
日々仕事せねば食いっぱぐれてしまう。
ただでさえ冒険者というのは、装備諸々の補充などでも散財するというのに、そこに食事や宿泊の代金も加われば冒険で得た報酬など良くてゼロ、悪ければマイナスだ。
プラスにするには、それこそひと山当てねばなるまい。
そして、それこそが多くの冒険者が求めるものでもあった。
朝の依頼書貼り出しの前にギルドを訪れた魔法剣士と女神官は、受付のお姉さんに呼び出されてトロル討伐分の報酬をもらっていた。
「はい、こちらがトロル討伐報酬になります。均等に等分にしておきましたのでご確認ください」
「ありがとうございます」
「あ、ありがとうございました」
微笑を浮かべる受付のお姉さんにふたりは、そう言って頭を下げた。
手渡された革袋は、等分でありながら結構な重さだった。これだけで並居る駆け出し冒険者たちよりも、一歩も二歩も先んじたことになる。
礼儀正しい歳下のふたりを微笑ましげに見つめつつ受付のお姉さんは、尖筆を動かしてしっかりと記録を取る。
獲得報酬は、そのまま冒険者の評価にも繋がる大切な要素のひとつなのだ。
「おふたりとも、今日はどうされますか?」
「依頼書を見てから決めようと思ってます」
「わかりました。ですがあまり無理はしないでください。ただでさえトロルと戦ったあとなんですから」
初めての冒険、その緊張とは意外に尾を引くのだ。
まして新人冒険者には、普通なら荷が重い怪物を相手にしたとあれば尚更だった。
受付のお姉さんの忠告に魔法剣士と女神官は、顔を見合わせて頷き、受付へ向き直る。
「わかりました」
「き、気をつけます」
素直なふたりの返答に受付のお姉さんは、優しく微笑んで頷いた。
「はーい、冒険者の皆さーん! 朝の依頼貼り出しのお時間ですよー!」
そうこうしていると他の受付嬢が朝の依頼書貼り出しを始めた。
冒険者たちは、待ってましたと次々と依頼掲示板に殺到する。
繰り返しになるが、なんといっても仕事にありつかなければ、今日の食事にさえこと欠くのが冒険者というものだ。
さらに依頼内容と獲得した報酬から算出される、冒険者としての評価──経験点と呼ばれる社会貢献度を高め、上の等級を目指したいのはみな同じだ。
何しろ冒険者の等級は、彼らの社会的信用度とイコールだ。
どれだけ実力があったとしても、白磁や黒曜の冒険者では、重要な依頼は任せてもらえない。
つまり、稼ぎがいつまでもプラスになっていかないのだ。
その点を考えれば魔法剣士と女神官は、白磁ながら礼儀もちゃんとしていて、そのうえで駆け出しとは思えない成果を最初の冒険で挙げている。
そう遠くないうちに昇格できる可能性は充分にあった。
「俺が行ってくる。待っててくれ」
「は、はい! 頑張ってください!」
冒険者でごった返す掲示板前を見て魔法剣士は、華奢な女神官を待たせて自分もその只中に向かった。
冒険者たちの勢いに気後れしている女神官の声援を背に掲示板前にやってきた魔法剣士は、人垣の合間を縫うように前へ前へと進み、依頼書に目と手が届く位置までやってきた。
(俺は体力的に問題ないが、あいつは華奢だからな。あまり怪物を相手にしない依頼がいいな)
前衛職と後衛職の体力の違いを鑑みて、特別華奢な女神官のことも考慮して魔法剣士は、白磁に任せてもらえる依頼からその条件で絞って探した。
(……お、あれはいいかもな)
魔法剣士が目をつけた依頼は、家の清掃と荷物運びを手伝ってほしいといったものだった。
冒険者の仕事とは思えないが、無理して怪物を相手にするよりはいいし、こういう依頼なら受付のお姉さんとの約束を守りつつ社会貢献度を高めることができる。
魔法剣士は、手早く依頼書を掲示板から剥ぎ取り、人垣を抜けると受付へと向かった。
「お姉さん、これお願いします」
「はい。──では、依頼の確認をさせていただきますね。依頼人は最近家を買われたのですが搬入予定だった荷物が遅れたうえに、依頼していた業者も荷物の遅れから他に仕事を入れてしまったようです」
天候、あるいら街道に出る盗賊などが原因で荷運びなどは、予定どおりに行かないことは珍しくない。不幸な行き違いが原因のようだった。
「どうやら業者もそちらの仕事に取り掛かってしまい、再度お願いするにも数日は先のようで、かといってひとりでやるには難しく、野ざらしになっているので天気に恵まれているうちになんとかしたいようですね」
受付のお姉さんは、魔法剣士が差し出した依頼書を確認し、依頼内容を詳しく説明してくれる。
内容からして急ぎの仕事なようだ。
「はい。なので少し多めに報酬を支払ってくださるそうです。早速ですがお願いできますか?」
「はい、わかりました」
「ありがとうございます。では、簡単な地図と依頼受理書をお渡ししますので向かってください。頑張ってくださいね?」
受付のお姉さんに見送られ、魔法剣士は女神官の下に向かった。
「待たせたな」
「いえ、大丈夫です。それで今日は……?」
「ああ、なかなかいい仕事があった」
魔法剣士は、女神官に依頼内容を説明すると彼女は表情を和らげた。
「それでしたら危険も少なそうですね。それに力仕事は無理かもしれませんが、神殿での勤めで慣れていますのでお掃除ならわたしもお力になれるかと思います」
「なるほど。なら一党らしく役割分担で頑張るとするか」
「はい!」
魔法剣士の言葉に女神官は、笑顔で頷くと健気に微笑んでかわいらしく両手を体の前で構えて、むんっと気合いを入れる。
依頼内容の共有ができたところでふたりは、ギルドに併設された武器屋へとやってきた。
武器屋ではあるが防具や他にも雑多な道具を扱っている店だ。
「すみません。頼んでいた装備を受け取りに来たんですが」
「──おまえか。ああ、できてるぞ」
カウンターの向こうから魔法剣士に応対したのは、短躯の老人だった。
一見鉱人に見えるが歴とした只人だ。
長年鍛冶屋を営んできたためか片目は閉じられ、もう片方の目は大きく見開かれている。
強面な老翁に女神官は、二回めでも慣れないのか頭を下げたあと、そそっと魔法剣士の後ろに控えた。
工房の翁は慣れたものなのか、気にした様子もなく魔法剣士の注文の品を抱えてカウンターの上に乗せた。
注文品は、持ち手を外した盾、鎖帷子、長剣だ。
「ありがとうございます。手間をかけてすみません」
「別に金さえ払ってくれりゃあ構わねぇよ。仕事ってのはそういうもんだ」
そう返されたら確かにと魔法剣士も頷くしかない。
まだ一回だけだが冒険したことで実感として理解できた。
「それより、だいじょうぶだとは思うが、いちおう着け心地を確かめてみな」
「はい、わかりました」
工房の翁に促され、魔法剣士はカウンターを離れると鎖帷子を着て、その上から革鎧を身につけ、長剣を佩き、盾を帯で左腕にくくりつける。
そして、軽く体を動かして動きに支障がないことを確かめると、女神官に声をかけた。
「ほんとに装備はいらないのか?」
「は、はい。地母神さまに仕える身としましては、あまり鎧などは……」
魔法剣士の問いに女神官は、遠慮がちにそう答えた。
「祈りが届かなくなったりするのか?」
「い、いえ……奇跡は届きますが」
「なら戒律──いや、気分かなんかか? それなら多少の武装はしたほうがいい。後衛に敵やら攻撃やらは通すつもりないが、そうはいかないだろうしな」
「そう、ですね……なら今回の依頼が終わったあと、その、一緒に見ていただいても?」
「ああ、構わない」
魔法剣士と話してるうちに考えを改めたのか、女神官のお願いに彼は当然と頷く。
女神官の可愛らしい笑顔に魔法剣士は、気恥ずかしくなり、工房の翁の座すカウンターへと戻る。
「問題ないです。ありがとうございました」
そう言って魔法剣士は、必要な金額を支払った。
「……ああ、確かに。他には何かあるか?」
贋金かどうかを歯で齧って確かめて問題なしとした工房の翁は、硬貨をカウンターに流し落とした。
「……いや、大丈夫です。また何かあれば来ます」
「あ、ありがとうございました」
頭のなかで装備を確認し、魔法剣士がそう言ってその場をあとにすると、女神官も頭を下げて彼のあとを追って、ととっと小鳥か何かのように小走りでついていった。
(やれやれ……どっかの偏屈な冒険者を思い起こさせる細工だったな)
駆け出しふたりを見送った工房の翁は、とある銀等級冒険者を思い出したがかぶりを振ると自分の仕事へと戻るのだった。
END
今回は、導入段階って感じでした。次回、依頼開始となります。
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わからないことなどもメッセージや活動報告で訊いてもらえたらなと思います。
受付のお姉さんの外見のイメージは……
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エノメ(不徳のギルド)
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ルナ(このすば)